新規事業開発 | 用語集①

このページでは、一般的に新規事業や起業家、ベンチャーキャピタルの方々が使用する用語と略語の持つ意味とビジネスでの使われ方をSEEDATA代表の宮井が解説します。

重要なことはこの言葉の意味を覚えることではありません。その背後にある考え方や何故そういった視点で企業の業績やパフォーマンスを管理する必要があるかという視点を学ぶことです。一方で、こういった単語ばかりをやたらと振り回す人がいたら、本当に中身のある話をしているか、略語の説明をしているだけではないのか、注意深く耳を傾けましょう。


↓↓SEEDATAの無料ホワイトペーパーができました↓↓

失敗しない新規事業部の立ち上げ方(ホッキョクグマ)

新規事業を立ち上げの際に担当者が陥りがちな失敗を項目ごとに解説(全25ページ・493KB)




AARRR

AARRRとは、グロースハックにおける顧客行動の分解モデルのこと。顧客行動の状態を5つのステップに分け、その頭文字を組み合わせたフレームワークのことで、「アー」と読む。

Acquisition(誘導:ユーザー獲得)、Activation(活性化:顧客情報の提供)、Retention(継続:リピーター化)、Referral(紹介:シェア)、Revenue(収益:優良顧客化)

(SynergyMarketing「マーケティング用語集」よりhttps://www.synergy-marketing.co.jp/glossary/aarrr/)

「通常、新規事業を立ち上げると、売り上げを伸ばす方面、ユーザーを獲得する方面ばかりに力がいきがちだが、継続してもらうほうが新規に顧客を獲得するよりも安く済むし、いちいち広告したりPRしたりするよりも顧客に紹介(シェア)してもらったほうが効率的。

ただし、この言葉を知ったからといってうまくいくということはまったくなく、これらのことを頭にいれ、バランスよく成長の要素を整理しましょう」



ACV

Annual Contract Valueの略:年間契約額。ACVを年間で定額でもらえていることは安定したビジネスの規模を示す。

「何故年間の契約額が大事かというと、とくにBtoBやスポーツジムのような継続的なビジネスには重要。ビジネスをやっている者の感覚として、3ヵ月くらいで終わるのは顧客が価値を感じていない場合が多く、1年くらい取引が継続してようやくそれで価値を感じてもらっていると判断できる。

一般的なBtoBビジネスでは1年ちゃんと続いてる、そしていくら払ってるということはすごく重要。ただし、単発的なサービスやコンサルからの収益は含めない会社もある。契約型のサービスや、単発でないビジネスを起こしたい、良好な関係を長期で築いていきたいと思う起業家は重視したほうがいいです」



AIDMA

Attention(注意)、Interest(興味)、Desire(欲求)、Memory(記憶) 、Action(行動)の略。

「消費者の購買行動の心理プロセスのことで、難しそうに見えるけれどすごく昔から当たり前にいわれていることなので、セミナーなどで偉そうにこのAIDMAをスライドに出してくる人がいたら要注意。本人のオリジナルの話がほとんどなく、AIDMAの説明をしているだけのことがあります。

AIDMAの法則において一番重要なことはひとつで、AとIが違うということ。

アテンションは「注意」、インタレストは「関心」だが、多くのビジネスパーソンは注意を向けてもらうことと関心をもってもらうことが同時に起こると錯覚している。単に目立っただけで関心を持たれていないケースがないかということをよく考えるべき。

世の中には注意を引くことだけに力を加えてしまい、関心を持ってもらう仕掛けをしていないパターンが多い。AIDMAの概念はそのことを教えてくれる」



AR

Augmented Realityの略:拡張現実。

「似た言葉でVR(Virtual Reality=仮想現実)とよく混同しがちだが、ARは現実世界で人が関知できることに何かをくわえたもの。一方VRは完全なるバーチャル」









CAC

Customer Acquisition Costの略:顧客獲得コスト。

「顧客獲得単価についてなぜか略語で小難しく表現している。ただ、実際に顧客獲得単価はすべてのビジネスにおいて重要」









CEO

Chief Executive Officerの略:最高経営責任者。

「SEEDATAのように小さい会社なのに代表取締役の横にCEOとつけると「よっ、CEO」などといじられるので注意が必要。これをCEOいじりと言う。COO(Chief Operating Officer)も同様」









CFO

Chief Financial Officerの略:最高財務責任者。

「CEOと比べいじられる対象にはなりにくい。CFOはある程度会社が大きくなってから決まるためではないかと思う」









CVC

Corporate Venture Capitalの略。

「企業が社外のベンチャーなどに投資することやその仕組みを表す」









CPA

Cost Per Acquisitionの略:顧客獲得コスト。

「CACには顧客を獲得するための色々な費用も含まれている。一方インターネット広告やキャンペーン系の場合はCPAと表す。より狭義のCACといえる」









CPF

Customer Problem Fitの略:顧客の持つ課題によりそうこと。

「マーケティング系の人にとっては当たり前のことだが、技術系の人こそとくに意識しておいた方がよい。CPFを概念として持ち議論できる組織だと、過度な作りこみの暴走は避けられる」









CTO

Chief Technical Officerの略: 最高技術責任者。

「うちの会社にも欲しい」









DCF法

Discounted Cash Flow の略

「新規事業でよく出てくる言葉ですが、起業家やイントラプレナーは「お金はいつもらえるかによって価値が変わる」ということを頭にいれておくべき。それを理解するうえでDCFは非常に有効な概念」









eBOOK

電子ブック。

「拙著『2回以上、起業して成功している人のセオリー』はキンドル版の方が売れたので、やはりeBOOKは有効ですが、近年は書籍を出してブランディングというのは少しスピード感で劣るように感じています」









GEI

Growth Efficiency Indexの略:成長効率性指標

「この言葉はあまり使わないしそこまで気にしなくてもいいでしょう」









IPO

株式公開。

「かつてはベンチャー投資家のいちばん目指すべき成長のひとつのゴール=上場でしたが、今は大手企業にM&Aの形で事業売却するというイグジットもあるし、必ずしもIPOだけがひとつのゴールではなくなってきています」









IR

Investor Relationsの略。

「投資家や株主に対して、その人たちが自分たちの会社の評価をするために必要な情報を出し関係を築くための行動をIRという。

上場会社は当然やるし、オーナーだけが株を持っているような会社以外、ほとんどの企業はIRが必要です。起業家やベンチャー企業の場合、投資をしてもらうというケースは多いので、IRは重要と意識しましょう。

ただし、自分たちの会社の今の現状や今後やっていきたいビジョンをそのまま話すことが必ずしもIR上よいとは限りません。「自分たちの会社を適切に評価してもらうための情報」は何なのかということを考えて、ステイクホルダーと話すということが大切だと起業家は心得ておくべきです。嘘をつくという意味ではないので勘違いしないでください。どう話すと効果的か、今話すべきか、言わないでおくべきかなどを考えるというのが、起業家のIRといえます」









Jカーブ

スタートアップの理想的な成長曲線。

「一旦右肩下がりに落ち込んだ状態から急浮上(二次関数的、場合によっては三次関数的な角度になる)するカーブ。

ユーザー数も営業利益もうまくいっているベンチャーは必ずJカーブで成長します。逆に階段状には絶対に積みあがっていきません。また、このまま横ばいしていくことをリビングデッドといいます。

Jカーブというのは今すごく重要な思考で、エクスポネンシャル思考ともいわれます。技術も人も利益も、ものごとは急に指数関数的に爆発的に増えるということを意味し、なにか新しいことが普及していくときは、爆発的に増えるという風にものごとをみることが重要です。このエクスポネンシャル思考は先進的なビジネスパーソンの間で取り入れられている考え方です」









KJ法

川喜田(K)二郎(J)先生の発想方法の略。

「まずほとんどの人はKJ法を分類と勘違いしているという問題があります。KJ法について正しく理解するためには、川喜田二郎先生の『発想法』を読むべきです。

もしもプランナーでこの本を読んでいない人がいたとすればモグリです。

「KJ法は分類ではなく、発見の技術」だということが重要です。

KJ法はSEEDATAで提唱しているアブダクティブな推論につながる方法であり、プランニングの本質が詰まっています。

実際にKJ法を体験してもらうときにオススメの方法は、まずは最初に分類してもらうことです。よくブレストなどで、アイデアをポストイットに書いて出し合うという方法をとりますが、その際ひとつのポストイットに1アイデアだけ書くようにすると分類が可能になります。たとえば動物であれば哺乳類、爬虫類などといった、辞書的な分類です。KJ法は分類ではないので発見した共通の説明仮説ををそこに書くのですが、多くの人はそれができていないのです。

分類というのは単に抽象化しているだけで、KJ法ではありません。なので私は一度分類してもらったら、「次に、分類ではない方法でカテゴライズしてください」と言うようにします。

分類してほしくなければ最初に分類してもらうこと、次に分類ではない方法でカテゴライズしてみるとKJ法がなんなのかというヒントが少し掴めるでしょう。









KPI

Key Performance Indicatorの略。

「よくKPIとKGIを混同している人がいますが、ざっくりいえばKGIは利益でOKです。登山にたとえて、山の頂上が利益の最大化だとするとこれがKGI、どの道を通るかがKPIです。なんでもいいから利益が出ればいいというのはKPIのない経営といえるでしょう。たとえば1年以上継続している顧客からの売り上げを80%以上にしようというのはKPIです。

つまりどういうやり方で利益を出すのか、それは自分たちの会社のミッション、ブランドビジョン、理念に合致した形で利益をあげていかなければ、組織も商品もバラバラになってしまい、結局会社の持続可能性はありません。長期的に持続可能な目標やビジョンに沿って利益を上げていこうというのが基本的なKPIの考え方になります。

よく、KGIに単に相関があり、この指標を上げれば売り上げや利益など上がるからこれをKPIにしようという考えかたを目にしますが、これは少し惜しいです。

とくにスタートアップは、その頂上への登り方が、自分たちのビジョンに沿った上がり方、会社の進むべき道になっているかをチェックする観点をぜひ入れましょう。

まずは初心者の間は、この数字が上がれば売り上げが上がるという相関した指標を見つけるようにしましょう」









LTV

Life Time Valueの略。

「ひとりのお客さんから全期間でいくらの売上・利益を得られるのかを推定したのがLTVで、基本的にすべての会社は顧客のLTVを意識してビジネスを進めるべきです。

このLTVを意識している会社は一回の取引ではなく、何度も取引しようと考えるからアフターフォローに力を入れることができるし、最終的に100万円この顧客から売り上がるのであれば、逆に1個1万円の商品でも最初の獲得に10万円かけようという長期視点のマーケティングができるようになります。1個1万円の商品に1000円しかマーケティング費用をかけなければ、長期視点では同じ領域でLTVを意識している会社には絶対に勝つことができません」









M&A

Merger and Acquisitionの略。

「M&Aは企業の合併や買収を指します。専門家ではありませんが、基本的には以下の方向性でのM&Aがあります。

1.成長のため

2.足りない機能を補完するため

3.うまくいっていない会社をM&Aして自分たちのリソースと組み合わせて復活させるため

このほかの目的としては、税金的な問題からという場合、また、良くないのは売り上げのかさをあげるために買収する場合があります。

当然ですがM&Aは企業の成長には最終的には不可欠といえます。SEEDATAの場合はまだ規模は小さいのでマイナー出資が多いのですが、これもやはり足りない機能を補完するために出資していて、その機能を会社ごと買おうというのがM&Aになります。

また、大手企業の場合、将来競合になりそうなベンチャーを高値で買うという場合もあり、起業家も最近は大手企業に買収されることを目標としてベンチャー企業を立ち上げるパターンが増えてきています」









MAU

Monthly Active Usersの略:マンスリー(月間)アクティブユーザーの略

「基本的にアプリや、SaaSといわれているようなサービスを提供するような人たちはアクティブユーザーをすごく重要視しています。アプリダウンロードしてもらうだけでなく、そのうちどれくらいの人がアクティブかは、MAU=マンスリー、WAU=ウィークリー、DAU=デイという数値を見ることで知ることができます。

たとえばSlackは日々使うものだからDAUで見た方がいいし、ECサイトなら月に何回購入するかなのでMAU、動画アプリなら1週間単位でWAUというように、どのくらいの頻度で使うかでM、W、Dを見ることが重要です。

さらに大事なポイントは、この数値を向上させる要因、つまりよりアクティブにさせる要因は何かを考え、カスタマージャーニーやUXを作ってその指標をあげていくことです。KPIとしてMAUを設定するのもアリ」









MSP

Minimum Sellable Productの略:最小販売可能プロダクト

「最近スタートアップ系の人たちが使っている言葉で、新規事業系のコンサルの人はMVPとMSPを分けて考えている場合がありますが、SEEDATAではMVPとMSPをあまり分けずに考えています。MVPは価値が感じられる必要最小限のプロダクト、MSPは最小販売可能プロダクト。

SEEDATAの場合、MVPを作ってそれをいったん無料などでPOBを回して、MVPをどういう形で課金したり売るかということで自然とMSPまでを考えているので、わざわざ分ける必要はないように思います」









MVP

Minimal Viable Productの略。

「SEEDATAではキーパス・シナリオとMVPの関係を重要視しています。自分が作りたいサービスやプロダクトを通じて提供したい価値の中で、一番重要だと考えているものを実際に顧客に使ってもらえる形にしたものがMVPです。そのため、その価値が感じられるのであれば、実際に売り出すものと形などは違ってもよいのです。たとえば本当はアプリケーションだけど、MVPでは人が裏で作業していても構わないし、本当は工場で成形するところを既存のものを組み合わせて代用しても、同じように使えればよいということです。

一番提供したい価値をお客さんに伝えることができる試作品のようなイメージです。

さらにSEEDATAの場合は、このブロダクトやサービスを、どのような体験として使ってもらうかを示したキーパスシナリオとセットで考えています。









NDA

Non Disclosure Agreementの略:秘密保持契約。

「NDAは必ず結びましょう」









Nice-to-have

「あったら嬉しい」の訳。

「Nice-to-haveは、Need-to-haveとは異なります。Needは必要性が高く、Niceはあったら嬉しいなので、Nice-to-haveだとネガティブに捉えれるということがあります。

また、Need-to-haveの類語としてMust-to-haveも使われていますが、わざわざ英語にしてこれを話す必要はとくにないでしょう。

重要なことは、新規事業の立ち上げ方の記事内でも解説していますが、新商品でもサービスでも、新しいものを受け入れてもらう時には、今まで他の何かに使っていた時間やお金を振り分けてもらわなくてはいけないので、「あったら嬉しい」がすごく強ければよいのですが、人々がすでにお金や時間を振り分けている何かをやってるついでにできるか、あらためてお金や時間を割いてもいいかという観点で考えることです」









Over-achieve

「期待以上に」の訳。

「類語としてOver-spec、Over-qualityなどがあります。

これはすごく難しい話で、熱意を持って新規事業など新しいことを行う以上、テーマは最大限に追求したいし、性能は最高を目指したいものですが、そのこととそのサービスや事業が持続可能かどうかには矛盾があって、熱意を持って最高のものを作ったとしても、お客さんにはそれ以上の性能の向上を感じてもらえなかったり、こんな機能はいらないから価格を半分にして欲しいと思われる可能性もあります。

個人的にはOver-quality、Over-achieveといわれるものを作ってしまう人のほうが最終的にはうまくいくと思いますが、脇で冷静な誰かが「これくらいで十分では?」とジャッジする必要はあるかもしれません。

いずれにしても、最初から「この程度でいいだろう」というプロダクトでは厳しいことは間違いなく、まずは熱いを持ってOver-specやOver-achieveを作り、持続可能性を考えたときにどこかでGood-enoughを探せばよいのです。顧客目線で折り合いをつけることの重要性を表しています」









Payback Period

顧客獲得コストを収益で取り返せる期間。

「なぜ英語にする必要があるのかわかりませんね」









PDCA

Plan(計画)・Do(実行)・Check(点検・評価)・Act(改善・処置)の頭文字。

「最近言われているのはPDCADCA。Pは少なくてもよいので、DCAを繰り返しましょうという意味です。

検証された知識というのはDo(実行)・Check(点検・評価)・Act(改善・処置)からしか生まれません。ただし、一番最初はPは重要です」









PEST分析

Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の頭文字。

「未来洞察をやっているSEEDATAにとっては重要な概念で、マクロ分析をやるときはこのPESTにわけて情報収集と分析をします。

Society(社会)の部分は、過去には消費者金融の会社を買収したIT系の企業が、グレーゾーン金利を扱った法律が変わって一気に劣勢に立たされてしまったこともありました。また、Economy(経済)は人口動態はだいたい分かるので常に頭にいれておくべきですが、大事なのは世論や流行で、人々の価値観や考え方の行方がどう変わっていくのかを把握しておきましょう。

Technology(技術)は5年~10年スパンで抑えられた資料が沢山発表されていますので抑えておきましょう。」









PL

Profit and Loss statementの略:損益計算書。一定期間の会社の経営成績を表している。

「新規事業をやりたいなら、最低の教養としてBS(貸借対照表)の項目は分からなくても、PL(損益計算書)に関してはきちんと理解しておくべきです。

さらに理解しておかなければいけないのは、PLが自分の口座に入っているお金の動きをそのまま表しているものではないということ。簡単に説明すると、PLというのは単年度の健康診断のようなもので、BSはもっと長期の健康状態を表しています。

新規事業やスタートアップはまずは短期視点での経営評価をみていかなくてはならないので、PLをBSよりも先に勉強しておきましょう。PLは、1年単位での会社の健康状態を表すもので、それは自分の会社を作った際に持っている銀行口座に出入りしているお金の動き(キャッシュフロー)とは違う形で表現されています。これが何を意味するか分からない人はすぐに新規事業を始める前にPLの勉強をしましょう。

自分の銀行の口座の中に入っているお金だけ見ていても、いくら原価がかかって、いくら売り上げて終わりとなる単発プロジェクトならいいですが、そこから会社にするためには、最低限1年単位での健康状態がどうやって周りから見られているかを意識しましょう。

たとえば「システム開発をします。1000万円かかりました」といっても、その年には1000万費用計上しません。銀行口座から1000万円出ていくのに、会社の健康状態を1年単位で表すPLに関しては1000万円をのせないのです」









PMF

Product Market Fitの略:ユーザーに熱烈に欲しがられるプロダクトの実現









PSF

Problem-Solution Fitの略:課題に対するソリューションの適切さ

「創業者が全員技術系のとき、言い方は悪いのですが「技術に逃げる」ということが散見されます。マーケットにフィットしてるかどうかジャッジして、否定されるのが怖いというインサイトが技術者にはあるのです。人は誰しもコンフォートゾーン(快適な範囲)にいたいという思いがあり、大切に育ててきたプロダクトがユーザーに否定されたくはないし、とくに技術者は「この機能はできてないから磨き上げなければいけない」と、顧客からのジャッジを受ける前に性能を磨くほうに行きがちです。

ある程度商品ができたら、顧客が価値を感じられるレベルで性能を上げなければいけないので、PMFが分かってから性能を上げるのはかまいませんが、それを確かめないで性能を上げようというのは非常に危険ですので気をつけましょう。









ROI

Return On Investmentの略:投資対効果の意味。投資したコストに対してどれだけ利益を得ることが出来たのかを測る指標

「投資に対しどれくらいのリターンがあるかは当然大事なものですが、創業初期はもっとほかに気にしなけれはいけないことがあるので、最初からROIばかりを追っていても仕方ありません。

スタートアップの世界では、「創業初期はスケールしないことをやれ」という格言があるように、最初からスケーラビリティばかり考えていても、よいサービスやプロダクトはできないのです。ROIも同様で、重要ということは前提として、損得を無視してやらなければいけない時があり、必ずしもROIばかりを追い求めていてよいものが作れるとは限らないということを頭に入れておきましょう。









SaaS

「ソフトウェアの機能をネットワーク経由で利用する」という形態

「今は一般的な概念です。現在はサービス経済ですから、例えばこれまでレンダリングマシンのように物理的に提供していたものをネットワーク経由で利用できるようにするなどあらゆるものがSaaSで提供されるようになってきています」









SEO

Search Engine Optimizationの略: 検索エンジン最適化

「SEOをみんな小難しいものだと思いがちですが、現在のSEOは実は非常にシンプルで、読み手をきちんと意識してペルソナを作り、その読み手の問題意識に沿って記事が書けて適切にキーワードが入っていればよいです。実際にSEEDATAの記事もそのようなシンプルな考え方でコンテンツを提供した結果、上位表示されています。

新規事業を行いたい方や起業家は、SEOを勉強しておくことは非常に重要です」









UGC

User Generated Contents の略。

「似ている言葉にCGM(Consumer Generated Media)がありますが、口コミなど消費者の声をデータベースにしたものをCGMと呼び、単にブログを使って声を発したりする場合は、消費者が書いているとは限らないため、UGCと呼びます。CGMもUGCの一種といえるでしょう。

いわゆるスケーラビリティのあるサービスを考える際に、それをドライブする要素のひとつが、そのサービスやコミュニティに参加してくれているユーザーが、自発的に作ってくれる情報やコンテンツです。その情報がまた新たな人を呼び、どんどん人が増えていくという流れがあるので、自分たちはどういうUGCやCGMを持つのかということは、サービスデザインをする際に意識しておくべきポイントです。

UGCはスケーラビリティのある集客系のサービスを作っていく場合は必須で、ヴォーカーズ やマンションノートなどはUGC(CGM)のよい例として参考になります。









UI・UX

UI=User Interfaceの略

UX=User Experienceの略

「UIはUXに影響されるもので、User Experienceは顧客体験を指します。人によってUXの定義や範囲はさまざまです。より長期的な顧客体験を指したり、web系の会社だとカスタマージャニーとほぼ同義として使われたりしています。

SEEDATAの場合は新規事業におけるUXと、新商品開発におけるUXを分けて考えています。新規事業におけるUXはキーパス・シナリオで、まずMVPを実現するキーパス・シナリオを作ることがSEEDATAにとってのUXです。

一方、新商品開発におけるUXは、最近私たちが新商品開発のワークショップなどをやる際に気をつけているのは、商品のアイデアだけ言われても、その人の考えていることは分からないということです。

そのため、その商品とどういう場面で出会って、どんなシーンで使われて、どんな気持ちでリピートするのかを一連の顧客体験として作ることが重要なので、一連の流れをUXとして設計します。商品が介在してその人の生活がどう変わっていくのかという体験シナリオですね。

新規事業の開発においてはUIとは画面構成や遷移などのことだと思えばよいでしょう。UIひとつで使いやすさは変わってくるため、たとえばフリマアプリのメルカリのように後発ですが、UIを磨いて勝ち上がっていくようなサービスは多いです。SlackなどもUIが成長をドライブしているようなサービスですね。

逆に先発の場合は、UIの優れているところに追い抜かされてしまうことがあるため要注意です」









Unlearn

「新規事業をやるうえで大事な概念で、人はどんなこともうまくいくと過去の成功体験にとらわれたり、キャリア積み上げて活かそうという考え方があるため、世の中が不確実になればなるほど、過去の成功体験を意識して捨てなければいけない時が来ます。そういうことの必要性を説いているのがUnlearn。learnの逆で、「捨ててしまいなさい」「真っ白になりなさい」ということです」









UXブループリント

「ブループリント(=青写真)設計図のことで、もともとの語源はサービスブループリントという言葉です。たとえば牛丼チェーン店でサービスを提供する場合、おじきの角度は何度で、「いらっしゃいませ」の声はこれくらいの大きさでなど、サービスのステップごとに細かく設計図に書いたものがサービスブループリントなので、UX版のブループリントだと思ってください」









Wow体験(ワオ体験)

ボリュームやコストパフォーマンス等に誰もが驚くこと

「とくにスタートアップなどでは、商品が「予想していたよりよい」というサプライズのある機能(その商品のヒーローとなる特徴)はあったほうがよいでしょう」





【この記事の監修者】

宮井弘之。SEEDATA代表。