新規事業、新商品・新サービス開発のアイデア集①

近年、新規事業の立ち上げは多くの企業で命題となっていますが、消費者のニーズやライフサイクルの多様化により、「新規事業のアイデアがない」「どんな商品やサービスが求められているのか分からない」というお悩みをよく耳にします。

SEEDATAではこれまで、独自に定義した先進的な消費者たち(=トライブ)の調査をもとに、企業の新規事業の支援を行ってきましたが、当記事では、トライブレポートの紹介記事で紹介した新規事業や新商品・新サービス開発に役立つアイデアのみを抜粋して掲載・更新していきます。

新規事業アイデアをお探しの方はまずこちらの記事をご覧いただき、興味のあるトライブレポートの詳細につきましてはinfo@seedata.jpかこちらまでお気軽にお問合せください。

新規事業、新商品・新サービス開発のアイデア集②はコチラ

新規事業、新商品・新サービス開発のアイデア集③はコチラ

自動運転の未来から考える新規事業アイデアのヒント

■参照記事

【トライブレポート紹介17】自動運転の未来から考える新規事業アイデアのヒント(助手席ドライバー)

まだ5年以上は先になると思いますが、仮に自動運転になったとして、自分で運転することが完全になくなったとしたら、「自動車というものの目的がもはや移動ではない」というキー・トレンドが必ず出てくるでしょう。

エンタメ助手席ドライバーの人などは、もはや車を「動くスタジオ」だと思っていて、「移動しながら景色が変わるのを見つつ、歌の練習をして、山の頂上に降り立って空気を吸うのが最高」というような価値観を持っています。これまで固定空間で提供されていたものが移動し、自動車が移動以外のさまざまな目的で活用される時代はいずれ到来するはずです。

現にSEEDATAでも、本当に忙しい場合はタクシーで移動して、車内でプレゼンのリハーサルをしたり、ブレストをしたりして、会議室としてタクシーを利用していることがあります。クライアントに行く際しか主要メンバーが揃わない場合もあるので、移動中が貴重な時間になるのです。

同じように、趣味を持つ人なら移動しながら歌ったりギター弾いたりすればいいし、車内がエンタメ空間になるようなサービスがどんどん出てくるはずです。

当然、安全面は考慮しなければなりませんが、全員が前を向いている必要はもはやなく、どんなレイアウトも可能になるかもしれないので、自動運転のシェアカーが広がれば、会議室をシェアで借りる感覚で、移動しながら会議するようになることが容易に想像できますし、そのような未来では社用車の選び方も変わってくるのではないでしょうか。




働き方改革系の新規事業アイデアヒント

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【トライブレポート紹介16】働き方改革系の新規事業アイデアヒント(プロクラウドワーカー)

プロクラウドワーカーの調査から我々が得た未来洞察は、「信用経済」という考え方が今後かなり重要になっていくということです。

「信用経済」という言葉と対をなすのが「貨幣経済」で、今の経済というのは基本的にはまだお金で回っていて、お金のやりとりをして仕事を受けているので貨幣経済といえます。しかし、クラウドソーシングの世界では信用経済的な価値観が勃興していました。

クラウドワークス上で大事なのは、「いくらの価格の案件をやるか」ではなく、信用できるクライアントから仕事をもらうことだったり、新しいスキルが身に付いたり、持ち始めているスキルの実績が作れたりすることです。スキルが貨幣の価値を上回り、スキルが自由な単位となって回っているのです。

実際にクラウドソーシング系のサイトでは、自分のスキルをバッジのように示して、それぞれのスキルを互助的に出し合いひとつのチームを作っていくという世界が出来上がっています。

今後クラウドソーシング系の新規事業や新サービスを考える人が意識すべきことは、クラウドソーシングで仕事をしている人は決して一人で仕事をしたいわけではなく、「自分はこのスキルを持っているから、別のスキルのある人と仕事をしたい」「オフラインでスキルについて話し合いたい」と考えているということです。お互いに高め合いたいという欲求があるため、クラウドソーシングを利用している人同士の交流はむしろ増えていくでしょう。

1対1でのマッチングではなくて、クラウドソーシングが出てきたからこそ、リアルな場やリアルな人との交流で信用を得るということが大事になり、コワーキングスペースのような場所の重要性も高まっていきそうです。クラウドソーシングサービスの普及した未来でも、一足飛びにクラウドワーカーにオフィスは必要ないということにはなりません。働き方改革でリモートワークが推進されると思いますが、このような理由から必ずしも直線的にリアルな場が消滅するということは言えません。

一般企業でクラウドワーカーを活用したい場合、彼らも入れるワークスペースのセキュリティなどを工夫することが求められそうです。また、自社の社員がクラウドワーカーたちを活用してビジネスをより大きくしていくために、どういう研修や制度が必要かなど、企業に勤めている人の働き方改革にもヒントがあるかと思います。

また、週3くらいは企業に勤めながら残りはクラウドソーシングを使うなど、副業という観点での個人のワークスタイルにも影響していくでしょう。

このように、今後ますますオフィスの在り方、人の働き方は多様化していく中で、「いくらの給料がもらえるからここで働こう」「いくらの給料がもらえるからこの仕事をしよう」という意識はどんどん希薄になっていくだろうということが予測されます。

ひとりで独立しているからこそ「いい信用を作りたい」「いいスキルを手に入れたい」「いい人たちと働きたい」という気持ちの方が強くなり、一方で給料など貨幣や、その仕事自体の重要性は相対的に下がっていきます。貨幣以外の価値をバランスよく取りながら仕事をしようという人たちが今後増えてくるだろうというのが、プロクラウドワーカーから得られたキー・トレンドになります。




シニア旅行系の新規事業アイデアのヒント

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【トライブレポート紹介15】シニア旅行系の新規事業アイデアのヒント(シニアトラベラー)

彼らを調査して分かったことは、基本的にシニアの旅行は「また行きたい」という回顧型か、「いつか行きたい」という未統治制覇型に概ね分かれるということです。

調査の中で理想の旅行中の1日を聞いたところ「思い出の地に再び訪れるのがたまらない」という話が多く出てきました。若い頃に家族で訪れた場所に、子どもが成長して巣立ったあと夫婦ふたりでまた訪れると、思い出も含めて噛みしめることができる、シニアならではの旅行の楽しみ方といえるでしょう。

さらに注目すべきは「ここに行ったよね」と家で会話するのではなく、現地に行ったからこそ思い出せる感覚があるということ。彼らにとって、思い出は現地にも保存されていて、現地に行くことで思い出が引き出せるというのはかなり重要なインサイトです。

旅行会社の人は、シニアの方がいつ、どこに、誰と行ったかまでは分からないので、今はまだこういった行動を促すサービスは存在しませんが、これからの旅行体験は、同じ目的地でも過去との関係で思い出を引き出しやすくさせることで楽しみ度合いも全然変わってくるはずです。

とくにトラベル系の新規事業やアプリ、サービスなど開発する場合、過去の旅行を巡り返すような体験、「保存された思い出をうまく引き出せる経験」をデザインすることが重要です。

また、まだ行ったことがない場所に行きたいという欲求も実はとても強く、何故ならシニアは「自分に残された時間」を意識しているからで、これは若者との決定的な違いです。

どこでもいいから知らない場所に行きたいわけではなく、残された時間の中で、行ったことがある場所にも行きたいし、行ったことのない場所にも行きたいわけで、若い時はハワイばかり行っていた人も、未踏型になることもあります。

そういう気持ちをそっと後押しするような旅行の売り方として、「今までこういう場所に行っていたなら、まだ行ったことがない場所ではここがオススメ」というような提案の仕方が考えられます。要するに「未踏の中で制覇すべき領域を真剣に吟味する体験」のデザインが重要です。

また、機会領域もご紹介すると、残された時間は有限であり、そのうちケガや病気をするなどで体が衰えて、旅行に気軽に行くことができないときがやってきます。肉体が弱体化する一方で「行きたい」「もっと行っておけばよかった」という意識は強くなるものです。

現在の旅行は元気な人を中心に設計されているため、ケガをしてしまった人や、体が弱い人向けの旅行というのはあまり存在しません。これはアクティブシニアという言葉の弊害でもあり、実際は心はアクティブでも体がついていかないという人も多くいるため、今後は「体に不安を抱えている方のための旅行体験」のデザインが求められているといえるでしょう。未踏地制覇の欲求というのは増大していくので、少し体が弱くなってしまった人向けに、たとえば医療処置のできる添乗員がつくといった体験を提案してみることをオススメします。




夫婦関係(離婚・相続・遺言など)の新規事業アイデアのヒント

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【トライブレポート紹介⑭】夫婦関係(離婚・相続・遺言など)の新規事業アイデアのヒント(未離婚)

未離婚から得られたキートレンドの中で、SEEDATAが提案する機会領域が「対面しない家庭内意思疎通のデザイン」です。

夫婦関係がこじれてしまうと、まず顔を合わせることにすら精神的な苦痛を伴う場合あり、そうなると冷静に協議するということもままなりません。そこで、あえて対面しないコミュニケーションをデザインすることで、お互い腹を割って話し合うことが可能になるはずです。

わだかまりをとくにしても別れるにしても、こういったデザインのサービスはまだ出ていないので、ここは夫婦関係の新規事業や新サービスにおけるブルーオーシャンといえるでしょう。

離婚など夫婦問題全般においては問題が起きてから対処するようなサービスしか現状ありませんが、この対面しない意思疎通のデザインは、弁護士などの専門家でなくてもデザインすることができるのです。

養育費、親権、財産分与などでトラブルが起きてしまった場合は専門性が必要になりますが、離婚するのか、しないのか、そもそもこのまま他人でいいとも思っておらず仕方なく割り切っているので状態の夫婦に対しては、こういったサービスが今後ますます求められていくでしょう。

それ以前のサービスがあればどうにかなっていたものも多いはずなので、いずれにしてもビジネスデザインの余地はあるし、マネタイズの方法も色々と考えられます。ここは価値の提供領域なので、金融系、法律系、保険会社などの方はこのジャンルを新規事業としてトライしてみることをオススメします。




教育系サービス開発、新規事業アイデアのヒント

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【トライブレポート紹介13】教育系サービス開発、新規事業アイデアのヒント(早育ママ)

トライブ

これはすでに米国では出始めているのですが、エビデンスドベースという教育が今後日本でも主流になっていくでしょう。これまでの早期教育は、具体的にどの勉強がどのようにに効果があったのかまで確かめようがありませんでした。そのため、自分の成功体験や、逆に自分の抱える不安や失敗経験から二の轍を踏ませたくないという思いと、世の中に数多あるメソッドとの掛け算で何をするか決めてきたのです。

今後出てくるアプローチとして「科学的定量データによる子育てサポートのデザイン」という機会領域に注目すべきです。すでに海外の先進層の親たちの中では、科学的エビデンスに基づいて早期教育、幼児教育、中等教育などを支援していくということは、ひとつのアプローチになってきています。

日本では、教育ビジネスは労働集約的な事業構造と捉えられており、ビジネスとしては儲からないといわれていた時期が長いという経緯があります。一方、先進的なビジネスをやっている人たちの間では教育はむしろ成長産業で、今後もスケールするビジネスといわれていますし、エビデンスドベースによって子どもたちの教育が科学的にデザインできるのではないかと期待されています。

ある米国の通信教育の大学では、オンラインで何時何分に、誰が、どのコンテンツを、どのような目の動きで、どの程度集中して受講したら、その後の成績がどのように変化したかをすべてデータとして出せるようになっています。

このような技術が進むと、リアルな授業で良い先生に教わるよりも、通信教育で教わるほうがよいということになり、今まで人手がかかると思われていた教育産業が一気に装置産業になっていきます。実際に英語の分野では既にかなり出てきていますし、今後、早期教育も含めて、ありとあらゆる分野で確立されたアプローチが出てくることでしょう。

SEEDATA的には教育で新規事業を始める場合、このジャンルしかないと考えています。この通信教育を支えているのは、MOOC(Massive Open Online Courses )という技術で、大規模公開オンライン講座と訳されています。

ネット動画で良い授業を受けられるという流れは日本でも既にきていますが、今後はその学習効果を科学的なデータとしてどう測るかに人々の興味は移っていくはずです。そうなれば、これまでのようにコンテンツの数は重要視されなくなり、みんないちばん効果のある先生の授業をオンラインで聞くことが一般的になり、学校の先生の役割も変化していくでしょう。




リラックス系商品開発、新規事業アイデアのヒント

【トライブレポート紹介⑫】リラックス系商品開発、新規事業アイデアのヒント(アラパー)

最近、マインドフルネスや癒しなどのジャンルの商品の開発に携わる方々から「人々のリラックスや休息に対して価値を提供したい」とよくご相談を受けます。ただ、この「リラックス」という言葉だけだとぼんやりしているためMVPには落ちません。

ここで重要なのは、リラックス、癒し系の新規事業や商品を開発したいと考えている方は、休息やリラックスをせめて2、3種類程度にしっかり分解し、どんな休息やどんなリラックスなのか、それぞれごとにユーザーが異なるということを理解して、どのユーザーに対してはどのタイプのリラックスを提供することをMPVにするのか、または新商品・新規事業案のコンセプトにするのかを考えるべきです。

いずれにしても、リラックスという言葉だけでは新商品のアイデアや新規事業のコンセプトにはなり得ません。リラックスという価値を一段深掘りしたところで捕まえる必要があります。そのような前提のもと、我々が提案しているのが「二段階休息のデザイン」です。

インタビューでは「カフェで休むことと公園で休むことはかなり違う。いきなりカフェに行くより、まず公園に行って休息したい」という発言がありました。つまり、まず喧噪からいったん離れること=公園に行くことが一段階目のリラックス、休息の意味を成しているのです。その後、さらなる癒しを求めてカフェで落ち着きたいというインサイトがあり、一言で「休息」といっても、このくらい細かな機微があるということが分かります。

商品開発の場合、コンセプトをしっかり特定する必要があるので、アラパーをヒントにリラックスや休息といっても細かな違いがあるということを理解し、自社の商品やサービスが提供したい癒しや休息はなんなのかを、しっかりと考えてみてはいかがでしょうか?

「ここまで狭く考える必要があるのか?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、この程度まで細かく尖らせて考えなければ、新商品案のコンセプトは磨かれていかないのです。

公園の近くのカフェというのは、二段階休息で癒しや休息を求める人々の欲求に応えているからこそ人気が出るのであって、まだ2段階休息にはなっていない都会の中にある公園は、今後ニ段階休息をどう実現するのかをデザインしていくことが、さらなる飛躍のヒントとなることでしょう。




エコ系商品開発、新規事業アイデアのヒント

■参照記事

【トライブレポート紹介➉】エコ系商品開発、新規事業アイデアのヒント(エコエンターテイナー)

我々が最近のサービスデザインでも活用し、実際に消費財などの商品開発で使っているのが「エコは質素から贅沢へ」というトレンドです。「エコはカッコいい」だけではもはや古く、エコは贅沢を構成する要素のひとつとして考えられるようになっているため、SEEDATAではラグジュアリーブランドを考える際にはまずエコな視点から考えます。

たとえばSEEDATAが今消費財でいちばん注目しているのが、何年か前からきているトレンドで今はあらゆる分野で広がっている「ボタニカル」です。実際に2、3年前から、一部の消費財メーカーと一緒にボタニカルをキーワードに商品開発を行っているのですが、ボタニカルにはこれまでのエコの文脈がすべて入っています。

素材の透明性からこだわるフェアトレードの考え方、パッケージが土に還るという環境性を重視した考え方、なおかつエコ行動を行っていることがクールということで、シンプルで飾らないパッケージデザイン。これまでエコで語られていたことが全部しっかり入っているものが本当のボタニカルであり、これを一言で表すと「現代の贅沢」といえるでしょう。

最近はこれらが実現されていない、ニセモノのボタニカルが増えてきていますが、もともとアメリカやヨーロッパを中心に注目されていたボタニカルの考え方は、エコのクールさやフェアトレード、ファッションとしてのエコなどをトータルに実現した、現代のもっとも贅沢なものです。

一昔前までは贅沢=ゴージャスや華美なものでしたが、「現代の贅沢やプレミアムはボタニカルである」ということを意識してあらゆる商品サービスを設計すると、新規事業や新商品のよいアイデアが浮かんでくるはずです

逆にエコ系の新規事業の失敗例としては、エコをお得という文脈だけで考えたり、実際に地球にどれくらい優しいかということだけに言及してしまっているパターンです。もはやそれだけではエコプロダクトやエコサービスは広がらないという実情を理解し、先進的な人たちの考える、贅沢品のひとつとしてエコプロダクトを捉えようというトレンドに着目すべきです。

また、世の中の新商品・新サービス開発者の方は、ボタニカルを単に植物性と勘違いして失敗しないようにしましょう。単なる植物性は昔からありますが、ボタニカルと言いつつ植物性にコンセプトがに寄ってしまっているものも多いので、失敗例にならないように注意してください。




介護・シニア系新規事業アイデアのヒント(ソロ介護)

【トライブレポート紹介➈】介護・シニア系新規事業アイデアのヒント(ソロ介護)

見守りをサービスデザインをしていく際にとても重要なインサイトは、「いかにも『見守り』というようなものは、介護する側もされる側も嫌がる」ということです。つまり、見守りカメラの設置などは、見張られているように感じてしまうため、介護する側もされる側も好まないのです。

では、どのように見守りをデザインしていくことができるのか、実はここに、すべてのビジネスモデルを持っている人たちが見守りサービスに参入していく余地があるのです。

たとえば、介護する人が毎日現場に行けないのであれば、宅配業者やお弁当の宅配員、郵便局員などがお宅に伺い少し様子を見るというサービスが考えられます。2018年現在、すでに似たようなサービスも出てきていますが、見守りサービスをデザインする際の一番のポイントは、どの職の人が向いているのか、どういったツールを使うか、どの程度の頻度か、料金設定などの問題以上に、「見張りではなく見守りを実現するのは、日々触れ合う人やモノである」ということが非常に重要になってきます。

見守りを行うのは人間でなくても機械でもよいのですが、たとえば電気のオンオフでもいいし、なるべく日々触れているものの延長上で見守りが行われることが求められています。

当然、介護される側の状況に応じてどの程度の見守りが必要か差異もあるため、この点は今後まだまだ開発の余地があるといえるでしょう。

見守りについて私たちが言及するさらなる背景には、介護業界の方々は周知のことですが、今後老人ホームでの介護はもう伸びなくなり、基本的に自宅介護が主流になっていくことが予想されるからです。つまり、いかに自宅で見守っていくかという点に、介護におけるいちばん解決しなければいけない課題が詰まっているといえるでしょう。

介護ジャンル全体は今後もさまざまな分野からの参入の余地があるため、介護ビジネスど真ん中というより、既存ビジネスの中に介護系のビジネスのエッセンスやアイデアを取り入れ、自社ビジネスを発展させていきたいという企業の方には、ソロ介護のトライブレポートをオススメいたします。




アンチエイジング系新規事業、新商品・新サービス開発のアイデアのヒント

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【トライブレポート紹介⑧】アンチエイジング系新規事業、新商品・新サービス開発のアイデアのヒント(アドバンスト・アンチ・エイジャー)

男性用化粧品について得られた示唆は、カスタム調査などでも毎回必ず繰り返し出てくるのは『男性で美容意識が高い人は男性用の化粧品は使わない』というインサイトです。

男性用の化粧品の観察をする際、「男性向け」とうたっている化粧品に関しては意識の高い人に聞く意味はあまりなく、彼らはもはや男性向けを使わないということが分かっています。つまり、デモグラ別のケア商品は『意識の高い男性には通用しにくい』ということになり、まだ意識が高くない層に向けて開発することをオススメします。

女性用化粧品に関して、サービスという意味で興味深かったのは、最近はライブコマースという形で実際に世の中に出てきてますが、『ロールモデルと製品の一体化』というキー・トレンドがあります。今後女性は効果効能より『この人のようになりたいから使う』という考え方が重要になってくるということが、この調査からも導き出されていました。

実際にライブコマースの登場により、誰がプロデュースしているブランドなのか、誰がオススメしているのか、誰みたいになりたいからという考え方がメジャーになり、逆に効果効能を追求していく流れはしばらく弱まっていくでしょう。

モデルやカリスマでなくとも、誰もがネット上で商品をオススメできる世界になり、消費者同士で「あの人が使っているものを買いたい」という流れは今後も続き、身近な人がロールモデルになりながら、商品が使われていくライブコマースの技術は今後どんどん普及していくはずなので、化粧品を手掛ける方たちはいち早くこれらのサービスに着手していく必要があります。




おひとりさま向けの新規事業、新商品・サービス開発のヒント

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【トライブレポート紹介➆】おひとりさま向けの新規事業、新商品・サービス開発のヒント(ピン消費)

イノベーションを考える際に、異なる業界で使われている体験のみを取り出し、まったく違うビジネスモデルと掛け算するという方法があり、ソロウエディングはまさにそのようにしてイノベーションを起こしている良い事例といえます。

結婚式というのはそもそも旅行ではなく結婚をする際に行う儀式なので、それ自体を旅行にしようというのは話が飛躍しているように感じるかもしれません。しかし、結婚式は女性にとって一生に一度のもので、素晴らしい体験だと多くの女性が言っているという事実を踏まえ、結婚式が実際にどのようなプロセスになっているかを考えてみれば、旅行に応用できそうな体験設計のポイントにあふれているのです。

まず、きれになるためにエステに行き、誰を呼んでどんな席次にしようかという企画をし、それを大事な人たちと写真に残すという楽しみがあり、簡単にいえば自分が自分らしく輝くためのプロセスを踏んでいくわけです。であれば、その体験だけを別途味わえるものを作ろうということでできたのがソロウエディングなのです。

これはイノベーティブな商品やサービスを企画する際の視点の持ち方の一つで、「アナロジー」というプランニングの手法になります。

実際にサービスデザインをする際は、先進的なユーザーが別の分野でやっていることの体験だけを取り出して、自社のビジネスに応用することでイノベーティブな新商品や新サービスが生まれる事例はよくあり、その典型的な成功例が結婚式の体験だけ取り出し、旅行と掛け算して生まれたソロウエディングという旅行商品なのです。

近頃は結婚式にはなるべく予算をかけないという考え方が広がっている中、ソロウエディングという旅行商品になら何十万円も使う人たちが現れている、ソロウエディングは結婚式のイノベーションとも、旅行のイノベーションともいえるでしょう。




スポーツ系新規事業、新商品・新サービス開発のヒント

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【トライブレポート紹介⑥】スポーツ系新規事業、新商品・新サービス開発のヒント(スポ・シューマー)

スポシューマーの調査から分かった興味深い点として、我々は当初、彼らを調査すればウェアラブルデバイスをつけて自分の体をトラッキングしたりすることの意味やデザインのヒントがわかると思っていたのですが、実際ウェアラブルデバイスをつけるのはスポ・シューマーではなく、ファンランナーの人たちでした。

一方、スポ・シューマーたちには「簡単なウェアラブルデバイスを右手につけるだけで、ボディバランスが崩れるから嫌だ」という価値観があったのです。

スポ・シューマーは自分の主観的な身体感覚をとても重要視しており、僅か1、2gの違いでも感じ取れるような繊細なボディバランスを持ち、客観的に計測されても今の自分の感覚と違うのであればむしろ混乱する要素でしかありません。今後技術が進歩していけば違うかもしれませんが、現状のスポ・シューマーにはウェアラブルデバイスをつけることができないという結論になったのは、とてもおもしろい調査結果といえるでしょう。

彼らが求めていたのはむしろ「自分の感覚を数値化できる」という体験です。タイム、脈拍などを客観的な数字で測られるのは嫌だけれど、たとえば「今日は体がちょっと重い」という自分の主観的な感覚を数値化し、毎日数字で把握したいというニーズがあることがわかりました。

これは、たとえば「今日は体が疲れてる」と思ったら「何%くらい乳酸が溜まっているから」など、自分の主観を説明できる数字が欲しいという意味です。しかし、目に見えず、感覚的にしか把握できていない部分の数値化というデザインは、現在はあまりありません。

最近、睡眠ビジネスや健康ビジネスではトラッキングという計測サービスのデザインが流行っていますが、これらはつい客観的な指標を与えがちです。一方で、ユーザーが求めているものは自分の主観的な感覚の数値化なので、ここをうまくデザインしていくことが今後のスポーツ系の新規事業や新商品・新サービス開発の大きなヒントになっていくでしょう。

現在スポーツデバイスや健康デバイスを開発している方は、人体につけるという考えからは脱却し、今後はいかに人体につけないかを考えることが必要になるでしょう。

もちろん、スポーツ系に留まらず、健康系、睡眠系の新規事業や新商品・新サービス開発でも、この考え方を新しいヒントとして応用できるはずです。




シニア領域における新規事業・ビジネスアイデアのヒント

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【トライブレポート紹介⑤】シニア領域における新規事業・ビジネスアイデアのヒント(シニアウオリア)

シニアウオリアのインタビューからわかった共通の価値観は「長生きすることが嬉しくない」という考え方です。簡単にいうと、長生きすることはリスクであり、「いったい自分は何歳まで生きてしまうのか」とむしろ不安要素を抱えています。

つまり今後は寿命ではなく、健康寿命にフォーカスがあたっていき、寿命が延びても健康でなければ、医療費がかかるし、子どもたちなどからのサポートが受けられなければむしろリスクでしかないという考え方がメジャーになっていくでしょう。

この点から考えて、シニア系のビジネスを設計する人が意識しなければいけない重要な点は、「シニアの皆さんはお金もっていますが意外にも倹約的である」ということです。お金を使う場面と倹約する場面の差があるということを理解しておかなければいけません。

SEEDATAのシニア三部作トライブレポートを見れば、シニアがどこでお金を使ってどこで節約するかということが概ね分かりますが、そこを理解せずシニア系ビジネスを設計すると、単に「シニアはお金をいっぱい持っている」という文脈で高額商品を作ってしまい、結果売れないということになりがちです。今の時代であれば、節約系のほうが受け入れられるものが多いでしょう。

これからシニア向けに新規事業、新商品、新サービスを作る場合、アクティブシニアは長生きがリスクと感じているという価値観を意識して、広告もPRも考えるべきですし、とくに、一般ウオリアの人たちは、なるべくお金を減らしたくないので小銭を稼ぎたいと思っていることに注目すべきです。

詳細は記事では書けませんが、「シニアは小銭稼ぎはしたいけど、若者の小銭稼ぎとは違う」という点をよく考えてビジネスを設計しなければいけません。


実はシニア向けの小銭稼ぎというのは新しい分野であり未踏領域です。また、ここで重要なのは、「シニアは不安があるから小銭を稼ぎたいが、小銭を稼ぎたいとは言わない」ということです。要するに「これはシニア向けの小銭稼ぎビジネスです」と明言してしまっては売れないのですが、その背景には「リスクは感じているが、まだ長生きすることがリスクとはっきりと意識はしていない」という難しさが存在します。

さらに、シニア向けの新規事業や新商品サービスをしている人が気を付けなければいけない点は、今後は自営業やフリーランスがさらに増え、彼らには定年がないため、自営業ウオリアにも注目してビジネスを設計してかなければいけません。

このジャンルも未踏領域なので、いち早く注目すべき機会領域といえるでしょう。




ヘルスケア系新規事業のアイデアのヒント

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【トライブレポート紹介④】ヘルスケア系新規事業のアイデアのヒント(ドクターシューマー)

ドクターシューマーから出てきた価値観で一番の発見は、多忙族やアスリートは「1日3食食べない」という考え方をすることです。

彼らは多忙を極めるため、食事を食べる時間がもったいないと感じ、1日中少しずつ完全栄養食を飲んでいたのですが、そこには「つねに腹8分目でいたい」という今までまったく思いつかなかった需要がありました。

そこからSEEDATAでは「満腹になりたくないけど空腹にもなりたくない、腹8分目のデザインツール」という完全栄養食がもたらす新しい意味を見出しました。腹8分目のデザインは今後のトレンドになっていくでしょう。何故なら、世の中には食べ物にそこまで興味がない、または忙しさから食事をする時間を仕事にあてたいというニーズが確実にあり、これは多忙族の調査でも明らかになっています。

健康系や食品系の企業は商品として「腹8分目」カテゴリの事業群を作り、流通なら「腹8分目」のPBや棚を作ったり、サブスクリプションのビジネスモデルを作ればヒットするでしょう。たとえば、いちいち買いに行かずとも、定期購入でこれだけ食べていれば栄養面も大丈夫という商品が送られてきて、昼と朝の食事の時間をとらなくてよくなれば、忙しい人たちにとっては最高なわけです。

完全栄養食品は食事というより、口にすることで気分転換にもなる、どちらかといえば喫煙にも感覚的に近いといえるでしょう。もちろん食事の時間を大切に考える人には受け入れられないと思いますが、今後は食事をとる時間の影響で生産性が下がると考える人と、二分化していくはずです。




フィンテック系新規事業のアイデアのヒント

■参照記事

【トライブレポート紹介③】フィンテック系新規事業は支出管理に注目(フィンテッカー)

フィンテッカーのレポート以降、現在既に波が来ている生活者行動のひとつは、少額投資行動の増大です。その背景には、

家計簿アプリなどを使い始める

どんぶり勘定から脱却

何事も小口で管理するという意識が生まれる

という流れがあります。

また、フリマアプリなどが増え、誰もが小銭稼ぎしやすい仕組みが増えてきているということなども影響しています。

小口管理という意識が人々の中に浸透した結果、投資も少額で行うという考え方が表れました。

このアーリーウォーニングサインとして、最近ではレシートを1枚10円で買い取るサービスが話題になったり、おつりで投資をしたり、携帯のポイントが投資に回せたりと、少額で投資をしたいというニーズに応えたサービスがとても増えてきています。

なるべく少額の投資をたくさんかき集められるようなサービスが今後は伸びていくでしょうし、これは新規事業を考える際のヒントになるでしょう。


今後の家計簿アプリは、データを用いてお金を管理できるようになった人に、投資商品などの新しいサービスを勧めるハブになっていくと考えられます。また、家計簿アプリのユーザーになってもらうことが、金融サービスをリテールに売っていくことの一番起点になっていくのではないでしょうか。

消費者が家計簿アプリを起点に資産管理を始めることが一般化していけば、家計簿アプリ系の会社はそのデータや支出管理履歴をもとに、次の金融商品のクロスセルプラットフォームという形でビジネスを展開していくことが可能です。

こういった観点から、むしろ証券会社や銀行というのは実は家計簿アプリにもっとも力を入れるべきともいえます。今はまだ銀行口座のほうが重要視されていますが、仮に私が今からリテール部門を担当するとすれば、銀行口座の開設より、支出管理口座の開設をファーストプライオリティにおいてリテール営業をかけていきます。何故なら、誰しも支出を減らしたいとは思っていますが、口座を開きたいとは思っていないからです。

まだフィンテックからのクロスセルという大きな流れはきていませんが、こういったデザインができている会社は今後非常に伸びていくでしょう。




マッチング系新規事業のサービスデザインのヒント

■参照記事

【トライブレポート紹介②】マッチング系新規事業のサービスデザインのヒント(ノンラブティンダラー)

ティンダーを分析するうえで、ひとつ重要なのは人の選び方の変化です。

「何を」ではなく、「誰を」というのはあらゆるトライブで頻出するメガトレンドですが、それよりも、恋愛相手や趣味における人の見極め方が、左脳型ではなく右脳型になっているというのがこのトライブの興味深い点であり、重要な点でもあります。

これまではその人が信頼できるかどうかは卒業大学や出身地などのいわゆる「スペック」に依存した判断が主流でしたが、ティンダーは相手を好きか嫌いかを、表情や写真の中に写っているもので直感的に指を右か左にスワイプさせて判断します。これがSEEDATAの考える右脳型の意味です。

つまり、人を信頼するに足る情報を、画像と家に置いてあるものなど、トータルの世界観で判断しているというのが極めて重要なポイントになります。右、左と画像を根拠に相性を右脳的に判断する行動は、現在はティンダーでしかできませんが、このような判断行動をサポートする技術やサービスが拡がれば、今後はきっと一般の生活者の中でも現れてくるはずです。

ここから生活社変化行動仮説に焦点を当てると、この人達がティンダーで消費しているのは、右脳的なマッチング判断です。そうすると、単にお手軽に画像で好き嫌いを判断するデーティングアプリの背後には、「スペックなどの左脳的情報ではなく、右脳で信頼性の判断を行うことで驚きや充実感を感じることができている」という「新しい意味」を見出すことができます。

技術でもニーズでもなく、そこにある新しい意味から、新たなサービスや商品をデザインすることができるのです。

【この記事の監修者】

宮井弘之。SEEDATA代表。


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