失敗しない新規事業の立ち上げ方~成功へのプロセスと考え方~

SEEDATAではこれまで多くの新規事業創出に関わってまいりましたが、近年、新規事業、新価値を創造したいという企業が増え、新規事業部の進め方や制度の設計方法といったプロセスや費用感について質問されたり、コンサルティングをさせていただく機会が増えてきました。

そこで、新規事業の進め方の中でも社内事業提案制度に焦点をしぼり、新規事業を立ち上げる際に担当者が陥りがちな失敗や不安点などを、新規事業立ち上げの事例をもとにSEEDATA代表の宮井氏にインタビューし連載してきました。

当記事は、「失敗しない新規事業部の立ち上げ方」の連載を再編集し、新規事業立ち上げのポイントを事例を交えつつ項目ごとにまとめましたので、新規事業について学びたいという方はぜひこちらをご一読ください。


当連載をまとめた無料ホワイトペーパーができました!


失敗しない新規事業部の立ち上げ方(ホッキョクグマ)

新規事業を立ち上げの際に担当者が陥りがちな失敗を項目ごとに解説(全25ページ・493KB)


目次

1.今、新規事業をやる意味と時代にあった進め方とは?

 1-1.大手企業が新規事業で失敗してしまう3つのパターン

 1-2.新規事業の人材は外部の経験者をアサインする

 1-3.新規事業部立ち上げには顧問より実際に手を動かしてくれる人が有効 

 1-4.新規事業は少なくとも5年はかけて育てていくつもりで

2.新規事業と新商品・新サービス開発の違い

 2-1.既存のビジネスモデルに新たな商品、サービスを乗せるのが新商品・新サービス開発

 2-2.新商品・新サービス開発の際に気をつけるべき点

 2-3.新商品・新サービス開発のスケジュール感

 2-4.ビジネスモデルを創造するのが新規事業

 2-5.ビジネスモデル創造を進める場合にまず整理すべき点

 2-6.新規事業は5年後のニーズを考えて作る必要がある

 2-7.新規事業は事業計画の段階でKPIを決めておく

3.新規事業の予算の考え方~利益と経費の違い~

 3-1.新規事業の売り上げ予算の考え方

 3-2.新規事業のコストには人件費、外注費、投資予算の3つのレイヤーがある

 3-3.新規事業の際は必ずフィージビリティスタディを行う

 3-4.新規事業の予算計画は細かく項目化して発注する

4.新規事業を進める際の役員説明のポイント

 4-1.新規事業はまずは出島でやることを提案する

 4-2.イントラプレナーを発掘するより、外部の経験者と組んで自社の社員を教育する

 4-3.大手企業がベンチャーと組むときの3つのポイント

5.新規事業部立ち上げの際の上申ポイント

 5-1.まずは成功事例をたくさん集めて資料に盛り込む

 5-2.事業アイデアにはロマンとソロバンが必要




1.今、新規事業をやる意味と時代にあった進め方とは?

まず、最近多くの企業であらためて新規事業を立ち上げようという動きがみられる理由について、以前より起業のコストが下がり、新規事業が立ち上げやすくなったのではないかという認識や、市場の変化スピードに対応するため次の柱を見つけていかなければいけないという風潮が強まっているということがあげられます。

しかし、いざ大手企業で新規事業部を立ち上げてもうまくいかないという話があとを絶ちません。大手企業で新規事業の提案制度をやる場合には、以下のような失敗例があげられます。


1-1.大手企業が新規事業で失敗してしまう3つのパターン

【参照記事】「アイデアも人材も経験豊富な外部の人間を入れて新規事業を回していくべき」


・既存事業のように何十億、何百億という大きすぎる目標を掲げ、規模が小さいからとやめてしまう

・既存事業と品質を比較し、「こんな品質では外に出せない」と永遠に外に出せないで終わってしまう

・社内に経験者がいないため、評価する立場の人もどこを評価すればいいかがわからなず、適切な審査ができない

多くの企業はこのいずれかのパターンに陥って失敗しており、今の時代に合った新規事業の立ち上げ方を意識して進める必要があると宮井氏は指摘しています。

引用:






SEEDATAでは、新規事業部・制度を創ったらまずはまったく新しい市場に挑戦すること(飛び地)をオススメしています。
たとえば、これまでBtoBしかやっていない企業ならBtoCに挑戦する、オンラインでしかやっていない企業ならリアル店舗の事業やるなどの方法が考えられます。
現在の社内で誰もやっていない未踏領域なら、誰からも口出しもされず取り組みやすいというメリットもあります。
ほかにも、経営者人材や、ベンチャースピリッツをもった風土作りといった、人材や組織を育てる意識でマネジメントと当初1〜2年の期待成果を握ること。新しい事業の立ち上げで直面する経験と課題を組織で積みあげていくことで、徐々に自社事業に近いことや、本業に近いところを変革するようなアイデアにチャレンジする準備ができていくのです。


まずは組織や人を育てるという意味合いで飛び地のもので始め、やりやすい環境づくりを第一に考えるべきです。


1-2.新規事業の人材は外部の経験者をアサインする

【参照記事】「アイデアも人材も経験豊富な外部の人間を入れて新規事業を回していくべき」

 

新規事業を行うことになった場合、新規事業を回す人材をどうするかという問題があります。

実際に提案制度を社内で立ち上げても、アイデアはあるが実行する勇気がない、今の仕事で手一杯で難しい、すぐにでもやりたいがアイデアに自信がないなどの理由により応募してくる人は少ないといいます。

引用:


いい加減なアイデアではスタートしてから苦労しますが、とはいえ、アイデアにあまり時間をかけても先に進みません。そこで、SEEDATAのようなイノベーション支援をしている企業と一緒に行うことで、アイデアも作りやすくなり、新規事業をスムーズに進めることができます。


また、審査についても、社内メンバーだけだと審査基準がわからず評価できないので、半分は外部の人間を入れたり、有望なチームに起業経験のある外部の人間をメンターとしてつけるという方法をオススメしています。

 


1-3.新規事業部立ち上げには顧問より実際に手を動かしてくれる人が有効 

【参照記事】「アイデアも人材も経験豊富な外部の人間を入れて新規事業を回していくべき」


新規事業を行う際、顧問を置く会社もありますが、顧問をつけても実際にはなにも動かないという現実があるといいいます。未経験者ばかりで助言をもらうことも大切ですが、それよりも実行してくれる人間をいれることが大切であると指摘します。

引用:


まずは実際に新規事業の立ち上げを経験している人を連れてきて、動いてもらうことに時間とお金を使った方がいいでしょう。
SEEDATAでは経験豊富な人材が、週2、3回程度実際にお伺いして、事業部運営を回すということも可能ですし、実際そのように企業の新規事業をサポートしています。当社ももちろん経験に基づいたアドバイスをしますが、口より先にまずは手足を動かすことを意識しています。


また、必要な新規事業部の立ち上げに必要な人数についても記事では詳しく解説しています。

社内提案制度は計画に時間を割くよりもまずは実行することが大事なので、経験のある人材とともに一度回してみるということが何より重要なのです。

 

1-4.新規事業は少なくとも5年はかけて育てていくつもりで

【参照記事】「アイデアも人材も経験豊富な外部の人間を入れて新規事業を回していくべき」


新規事業の立ち上げにはスピード感が必要である反面、事業を大きく育てていくのにはある程度の月日が必要になります。そこを混同してしまわないように、注意が必要です。

では、具体的にどのくらいのスパンで考えるべきなのでしょうか?


引用:






初年度から2年目くらいは、人や組織を育てるというような定性的目的で始めて、3、4年目くらいから、利益を重視するのか、または本業とのインパクトを重視するのかは会社ごとに決めて、本格的にビジネスとしてものになるのは5年目くらいからが一般的です。
1、2年でやめると制度自体が根付いていかないため、新規事業を始めるなら5年くらいは諦めずにやるつもりで始めなければいけません。


詳しい事業計画については、参照記事をご覧ください。







2.新規事業と新商品・新サービス開発の違い

新規事業、イノベーションには以下のパターンがあります。


・ビジネスモデル創造:ビジネスモデルを創造する事業創造型のイノベーション

・新商品・新サービス開発:すでにあるビジネスモデルの上に新しいサービスや商品を乗せる


これらはどちらもイノベーション推進と呼ばれるため、多くの場合進め方や考え方がごちゃごちゃになってしまっているのですが、実は別物で、切り分けて考える必要があります。


2-1.既存のビジネスモデルに新たな商品、サービスを乗せるのが新商品・新サービス開発

【参照記事】新規事業と新商品・新サービス開発の違い【前編】


引用:


たとえば、流通企業の場合は店舗にお店にお客さんが来るわけですが、ここに今までとは違う商品を仕入れて売ったり、違うサービスを売ったりすることでも、イノベーションは生まれますが、これは「既存のビジネスモデルの上に新しい商品やサービスを乗せている」ということになります。
また、製造業の場合、商品を卸しに納入して小売りで売るというビジネスモデルがあり、そこに乗せる新しい商品を考える、これも新商品開発と考えられます。


2-2.新商品・新サービス開発の際に気をつけるべき点

【参照記事】新規事業と新商品・新サービス開発の違い【前編】


すでにビジネスモデルがある、新商品や新サービス開発の場合に気をつけるべき点は以下のとおりです。

・新商品・新サービス開発は、アイデアがしっかりしていなければいけない

・調査に時間をかけすぎないでアイデアを磨く時間を多くとる

・ワークショップやアイデアソンをたくさんしない

・定量データではなく、実際にこの商品にお金を出す人がいるかどうかを確かめる


また、 新商品・新サービス開発は調査に時間をかけすぎないことも重要です。

 

引用:

実際によくありがちな失敗ですが、新商品、新サービスを開発するときに、市場調査とその分析に時間をかけすぎてしまうということ。
アイデア出しの前段階に時間かけすぎてしまうと、アイデアを出したりアイデアを磨く時間がなくなるということがよく起こります。
このときにSEEDATAを使ってもらえば、既にあるトライブリサーチのデータを活用するので、プロジェクト開始から早い段階でアイデア創出を実現することが可能です。これを私たちは「アイデアファースト」と呼んでいます。


プロジェクトを設計する際は、早い段階でアイデアを出すということにフォーカスして考え、磨き込みに時間をかけたほうがよいと宮井氏は指摘しています。記事では具体な期間などについても触れて解説しています。

また、新商品・新サービス開発を進める際は「この商品に本当に誰かがお金を出したかどうか」をしっかり確かめることをSEEDATAでは推奨しています。また、企業内部のルールでテストマーケティングがやりにくい場合はSEEDATAに相談してもらえれば適切にコンセプトの蓋然性をチェックするための企画をご提案します。


 2-3.新商品・新サービス開発のスケジュール感

【参照記事】新規事業と新商品・新サービス開発の違い【前編】

記事では新商品・新サービス開発のスケジュールについて詳細に解説しています。

時間をかけていると、調査からアイデアが出るまでに半年から1年くらい時間がかかった挙句、技術的に無理となってしまう場合もあります。

このスピード感を意識すれば、既にビジネスモデルが決まっているところに新商品、サービスを乗せる場合はスムーズにいくでしょう。このようなプロセスを年に3〜4回転させればどんどん筋肉質な企画部署になっていくことでしょう。


2-4.ビジネスモデルを創造するのが新規事業

【参照記事】新規事業と新商品・新サービス開発の違い【後編】


SEEDATAでは、新商品や新サービスのアイデアに加え、ビジネスモデルも同時に創造することを新規事業と呼んでいます。 

引用:

ビジネスモデルを作るということは、永続的にお金をもらう仕組みを開発するということです。
たとえば製造業で卸に出していた企業が直販にする場合、ビジネスモデル創造を伴うので新規事業の範疇です。また、流通企業が仕入れではなく自社で商品を製造するとなれば、それもビジネスモデルの変更となるので新規事業に入ります。
たとえば、これまでコーヒーをECで売っていた企業が、無料で健康診断サービスをつけ、健康状態にあわせてコーヒーを売るというように、サービスがモノに付随する場合も、サービス部分が新規事業と考えられます。


ほかにも、BtoB企業がBtoCをやる場合など、顧客が法人から個人、個人から法人と変わる場合などもお金のもらい方が根本的に変わりますので新規事業と呼びます。


 

2-5.ビジネスモデル創造を進める場合にまず整理すべき点

 【参照記事】新規事業と新商品・新サービス開発の違い【後編】

新商品・サービス開発の場合は、ビジネスモデルがすでにある状態なので、商品やサービスの企画をしっかりとする必要がありましたが、対してビジネスモデル創造をともなう場合、重要なのは発想より実行です。


1.テーマ

2.社内リソース(営業網・技術)

3.ブランドと品質


このあたりをいったん洗い出してから、アイデアを作るフェーズに入りましょう。


2-6.新規事業は5年後のニーズを考えて作る必要がある

【参照記事】新規事業と新商品・新サービス開発の違い【後編】

 

新規事業の場合、ビジネスモデルを固めるのに3年程度かかってしまうので、先を見据えたものでなくてはいけません。

そのため、現在のニーズではなく、5年後のニーズを見る必要があり、ここでSEEDATAの定義するトライブという考え方がすごく重要になってきます。新商品、新サービス開発よりも、新規事業のほうが長期で未来をとらえたものでなくてはいけません。

記事では実際にSEEDATAではどのように未来の価値観を捉え、ビジネスモデルを作っていくのかについて解説しています。

また、SEEDATAでは実証実験までを、新規事業の企画フェーズと考え、あくまで受容性を確かめる実証実験の結果まで揃って企画フェーズの終了としています。


 

2-7.新規事業は事業計画の段階でKPIを決めておく

【参照記事】新規事業と新商品・新サービス開発の違い【後編】


新規事業の場合、事業計画を考えるうえで重要なことは、KPIを決めることです。

全体の期間は3年くらいで考え、最初の1年は赤字でもいいから、このくらいの売り上げや、このくらいのユーザー数などのKPIを設定し、このKPIを達成できなかったら撤退するというラインを決めておくことが重要です。

引用:

これを自社の部署でやるものと、出島で外部でやるものと、外と組んでやるものに分けていくつか作り、実証実験を走らせ、KPIをクリアできてるものだけ残し、残りの2年は実際に売り上げを出したり、品質を高めていくというフェーズに入ります。


また、記事では自社のリソースの利用の仕方やベンチャーと組む場合のポイントについても詳しく解説しています。新規事業の担当になったが、進め方が分からないという方は、SEEDATAにご相談いただければ、3か年の行動計画から一緒に作ることも可能です。


3.新規事業の予算の考え方~利益と経費の違い~

新規事業やイノベーション推進部署を立ち上げた際、年間の費用の予算をどのように考るかという点についても、よくご質問をいただきます。

SEEDATAが新規事業の立ち上げのコンテルティングをさせていただく際の基本的な費用の考え方として、まず予算には2種類あり、ひとつは売り上げや利益、もうひとつは経費です。


3-1.新規事業の売り上げ予算の考え方

【参照記事】新規事業を進める際の予算の立て方

記事では新規事業の売り上げ予算の考え方、その中でも新規事業開発(ビジネスモデル創造)の予算について、失敗理由と成功のポイントを事例とともに詳細に解説しています。

よくありがちな例としては既存の事業と同規模を目指し失敗してしまうというケースがあると指摘しています。



新規事業の場合、いきなり大きな数字を目指すのではなく、基本的に小さく生んで大きく育てるといいう予算の考え方が必要になります。
我々はコレクティブと呼んでいますが、群戦略の形にするのです。最終目標は100億の売り上げ規模でもいいのですが、まず新規事業のテーマを決めたら、3億から5億くらいに数年で到達するような事業計画を10~20個持つという風に、群=群れで作り上げていって、それぞれの事業が伸びていくことで、最終的に数十億のものが2つ生き残り、100億になるとか、ひとつだけ生き残ったものが大きく成長する場合もあるでしょう。


生物の進化と同様、小さな個体がたくさん生まれて、それが群をなして、最終的に大きな個体が育つというような考え方をおさえておくべきだと宮井氏は指摘しています。

 

3-2.新規事業のコストには人件費、外注費、投資予算の3つのレイヤーがある

【参照記事】新規事業を進める際の予算の立て方


新規事業部を運営するためのコストは、

・自社の新規事業部員(社員)の人件費

・外注する費用や調査費用などの企画開発費

・事業を生み育てていくための投資予算

の3つのレイヤーにわかります。


人件費を考える際は、自社の人間は管理職1人と、実際に手を動かす人1人くらいで、あとは外部の経験者を入れたほうがよいといいます。








まず、管理職にあたる人は40代くらいまでで、できれば会社経営や海外赴任の経験、または自社のメイン以外の事業をたたんだ経験があるなど、イレギュラーな経験や、社外の人と仕事をせざるを得ない状況にあった人のほうが向いています。
また、実際に手を動かす人(自社社員)は、いちばん重要な点はベンチャーや起業、イントラプレナーなどに興味があることで、20代後半〜30代中盤くらいの人がベストです。さらに好奇心旺盛で学習意欲がある人の方が向いています。


ここにいきなり役員クラスの人間などを入れると人件費もかむため、若めの人材を活用することで人件費も抑えてスタートすることができるのです。

また、外注を使うケースは自分たちでやるよりその人たちが早い時、もしくはその人たちのほうがうまくいく場合、あとはずっとその人を雇う必要がない場合です。

このほか、ベンチャーと組む際の注意点やアクセラレータープログラムなどについても記事本編では詳しく紹介しています。


3-3.新規事業の際は必ずフィージビリティスタディを行う

【参照記事】新規事業を進める際の予算の立て方【後編】


事業を作るための費用は、事業を作るときの準備費用と、実際に事業を回す費用の2つにわかれます。

準備するための期間はフィージビリティスタディと呼ばれ、リーンスタートアップの世界ではMVP(minimum viable product)と呼ばれていますが、いきなり事業を作って回しても、うまくいくかはわからないため、それが本当に顧客にとって価値があるものか実際に検証する必要があります。







これを回すときには半年くらいの時間をかける必要があり、まずは自分たちのやろうとしてるサービスや事業が使いやすいか、価値があるものかを検証します。ここではお金をとらずに無料や場合によってはモニター料金を払ってもいいので、まずはサービスやプロダクトの仕様のどの部分が顧客価値につながっていくのかを検証します。


これがサービスやプロダクトのプロトタイプとなり、短くても3か月くらいの時間をかけます。

引用:





次に、前段のプロトタイプで固めたサービスやプロダクトの仕様で、実際にお金がとれるのかというビジネスモデルのプロトタイプを回します。この2つのプロトタイプをごっちゃにやっている人が多いですがそうすると混乱します。


つまり、どんなに短くても6か月くらいの時間がかかるので、その期間の人件費をみておく必要があります。

この2種類のプロトタイプを行い、KPIが達成できたら会社化して、できなかったらこの時点で撤退することも可能です。

この部分を怠って進めると失敗しやすいので、お金をかけてでも必ずやるということを念頭に、初めから予算をとっておく必要があります。

これらのフィージビリティスタディを半年間一度回してみることで、実際これくらいの金額で売れた、ユーザーに受けたコンセプトはこれだったなど、確信の持てるものが増えてきます。


 3-4.新規事業の予算計画は細かく項目化して発注する

【参照記事】新規事業を進める際の予算の立て方【後編】

 

会社化するなら3~5年くらいはやるつもりで事業計画を作りますが、1年目はどういうところがクリアできたらOKというKPIをきちんと決めておき、計画自体は3年~5年分きちんと立てておく必要があります。


引用:





まずはだいたい3~5億くらいの事業を目指して3000~5000万くらいの資本金でスタートし、1、2年目の売り上げが上がらなくても、損失も3000~5000万くらいですむような事業計画にします。この金額感は大手〜中堅企業の場合を想定しています。
この単位でなんとかしようということが、小さく始めることにつながるので、間違ってもいきなり数億をかけるような事業計画にはせず、無理をしてでも限られた範囲で回すことを考えることが大事です。


最初の予算計画段階でつまづくと、ひとつの事業計画書にお金をかけすぎてフィージビリティスタディの予算がなくなったりしてしまうので、項目ごとに小分けにして発注していくようにしましょう。小分けにすることで「この予算はこれくらい」ということを理解しながら、最適なプレイヤーに発注し、自分たちなりに

リーンスタートアップの考え方で予算を組んでいくことが大切です。


4.新規事業を進める際の役員説明のポイン






4-1.新規事業は進める際の役員説明のポイント

4-1.新規事業は「まずは出島でやる」ことを役員に説明する

【参照記事】新規事業を進める際の役員説明のポイント

まずは出島で事例をつくってから、その事例をどう評価するか、社内制度の枠組みに当てはめるかの議論に持ち込むとスムーズです。

引用:





新規事業の最初の0⇒1の芽を外で作るということも以前もお話しましたが、その原則に則り、社内の制度はいじらず、いったん外で実例を作り『こんないい実例があるのでこれを社内で応援するために社内の制度をどうしますか?』と結果をもったうえで話さないと「じゃあこういう場合はどうする?」という話だけが延々繰り返されてしまうのです。


役員の方には、『まずは外で結果を作ることが大事』と上司に説明してもらうことで応援を得ることができます。

新規事業をスムーズに進めるためには、まずは社内の制度などには手をつけず、最初に外で小さな成功事例を作ることから手をつけましょう。


4-2.イントラプレナーを発掘するより、外部の経験者と組んで自社の社員を教育する

【参照記事】新規事業を進める際の役員説明のポイント

新規事業の際、多くの企業が悩むのが、人材を外部から連れてくるか、社内からイントラプレナーを発掘・するかという点。

結論としては、社内で探すより社外の経験者と組むことをオススメします。これまでもお伝えしていますが、まずは外で起こして、自社の社員には手伝わせる形から、教育、感化していくことがポイントです。

記事では実際にどのような企業や人と組むべきか、その方法について詳しく解説しています。


4-3.大手企業がベンチャーと組むときの3つのポイント

【参照記事】新規事業を進める際の役員説明のポイント

大手企業が新規事業を行うとき場合の強みとして、信頼やブランド、ネットワークがありますが、ベンチャーと組むときには、いきなり技術的な話をするのはよくありません。

ベンチャーと組む最初のフェーズでは、営業支援、ネットワーク支援などの信用を与えられるものをエンドースメント(保証効果)のあるリソースとして提案しましょう。


また、みんなが知っているような有名なベンチャーは、既にさまざまなところと組んでいるため、投資家から支援が得られなかったベンチャーや、現在グロースに困っているというところを応援することをオススメしています。

既にうまくいっているところの勝ち馬に乗るよりも、今後ブレイクスルーしそうなベンチャーと組むことで新規事業部の担当者自身も育っていくはずです。







5.新規事業部立ち上げの際の上申ポイント


5-1.まずは成功事例をたくさん集めて資料に盛り込む

【参照記事】新規事業部立ち上げの際の上申ポイント

これまで自社に新規事業部がない場合の立ち上げ段階においては、とにかくほかの会社の事例をひたすら集めましょう。集める事例の種類は「成功例」と「制度、仕組みの例」です。

また、自社の業種と規模が近いものを探すこと、そしてオープンイノベーションの事例も入れましょう。とにかく事例を豊富に入れ、世の中はこんなに新規事業やイノベーションが盛んで熱心になっているということを盛り込みます。

このほかにも、記事では資料に盛り込むべきポイントについて詳しく解説しています。


5-2.事業アイデアにはロマンとソロバンが必要

【参照記事】新規事業部立ち上げの際の上申ポイント

上申書によくありがちなのはソロバンだけしっかり入っているパターンだといいます。







たとえば「シニアの人口はこれだけいて、アクティブシニアはこれだけ増えている、だからシニアのビジネスをやるべきだ」とその下にいきなりシニアビジネスのアイデアが載っていているようなもの。


シニアと一口にいってもさまざまで、いきなり全てのシニアが使うようなものは作れるはずがありません。それなのにマクロ的な話から単にソロバンをはじいただけになっていて、魚群探知機で大きな群れがいるということと、その群れを捕まえられるということはまったく別です。この魚を捕まえられそうかとか、この魚を捕まえたいという部分がロマンになり、通る上申資料はこのロマンの部分がちゃんと入っているのです。

このロマンとソロバン、どちらも入っているものが通りやすい上申書といえるでしょう。記事では実際に上申書に盛り込むべき内容、どの点にフォーカスすべきかなどを具体的に詳しく解説しています。


 【この記事の監修者】

宮井 弘之。SEEDATA代表。


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失敗しない新規事業部の立ち上げ方(ホッキョクグマ)

新規事業を立ち上げの際に担当者が陥りがちな失敗を項目ごとに解説(全25ページ・493KB)


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SEEDATAでは、独自に定義した先進的な消費者群(=トライブ)のリサーチを通じて、企業のイノベーション支援を行っています。

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