【4/30更新】アフター(orウイズ)コロナ時代のヒントになるニュースクリップ5選

この連載ではコロナウイルスの影響による現在の情勢とアフターコロナを見据え、これまで生活者調査をおこなってきたSEEDATAが、生活者の価値観や行動の変化や、これらを反映した新商品・サービスなどのニュース5選を紹介し、解説していきます。

当連載では毎週、以下のテーマごとにお届けしていきます。

購買・所有/美容・ファッション/健康・医療/娯楽・エンタメ/仕事・働き方/IT・メディア・コンテンツ/家事・家族/人間関係・コミュニティ/飲食/学習・教育/居住・暮らし方/金融・保険/移動/地域・社会活動

アフターコロナでは以上の14カテゴリがメインの変化になっていくため、このテーマに即していくことで、ほぼ全ての生活者起点での社会変化をとらえることが可能であると考えています。

今回は、「購買・所有」にまつわる生活者の行動変化を切り口に、withコロナ期のピンチをチャンスに変えようとする試みをご紹介していきます。

コロナウイルスの流行終息の予測が難しい現状では、今の社会ならではの購買のあり方、ライフスタイルを提案していくことが、企業にとっての成長のチャンスとなり得ると考えています。そんな中で飲食業界、小売業界、エンタメ業界などが、購買機会を作ろうとさまざまな工夫を行っています。これらの事例から、新たに生まれつつある生活者のニーズを掴むヒントをピックアップしました。

【4/28更新】アフター(orウイズ)コロナ時代のヒントになるニュースクリップ5選
この連載ではコロナウイルスの影響による現在の情勢とアフターコロナを見据え、これまで生活者調査をおこなってきたSEEDATAが、生活者の価値観や行動の変化や、これらを反映した新商品・サービスなどのニュース5選を紹介し、解説していきます。 ...

①プロによる「道具+HowTo」のセット提供が求められる

 

出典:https://lightup.stores.jp/items/5e9ea03255fa037b86ff3103

コーヒーショップLIGHT UP COFFEEは、コーヒー豆(100g)と「カフェオレの美味しい入れ方」オンラインセミナーのセット販売を開始しています。自炊が増え、娯楽がないといった理由から家庭で料理やハンドメイドを新たに始める生活者は増加傾向にありますが、道具や材料を買ってみたはいいものの、正しいやり方がわからずつまずきがちな初心者に向けたサービスです。

たとえば、ヨガマットとオンライントレーニング、キッチンツールと料理教室といった風に、「プロが教えてくれる」ことはひとつの価値となっています。

せっかく取り込んだ新規ユーザーを手放さないためには、商品だけでなく、レシピやオンラインセミナーなど、プロのノウハウと合わせて販売するようなサービスのデザインは、今後ますます必要になっていきます。特に、動画セミナーのような、手順を一歩ずつ覚えられるハンズオン形式は相性がよいといえるでしょう。

②調理前冷凍食品のニーズの拡大

出典:https://diamond-rm.net/management/33990/

コロナの影響を受け、とくに冷凍ミールキットの需要が増加し、Amazonでは売り切れが続出しています。先ほど紹介したLIGHT UP COFFEEも、抽出したエスプレッソをキューブ状に冷凍した新商品を発売しています。

この背景には、自炊機会の増加や、買い物頻度を落としながら生鮮品をストックしなければならない状況を受けて、鮮度と使い勝手に秀でた生鮮品の冷凍へのニーズの増加があげられます。

特に、材料を小分けにして下味をつけた調理前食材は、仕上げは自分でおこなうことができるため、できたての味を損なわずに楽しめたり、家庭の味にアレンジしやすいといったメリットもあげられます。

また、冷凍食材を選ぶことで「いつまでに調理して食べなければならない」という強迫観念から解放され、賞味期限のことをいったん忘れることができます。

このような冷凍食材の良さが積極的に認知され、今後は「おいしく長期保存できるから、敢えて冷凍を買う」「半調理状態で冷凍保存する」といった習慣がいっそう拡大していくのではないでしょうか。

③「たまに使うもの」が「毎日使うもの」へと変化することで、ニーズが多様化する

出典:https://www.fashionsnap.com/article/2020-04-15/shiseido-cleaner/

手荒れに配慮した消毒液、肌荒れしにくいマスクの登場など、コロナ以降、マスクやアルコールなど衛生用品のバリエーションが多様化してきています。

この背景には、これまでは非常時利用、一時利用に用途が限られていた衛生用品が普段使いされるようになり、毎日使うものだから、体質や志向に合うものを選びたいというニーズが顕在化していることがあげられます。

 

また、衛生用品に限らず、在宅勤務や休校によって利用頻度が各段に増えたものは数多く存在します。これを機に、顕在化したニーズを捉えた商品・サービスや訴求方法を生み出すことが、生活者の新たな共感を呼ぶチャンスといえるでしょう。

たとえば、子どもが休校中の家庭では、これまで給食が担っていた栄養を自宅で補わなければならなくなっています。冷凍うどんなどは安くて便利ですが、毎日子どもに食べさせるとなると栄養が気がかりです。そこで、これまでは時間がない日の時短アイテムだった加工食品やお惣菜に「どれだけの栄養が含まれているか」をわかりやすく示すことで、「手軽に子どもの栄養を満たすことができるので、ここの商品は安心して毎日使うことができる」と支持を集めるかもしれません。

 

④タレント・ファンの相互協力関係が生まれる

星野源 – うちで踊ろう Dancing On The Inside

 

出典:https://www.youtube.com/watch?v=b4DeMn_TtF4

【鬼龍院】「自粛して」カバー

出典:https://www.youtube.com/watch?v=Z1c_YTu2WIc

http://pc.goldenbomber.jp/contents/310274

星野源からスタートした「うちで踊ろう」動画がアーティスト・ファンを巻き込んだ一大ムーブメントを起こしたり、フリーランス音楽家がTwitterに投稿した「女々しくて」の替え歌「自粛して」をゴールデンボンバーがセルフカバー、また、ライブの代わりにグッズ通販を活性化しようと、送料を無料にさせるためのCDを新規製作するなど、アーティスト側も新たな取り組みを次々と打ち出しています。

これまでの震災の際などは、アーティストはTV出演や被災地訪問などを通じて社会を励ましてくれる存在でしたが、今回は、アーティストが支援を行うだけでなく、ファンや他のアーティスト仲間がアーティストの活動機会を生み出すような取り組みが多く見受けられます。生活者もアーティストも、感染症のリスクや仕事の減少といった同じ苦しみを共有しているからこそ、生活者もアーティストの活動を応援するような取り組みに共感し、応援するというループが広がっているのです。

このような取り組みを経て、コロナ後のアーティストとファンの関係は、一方的な憧れの存在から、Win-Winな相互協力関係へと変化していくのではないかと予想します。SEEDATAでこれまでご紹介してきたD2Cサービスでも注目されている、ファンをブランドの共創者として取り込む顧客体験は、今後エンターテインメントにおいても重要視されていくでしょう。

グロシエがそうであるように、芸能人がファンにダイレクトに意見を募り、ファンが日常使いできるプロデュース商品を製作するといった新規ビジネスも活発化していくかもしれません。

⑤ポスト投函可能パッケージによって、罪悪感なくECを利用できる

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000114.000009836.html

買い物機会の減少は、ECの利用を活発化させている一方で、SNSなどでは配達員から感染リスクや業務増加に悩む声が上がり、受け取る側の感染リスクだけでなく、流通を守る配達員の負担を減らそうという意見が生活者の間で交わされるようになっています。これを機に、置き配の要望や、宅配ボックスの設置も一気に進んでいます。

これまで置き配は、「家にいなくても荷物を受け取りたい」という受け取り側の利便性から利用が進んでいましたが、在宅時間が増えた中で置き配が進む背景には、「スーパーには行けないが、かといってECの使いすぎも配達員に迷惑をかける」「流通に負担をかけず、罪悪感なくオンラインで買い物がしたい」という生活者の思いが反映されているといえるでしょう。

そこで注目されるのが、ポストに投函できる薄型の配送パッケージです。

ナショナルデパート株式会社(本社:岡山市)は、ポスト投函できるデパ地下グルメの宅配事業Post Bento!」(ポストベント)の実証実験を開始。これまでのように「置き配=置きっぱなし」の前提では不可能だったサービスですが、利用者はすぐに荷物を受け取れる環境にいながらも、敢えてポスト投函を選ぶという行動変化の現れといえるでしょう。

これまでも、ECに特化した資生堂のブランド「レシピスト」や、おやつの定期配送サービス「snaq.me」が、ポスト投函可能なパッケージを採用し、利便性の点から薄型パッケージへの関心は高まっていました。コロナ流行を経て「不安や罪悪感なくECを利用したい」という新たなニーズから、対面受け取りの要らない薄型パッケージであることが購買意思を左右していくかもしれません。

 

今回ご紹介したコロナクリップのまとめは、コロナウイルスの影響により、ひとりひとりの生活者行動の変化や新しく登場した商品・サービスをサマリーし、50~100ほどにまとめたものの一部です。

コロナの影響により現在はSEEDATAもリモートでの活動となっているため、リサーチもインタビューもオンラインでおこなうことが可能です。

業界別ごとにクイックに調べることはもちろん、簡単なレポートから本格的なビジネスモデル、商品開発に影響するカスタムレポートまで幅広く対応していますので、タイトルに「アフターコロナ時代のリサーチについて」と記載の上、makiko.kato@seedata.jp まで、お気軽にお問い合わせください。

 

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加藤 槙子
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加藤 槙子(Kato)
アナリスト