【6/11更新】アフター(orウイズ)コロナ時代のヒントになるニュースクリップ5選

この連載ではコロナウイルスの影響による現在の情勢とアフターコロナを見据え、これまで生活者調査をおこなってきたSEEDATAが、生活者の価値観や行動の変化や、これらを反映した新商品・サービスなどのニュース5選を紹介し、解説していきます。

当連載では毎週、以下のテーマごとにお届けしていきます。

購買・所有/美容・ファッション/健康・医療/娯楽・エンタメ/仕事・働き方/IT・メディア・コンテンツ/家事・家族/人間関係・コミュニティ/飲食/学習・教育/居住・暮らし方/金融・保険/移動/地域・社会活動

アフターコロナでは以上の14カテゴリがメインの変化になっていくため、このテーマに即していくことで、ほぼ全ての生活者起点での社会変化をとらえることが可能であると考えています。

前回のアフター(orウイズ)コロナ時代のヒントになるニュースクリップ5選では、コロナ以降の働き方や仕事の変化の兆しについて解説しましたが、今回は住職同一になりつつある未来の住環境にスポットを当てて解説していきます。

【5/26更新】アフター(orウイズ)コロナ時代のヒントになるニュースクリップ5選
この連載ではコロナウイルスの影響による現在の情勢とアフターコロナを見据え、これまで生活者調査をおこなってきたSEEDATAが、生活者の価値観や行動の変化や、これらを反映した新商品・サービスなどのニュース5選を紹介し、解説していきます。 ...

①ファッションにおけるムーブ・エンハンスメントの重視

H:どうせ家だしパジャマ楽だからいいか、はダメなのか。ちょっとでもドレスアップしたり?

D:人によると思うけど、そうね、みんな着飾るべきだと思う。少なくともパジャマじゃない服を着た方がいい。もしよくジムに行く人なら、ワークアウト用の服を着て家で少し運動してみると、気分が高まるし、希望に満ちた感覚が戻ってきて「またジムに行くんだ!」ってなる。だから、みんなにはちょっと着飾ってみて。「ムード・エンハンスメント」といって、自分のムードを最適化するために着飾るというセオリーね。

H:勉強になります。ほかにはどんな助言をしていますか?

D:自分自身の気分に耳を傾けて、と言っている。もし不安な気持ちを抱えているなら、オーバーサイズのセーターを着る。ハグされているような気分になるじゃない? あとは、なにか違うことをするたびに着替えること。家のなかでも、たとえば料理をするってなったら着替えて、寝るってなったらまた着替えて。一日の単調さをなくすことが大切。

H:ちなみに、ファッション・サイコロジスト、ドーンの部屋着は?

D:キモノ(ローブのような)。インタビューや会議で(ビデオ通話で)顔が映らない限りは、家ではそんな着飾らないけど、キモノを着ると、穏やかな気持ちになる。誰にも言ったことがないから、これはあなたたちの独占ネタね(笑)。このキモノは、コロナ前から部屋着だったけど。

<出典>HEAPS/「不安な気持ちのときは、オーバーサイズのセーターを」ファッションと心理学、自分のムードとうまくつき合う服を選ぶこと|CORONA-XVoices

https://heapsmag.com/corona-xvoices-dawnn-karen

ご紹介しているのはファッションサイコロジストのコロナウェア理論ですが、外出自粛が続き、デザインよりも、着ることで得られる着心地や気分が重要になり、より自分視点でファッションを選ぶようになっていくであろうことを示唆しています。

ムード・エンハンスメント=「自分のテンションを上げる」ために服を選ぶという行動はこれまでもありましたが、アフターコロナ以降、さらにファッション界の大きな流れとなっていくのではないでしょうか。

このような「自宅にいてもスイッチングのために着替える」という流れがある一方で、「起きてすぐ(着替えをしないで)仕事に取り掛かりたい」という真逆のニーズも以前からあり、それがコロナにより顕在化したことで、次にご紹介するような事例も登場しています。

②仕事着と部屋着の融合

世界中で新型コロナウィルスが猛威を振るう中、多くの企業では家でのリモートワークを推奨し、Zoomなどを使ったビデオ会議が一般的になってきました。自分の家で、部屋着のままリラックスして仕事ができるリモートワーク。でも、ビデオ会議があるときだけは、着替えないといけないのが少しめんどくさい…。  

そんな悩みを抱えるみんなのために、ビデオ画面に映る部分だけがフォーマルで、画面に映らない部分が部屋着になっている、リモートワーカー用部屋着をつくりました。

<出典>WFH Jammies/上はビジネス、下はリラックス。リモートワーカー用部屋着をつくりました。

https://www.kickstarter.com/projects/197719879/wfh-jammies

 

すべてのビジネスマンを表現者にすると宣言するTHE SUIT COMPANYは、着れば一瞬でちゃんとした印象になり、しかも、洗濯機で洗ってもシワになりにくく、繰り返しサッと着られる 0kcal SHIRT SERIESこそ、自分にとっても、ビデオ会議に出席する相手にとってもストレスが少ないという点で、リモートワークのビジネスマンの表現服であると考え、このシャツをもっと皆さまに着用してほしいという願いから、TVCMの放送を決定した。

<出典>IGNITE/リモートワークこそシャツにこだわりたい。「THE SUIT COMPANY」の『0kcal SHIRT SERIES』

https://ignite.jp/2020/05/199606/

①では、あえて着替えることで気分を高める事例をご紹介しましたが、逆に、「わざわざ仕事着に着替えたくない」「仕事とプライベートで服を分けたくない」というニーズに応える商品も登場しています。海外でもスウェット生地でできたシャツやジャケットを販売するブランドが誕生しています。

リモートワークの普及で仕事とプライベートの境界がなくなったことにより、外着と部屋着の境界線も曖昧になり、一着で部屋着にも仕事着にもなる服の需要は今後ますます高まっていくでしょう。

ビジネスチャンスとしては、たとえば、電動歯ブラシを購入することで以後替えブラシが定期的に届くサブスクリプションサービス「quip」のように、1回の購入で仕事に必要な洋服や周辺小物が季節に合わせて定期的に届くサービスなども考えられます。

 

<参照>

https://www.gqjapan.jp/fashion/article/20200318-one-mile-items

https://note.com/stamp_tokyo/n/n84db8ae372a2

③求める環境の変化→疎になるための旅行

開疎化と言っているのは、一言で言えば、Withコロナ社会が続くとすれば、これまで少なくとも数千年に渡って人類が進めてきた「密閉(closed)×密(dense)」な価値創造と逆に、「開放(open)×疎(sparse)」に向かうかなり強いトレンドが生まれるだろうという話だ。

ちなみにその逆、言ってみれば「密密化」は都市化や人類の文明の発達してきた方向とほぼ表裏一体であり、つい4ヶ月ほど前まで、このままいけば、ブレードランナーのようなsuper都市セントリックな未来、それ以外の空間が捨てられる未来、がやってくるというのが、全世界的に起きてきた強く太いトレンドだった。

<出典>ニューロサイエンスとマーケティングの間 – Between Neuroscience and Marketing

https://kaz-ataka.hatenablog.com/entry/2020/04/19/131331

 

何者にも束縛されず自己欲求を満たすことは悪くない。むしろ自己解放になる。そんな行動の究極こそ、ソロキャンプと言っても過言ではないのです。

ソロキャンプなら店員もいません。何を食べても自由。周囲への配慮さえできていれば、独り言を言おうが何時間過ごそうが、自由。

<出典>CAMP HACK/究極の“お一人様”を楽しもう!ソロキャンプ2スタイル、あなたはどっちが好み?

https://camphack.nap-camp.com/3487

 

これまでも定番の観光地ではなく、人のいない秘境への旅を好む人はいましたが、コロナの影響で、人の集まる人気スポットより過疎になれる場所への旅行が好まれるようになっていくでしょう。

三密を避けたソロキャンプは、コロナ収束後もブームとなっていきそうです。

<出典>https://twitter.com/mocchicc/status/1264708317651144704?s=20

 

また、コロナにより「密を避けたい」という思いと、リモートワークを経て「どこにいても仕事はできる」という確信を得たことから、住居と仕事場を同一にし、郊外や地方に引っ越しをする人も登場しています。

これまでは、セカンドハウスを持つデュアルライフも、都心へのアクセスがよい郊外が人気でしたが、今後は郊外を越え、地方に第二の家を持つ、または移住する人が増加していくのではないでしょうか。

さらに、すぐには移住できない人が瞬時に疎になる手段として車内空間が挙げられます。

単なる移動手段ではなく、自分だけの空間としての見出すことが、車を所有することの新しい意味になるのではないでしょうか。

 

<参考>コロナ禍で「地方回帰」機運 ITベンチャー社長が新潟移住

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59628620X20C20A5L21000/

④自宅での楽しみ方→非日常のデザイン

『FLOWER』は、“アプリで注文したブーケがポストに届く、お花の定期便”です。

スマホの専用アプリをダウンロードし、お花を選びます。選んだお花は専用BOXに入れられポストに届くから、不在で受け取れないこともありません。人との接触を最低限に控えねばならない今、とっておきのサービスなんです。

 

<出典>お花の定期便『FLOWER』をレビュー! 選んだブーケがポストに届く♡

https://lin.ee/eyTtV5Cw?utm_source=line&utm_medium=share&utm_campaign=none

 

「絵画は富裕層が楽しむもの」そんなイメージをなくすため、Casieは「本物の絵画」をお手頃価格でレンタルします。
レンタルする絵画選びは「自分で選んでもよし」「プロに任せてもよし」お気軽にアートを飾る暮らしをお楽しみください!

<出典>Casie/ワンコインで始めるアートのある暮らし定額制絵画レンタルのかしえ

https://casie.jp/

<出典>https://twitter.com/nijinoyatu/status/1247870693791772674?s=21

コロナの影響で自宅で過ごす時間が増え、花を自宅に届けるサービスや絵画をレンタルできるサービスなど、自宅にいながら非日常をデザインできるサービスが人気を集めています。

コロナウイルスという未知のウイルスに対する不安がある中で、生活者は自らの心の健康を保つためにこれらの行動をしているのではないかと考えられます。

お店とご自宅をスマホでつないで担当スタイリストがセルフカットをレクチャーします

<出典>http://mr-brothers-cutclub.com/telecut.html

また、自宅とヘアサロンをオンラインでつなぎ、コーチングを受けながらヘアカットをおこなうサービスや、メイクのコーチングサービスなども登場しています。

これまでもプロを自宅に派遣するサービスはありましたが、容易に外出できない、ソーシャルディスタンスを保つという状況で、自宅での専門分野に関するコーチング需要は高まっていくでしょう。

このように、さまざまなジャンルで、お店に行ってプロがおこなっていたことを、自宅の中で再現するという方向は深掘っていくことができます。

これまでは外出しなければ体験することができなかったサービスが自宅で再現される流れは、自宅で過ごす時間が長くなるにつれて今後さらに加速するのではないでしょうか。

 

<参照>

新型コロナの影響によるストレス対策 海外で“心の健康”を保つアイテムの需要高まる

https://www.wwdjapan.com/articles/1071167

⑤食材のD2Cの加速→メルカリなどで生産者から直接購入する流れが更に加速する

<出典>https://twitter.com/hayakawagomi/status/1217063952426733570?s=20

<出典>https://twitter.com/yyy_SUSHI/status/1255348996161392641

<出典>https://twitter.com/onikuchan0927/status/1255316362563592194

 

野菜を直接農家から購入する流れは、コロナ以前から一部消費者の間で流行っていましたが、こだわりの生産者が自由価格で出品した農産物を購入できる「食べチョク」の登場で、この流れはますます加速していくと考えられます。

食べチョクは、農薬・化学肥料不使用や有機栽培などの栽培方法から野菜検索できたり、少量・多品種栽培の珍しい野菜や、地場野菜の購入、生産者に直接質問をすることなどが可能なオンラインマルシェです。

もともとは「農家の人たちが困っているから購入したい」という流れでしたが、新鮮で安くておいしいことからネットを中心に話題となり、コロナをきっかけに利用者が増加しています。これにより自宅での野菜体験の多様化が進み、市場を介さない食材のD2Cの拡大が予想されます。

食べチョク|農家・漁師の産直ネット通販 - 旬の食材を生産者直送
高品質なオンライン直売所「食べチョク」のトップページです。高級飲食店に卸す果物や有機野菜を栽培する農家やこだわり漁師から、旬の食材を直接お取り寄せできます。収穫当日にご自宅へ直送されるため、鮮度は抜群。小さいお子さんがいるご家庭も安心してご利用いただいています。

 

これらの事例は、「誰が、どんな土地で、何にこだわって作っているのか」といったプロダクトが生まれるまでのプロセスを知ることで、消費者が自然と応援したくなる好例と言えるのではないでしょうか。

SEEDATAでは、生産者と消費者が直接つながるD2Cは、今後食品に限らず、日用品や耐久財、サービス開発を行う際に重要な概念になると考えています。

SEEDATAブログでは、D2CとECの違い、D2Cブランドの紹介、D2Cからさらに踏み込んだDNVBについての紹介を行っていますので、ぜひご覧ください。

ECとD2CとDNVBの違いとは?
前回はDNVB(Digitally Native Vertical Brand)の簡単な紹介と、DNVBが求められている時代背景について解説しました。 最近私がDNVBについてクライアントなどに話すと、反射的に「それって昔からある通販...
今更聞けないD2C②D2Cが成功をおさめた背景
D2C(Direct-to-Consumer)の成功については以前下記の記事でも触れていますが、今回はネットビジネスや通販の観点から解説します。これまでより起業のハードルが下がったという話をしましたが、もっと具体...

 

 

今回ご紹介したコロナクリップのまとめは、コロナウイルスの影響により、ひとりひとりの生活者行動の変化や新しく登場した商品・サービスをサマリーし、50~100ほどにまとめたものの一部です。

現在、SEEDATAは購買・所有、美容・ファッションと言ったテーマごとに事例を解析することで、アフターコロナ/ウィズウイルス時代の社会変化を洞察しています。

コロナの影響により現在はSEEDATAもリモートでの活動となっているため、リサーチもインタビューもオンラインでおこなうことが可能です。

業界別ごとにクイックに調べることも可能ですので、ご興味のある担当者さまはお気軽にsatoshi.yokoyama@seedata.jpまでご連絡ください。

横山智
Written by
横山智(Satoshi Yokoyama)