【7/2更新】アフター(orウイズ)コロナ時代のヒントになるニュースクリップ5選

この連載ではコロナウイルスの影響による現在の情勢とアフターコロナを見据え、これまで生活者調査をおこなってきたSEEDATAが、生活者の価値観や行動の変化や、これらを反映した新商品・サービスなどのニュース5選を紹介し、解説していきます。

当連載では毎週、以下のテーマごとにお届けしていきます。

購買・所有/美容・ファッション/健康・医療/娯楽・エンタメ/仕事・働き方/IT・メディア・コンテンツ/家事・家族/人間関係・コミュニティ/飲食/学習・教育/居住・暮らし方/金融・保険/移動/地域・社会活動

アフターコロナでは以上の14カテゴリがメインの変化になっていくため、このテーマに即していくことで、ほぼ全ての生活者起点での社会変化をとらえることが可能であると考えています。

①人の精神や肉体のペースメーカーとしての意味を持ち始めるペット

アメリカでは、新型コロナウイルスの発生以降、保護犬、保護猫の需要が急増している。動物の力を借りて、長引く「外出禁止」を乗り切ろうとする人が増え、注目が集まっているのだ。バージニア州の動物保護団体「ラッキー・ドッグ・アニマル・レスキュー」によると、譲渡件数は例年の3倍に急増し、3000件近い応募申請があるという。マルケス博士も、ペットを飼育することで症状が改善するケースがあると話す。

(中略)

最新の報告では、ペットを飼うことで不安や孤独感などをやわらげる効果があると指摘されています。私の患者の中にも、これまでは犬を飼う事が出来なかったものの、在宅勤務を機に犬を飼い始め症状が改善したケースがありました。人によっては、ペットを飼う事で、家族と会話をしたり、お茶を飲んでリラックスするのと同様の効果が認められます。もし、あなたが犬や猫と触れ合う事で「つながり」を実感できるなら、そうすることを強く勧めます。

<出典>「コロナうつ」が急増 心の健康どう守る?ハーバード大准教授が勧める7つのポイント

https://www.fnn.jp/articles/-/32102

 

海外ではコロナウイルスによる自粛期間中に、犬の散歩であれば外を出歩くことができることから、犬を飼い始める人が急増しました。

ペットEC「Chewy」1Q決算(https://strainer.jp/notes/7031)によると、売上は+46%に加速、会員は1,500万人を突破し、新規会員の初回購入額がコロナ前の新規会員よりも11%上昇しているといいます。

また、ペットを飼うことは外を歩く大義名分を得られるだけではなく、上記の記事にあるように人間の精神衛生が安定することも分かっています。ペットとスキンシップをとることで幸せホルモンといわれるオキシトシンが大量に分泌され、精神的な安らぎだけではなく、免疫力の向上にもつながっています。

もちろん、散歩で外気や土に触れることや、動物と触れ合うことそのものが、免疫力を上げることにもつながるため、今後は精神的充足と免疫力向上の二つの側面から動物がいる生活にメリットを感じる生活者が増えていくのではないでしょうか。

太陽が昇れば起きる、寝る、食べる、散歩をするという野生的な時間感覚を持ったペットと暮らすことは、現代人の乱れがちな生活リズムを適正に維持することにも寄与しています。

コロナ以前は、単純に愛玩対象、または家族の一員と認識されていたペットですが、アフターコロナでは、ペットは精神や肉体のペースメーカーのように健康を助けてくれるものとして、存在意義が変化していくでしょう。

②時短料理の衰退とスロークックの台頭

そしてなにより、夕飯への仕込みができるというのはかなりありがたい価値です。

普段、帰宅後から夕飯までは本当に戦争のような時間帯。

おなかを空かせて帰ってくる子供たちに、急ピッチでごはんをサーブしなければならないのはかなり至難の技。(F1の音楽流れてきそうな気迫ですよ、もう。)

(中略)

でも在宅ワークの日だけは、お昼から煮込んだり、食材カットや下準備などの準備だけ先にできたりと余裕をもって夕飯の支度ができる。

(平日の夕飯への準備に早朝の時間や、週末の時間をけずっているママ・パパは多いはず。)

 

ささいなことに聞こえるかもしれないけれど、カレーやシチュー、肉じゃがといった子供が好きな煮込み系の家庭料理を週1でも作り立てで作って上げれるというのは、自分の幸せにとって、とても大切なこと。

小学校にあがった子供がいる同期社員は「在宅ワークの日は、おうちに帰ってきた娘に「おかえり」って言ってあげれる。それが価値」って言ってて、あぁ、なるほどな~って思った。

もちろん効率性とか負荷軽減とかそういう効能もあるけれど、さらに、こういう情緒的な側面で社員の幸せをつくれるという視点もあるよなぁと。大事だよなぁと思うのです。

<出典>私にとっての在宅ワークの価値は、煮込み料理。

https://note.com/pochicosan/n/nacecac77d1a1

コロナ禍で、昼間に仕込んで夜に出来上がる、時間の経過とともにおいしくなっていくような煮込み料理を作る生活者が増加しています。

これまでは、仕事を終えて帰宅してから夕飯の調理に取り掛かる場合、いかに調理時間を短くするかという課題がありましたが、記事では在宅ワークの昼休み中に夕飯用の煮込み料理を仕込む様子が紹介されています。煮込み料理は調理時間のかかる料理ですが、実際に手を動かす時間はそれほど必要ありません。

このように、調理時間は長く、手を動かす時間は短くすることで、通常の時短料理にはない、できていく過程の楽しみや、放っておいても手の込んだ料理が食べられるという安心感を享受していると考えられます。

このような背景からシャープの自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック」は昨年1~3月比2.5倍、4月は3倍以上の売れ行きをみせ、今後もスロークックの流れは加速していくと考えます。

 

➂子供のアイデンティティを育てるための親によるDIY学習プログラムが勃興する

最終的には、なるべく、大人も子どもも楽しめる or 楽できる勉強をやっていこうと試みました。(これは大きな学びでした。)

学年にもよるかと思いますが、特に低学年のうちはいかに、その子にあった勉強法で楽しい体験を与えてあげるかが重要だと信じて行ったものです。ぜひ、休校中のみなさま、また、学校再開後でも、お子さんとの遊びの参考にしていただければと思います。

目次

1時間目 考古学: 自主研究ノートを作り祖母に発表

2時間目 英語: Zoomで国際交流

2時間目 建築: マイクラで我が家を再現

3時間目 情報:タイピング/プログラミング

3時間目 デザイン: ピクセルアートづくり

6時間目 音楽&体育: DJ遊び&パーティー

7時間目:国語:オーディオブックで読み聞かせ

 

【学校再開後も続けたい】我が家のクリエイティブ時間割り!

https://note.com/emikusano/n/n9d4e99dd1731

この数か月は在宅ワークをしている保護者が、自分の仕事と並行して休校中の子供の勉強をみる必要がありました。時間の捻出方法と内容の試行錯誤を続ける中で、学校の勉強とは異なる、自分(親)のさせたい学習内容を考案する親が増加しています。

コロナ以前から、「今後どうなるか分からない不安な社会情勢の中で、子供の個性や感性を育てたい」という親のニーズは増え、学校での決まりきった平等な教育ではなく、自分なりの感性を磨き、自分の価値観で、何が自分にとって楽しいことなのか取捨選択できるようになってほしいというインサイトがあることが分かっています。

一方で、「選択肢がありすぎて、何をさせたらいいかわからない」という悩みもあり、記事では親が1時間ごとにテーマを絞り、子供に多様な体験をさせています。

 

また、保育園とリハビリ施設が複合する施設で高齢者と保育園児が一緒にプログラミングをおこなう事例なども登場しています。

「これまでの学校教育だけが学びではない」という価値観がさらに加速していくことで、これまでのように子供向け、大人向けという年齢による区切りではなく、全年齢にとって価値のある学びが今後さらに求められていくのではないでしょうか。

④家事をマインドフルネスとして活用する生活者の登場

玉ねぎを焦がさないよう、ときどきかき混ぜながら、にんじんとじゃがいもの皮を剥く。鶏肉は煮込む前に焼き色を付けて、カレー粉で軽く風味をつけておく。ちょうどいいタイミングで仕上がるよう、段取りを考えながら作業していると、頭が空っぽになる瞬間が訪れる。

これ、何かに似ているなあと手を動かしながら考えていて、「マインドフルネス」だと気づいた。

マインドフルネスとは、「今、ここ」に意識を向け、今していることに集中する心の状態のこと。世界の名だたる企業やトップアスリートが、マインドフルネスの瞑想法を取り入れている。日常生活に取り入れることで、集中力や創造性が高まったり、ストレスが軽減されたりする効果が注目されている。

現代人の日常には多くのタスクがあるから、時間を効率的に使ったり、無駄を省いたりする工夫は欠かせない。

でも、一見無駄に見える時間の中には、あえてペースを落としてじっくり味わうことで、人生が豊かになるプロセスも含まれている。

たとえば、新鮮な食材を選び、心を込めて作った料理を、家族で味わう。

TVを消し、スマホもオフにして、大切な人とゆっくり話をする。

公園で足を止め、ぼーっと木を見上げて過ごす。

わずかな時間でも、そうやって「今、ここ」に生きる練習をすることが、特に現在のようにストレスフルな状況下では、心身をリセットする働きをしてくれるのではないだろうか。

<出典>マインドフルネスカレーのつくり方

https://note.com/mihokotakahashi/n/n65f3a89509d4

これまで料理や家事などはなるべく時短でおこなうことがよしとされてきましたが、自宅にいる時間が増えたことで、再び手をかけ時間をかけ料理や家事をするという機会が増えました。

上記のブログでは普段はミールキットを使って料理をしていた母親が、久しぶりに包丁を握ったところ、自分が料理が好きだったということに改めて気づいたという内容が書かれています。また料理をする体験そのものがマインドフルネスのようだったと語っています。

料理や家事などの単純作業が、マインドフルネスのように精神を落ち着かせるのに役立つということは以前から言われていました。

時間のない中で料理や家事を行ってもそのような体験をするのは難しいですが、改めて時間をかけてこのような行動をしてみると、自分の生活を豊かにしてくれる行動であるということを再認識した人も多いかもしれません。

このような体験をした結果、今後も気持ちの切り替えや精神を落ち着かせるための行動として、料理や家事を生活の中に取り入れていこうと考える生活者は増えるのではないでしょうか。

⑤栄養摂取のための義務食料理と、食体験に楽しみを求める余暇食料理への二分化

近年の検索傾向は「時短意識」がうかがえるキーワードが上位を占めていましたが、パンデミック以降はお菓子やパン、本格料理に関するキーワードの出現が目立ち、料理に求めるニーズが拡大した印象を受けます。

この拡大傾向は不可逆的なものであり、外出制限が緩和されても「時短料理一辺倒」には戻らないのではないかと個人的には予測しています。環境要因として在宅時間が増えることはもちろん「小麦粉から作る餃子の皮のおいしさ」「子どもと一緒に作る料理の楽しさ」などの心理的発見が、マルチ化を一層後押してくれると思います。

 

一方で「単身の在宅ランチ」が日常化すると、シンプルな卵かけご飯や、朝食の残りものを食べたり、プロテインバーやドリンクなど食事を簡単に済ませることも多くなると思います。

時間をかけて準備する食卓と、シンプルな食卓、家庭ごとに緩急つけて楽しむスタイル(これこそ、旧来のハレとケの家庭料理なわけです)が、今後の家庭料理のスタンダードに位置してくるのではないでしょうか。家庭料理はこれからも進化していきそうです。

<出典>これから、家庭料理はどう変わる?

https://comemo.nikkei.com/n/nbc60ecdd0ddd?gs=a59aae82a9f8#2aFCI

コロナ禍で、外食の機会が減り、自分で料理しなければならないシーンが増えたからこそ、料理そのものを完成させるという結果だけではなく、「料理をする過程を楽しむというプロセスに目を向ける人が増えたのではないか」と先ほどのトピックスでお伝えしました。

一方では、作る機会が増えたからこそ、すぐに用意できてすぐに食べ終わる、なるべく時間や手間をかけず食事を作りたいというニーズも増加しています。

SEEDATAが調査したドクターシューマーというトライブでは、食事の内容が栄養摂取を目的とした義務食と、食べる楽しさを求める余暇食のような2つの食事体験に二分化していくという洞察をご紹介しましたが、まさにそれが食べる体験だけではなく料理を作るという体験にも現れているといえます。

今後は、作ることにも食べることにもなるべく時間をかけないが、必要な栄養は摂取することができる義務食と、マインドフルネスのような精神的なメリットや、作るプロセスの楽しみを重視した料理体験との2極化が進むと考えられます。

たとえば、現在日本でオートミールが大ヒットしていることからも分かるように、「単品でさまざまな種類の栄養が摂取できる」食品の需要は今後も続いていくでしょう。

 

今回ご紹介したコロナクリップのまとめは、コロナウイルスの影響により、ひとりひとりの生活者行動の変化や新しく登場した商品・サービスをサマリーし、50~100ほどにまとめたものの一部です。

現在、SEEDATAは購買・所有、美容・ファッションと言ったテーマごとに事例を解析することで、アフターコロナ/ウィズウイルス時代の社会変化を洞察しています。

コロナの影響により現在はSEEDATAもリモートでの活動となっているため、リサーチもインタビューもオンラインでおこなうことが可能です。

業界別ごとにクイックに調べることも可能ですので、ご興味のある担当者さまはお気軽にinfo@seedata.jpまでご連絡ください。

松本綾音
Written by
松本綾音(Matsumoto Ayane)
アナリスト