【新規事業アイデアの集め方】コンテストの募集・公募プログラム運営のポイント

今回の記事では、新規事業でアイデアを集めるために、ビジネスコンテストのようなものを開催・運営する側と、コンテストにチャレンジする側それぞれの視点からポイントを解説します。

新規事業のアイデアを集めたい担当者さまは必見です。

新規事業のアイデアは社内or社外から集める

まず、ビジネスコンテストには企業内のアイデアコンテストと企業外で幅広く開催する場合があり、これが募集と公募の大きな違いです。

募集……特定の組織の中でアイデアを募る場合

公募……外部から広く、もしくは社内の中でもさまざまな部署からアイデアを募る場合

広く募集を行いたい場合は公募という言葉を使いましょう。特定の人に依頼する場合は募集です。

開催・募集側の視点~指名制と広く募る場合のポイント~

次にアイデアの募集や公募の方法には、指名制と広く募る場合のざっくり二通りが存在します。指名制は特定の人を指名、またはオリエンテーションをしてアイデアを出してもらいます。これも社員にやってもらう場合と外部の人にやってもらう場合の2通りがあります。

ポイントとしては、内的な動機と外的な動機にきちんと分けてモチベーションを設計することが重要です。

内的動機……その人のキャリア形成につながるものや、新しい業務のヒントなど、個人のモチベーションに触れるような募集文言や誘い方、オリエンテーションの仕方が重要です。

外的動機……賞金、プロに会えるなど、外から与えられるモチベーションです。

アイデア募集で指名制の場合は、提出期限を決める必要がありますが、どんなものでもOKではぼやけてしまうので、基本的にはふたつの視点が重要です。

課題……募集する側はどんなビジネス上の課題を持っているのかということ。

リソース……たとえば「資金はあるからがっつりした提案が欲しい」なのか「資金は少ないが顧客は紹介できる」なのか、どんなリソースがあるのかということ。

これは指名制で行う場合も広く募る場合も同じポイントです。

社員の中から募集するときのポイントとしては、期間を決めてもよいのですが、現業がある中での応募になるため、いつ応募したくなるかは社員によって異なります。そのため、イベントや相談会を行いながら随時募集とするのが本来は理想です。

公募の場合、ポスターを貼ったり有名な起業家がメンターにつくなど、イベント的に行ってなるべく多くの人の目に触れなければ数が集まらないため、目立たせることが重要です。どのくらい多くの人に知ってもらえるかということを中心にKPIを設計するとよいでしょう。

公募の問題点は待ちの姿勢だということです。だいたい最初の年に100件応募があれば、翌年には60件くらいまで減り、最終的に何も行わなければそれが30件くらいになったまま横ばいになり、マンネリ化してしまいます。

また、その人の中にあるものを出してもらう形で、一発目からいいものがでることは稀です。

そのため最近私がいちばんオススメする募集、公募の方法は、メンターをつけて事業アイデアを募集するというものです。

たとえば有名なメンターをひとりつけ、「この人と一緒に事業を立ち上げたい人」と募集を行うことで、アイデアが煮詰まっていなくても熱意があれば応募できるし、アイデアがなくてもメンターに憧れている人、アイデアを持っていてメンターと一緒にやりたいなど人が応募してくれます。

出てきたアイデアをジャッジした後でメンターをつけるという旧来型の方法もよいですが、公募型の場合はメンターとの相性が難しい場合もあります。それよりも、最初から「この人とやりたい人」と限定することで、選ばれた人がメンターと二人三脚でブラッシュアップしていくことが可能です。

これまでもさまざまなところで書いていますが、私の考える新規事業を立ち上げの際のもっとも重要なポイントは、ビジネスモデルではなくメンターです。

最近はSEEDATAでも弊社のビジネスアクセラレーターが1対1でメンターになり、起業家の事業アイデアをブラッシュアップしていくという方法を編み出しています。

実際に社内起業コンテストに応募する場合、個人であれば月額10万円から、会社であればひとり月額30万円から提案させていただくことが可能です。この方法は普通にメンターをつけるよりも効率的なため、幹部教育や、新規事業で個人個人を厳しく育てたい人という場合もご相談ください。

アイデアがない場合はアイデアを、POCやPOBで困っている場合はそのサポートを、各種新規事業立ち上げノウハウを、ライザップ型で結果にコミットしてインストールしていくというSEEDATA独自の方法で実行支援いたします。

以上が公募、募集する側の視点です。

応募する側の視点~社内起業家と起業家の場合~

一方、応募する側の視点にも、起業家がパブリックなコンテストに応募する場合と、社員が社内のコンテストに応募する場合の2パターンがあるため、順に解説していきます。

1.起業家がパブリックなコンテストに応募する場合

まず、外部の起業家の場合ですが、今の日本のパブリックな応募システムは、支援の枠組みが揃っておらず、単なる営業になってしまいがちという懸念点があります。

「有名なメンターがつく」といっても、ただの客寄せパンダの場合もあれば、前向き精神論か、理由を教えてくれないダメだしばかりだったり、自社事業とのマッチングが悪いなど、その人物と事業の評価としっかり結びついた形で支援が行われているものが少ないのが現状です。

そのため、外部の起業家として応募する場合は、以下の2つのどちらかの目的と割り切って行いましょう。

①広報、広告

「共同で起業する仲間が見つけたい」「リソースを提供してもらいたい」など、自分をその会社や周囲の人に知ってもらうことを目的とする場合。

②営業

その会社やメンターに売り込むよい機会と考える場合。

パブリックなコンテストに多くを期待しても、残念ながら上記以外の目的ではあまりうまくいきません。賞金欲しさで行うという場合もありますが、資金が欲しいくらいであれば場合は普通に資金調達をすることをオススメします。

2.社員が社内のコンテストに応募する場合

では、社内起業の場合ですが、今回は社内起業経験者である私が「社内起業に応募するの際のコツ」について解説します。

まず、応募の時期としては入社5年目以上であること。それより社歴の短い人の社内起業はオススメしません。なぜなら、まだ会社のことが完全には分かっておらず、仮に通っても立ち振る舞いが難しかったり、ネットワークが構築されていなかったりするため、それなら会社をやめて自分で起業したほうがよいでしょう。

5年以下の場合、会社のリソースをしっかり使いきれるまで到達していない人が多いのが実情です。選ぶ側へのアドバイスとしても、5年以下の人を選ぶと外部の起業家とさほど変わらないため、もう少し熟練してきた人を選ぶことをオススメします。

もうひとつは、「億万長者になりたい」というような個人の利潤より、社会的なインパクトを求めている場合、社内起業をすることで大きなリソースを使えるので、自分の人生を豊かにできる可能性があります。

目先の大金を得ることよりも、人から必要とされて社会にインパクトを与えられるほうが自分の人生は幸せなのではないかと思う人は、ぜひ社内起業にチャレンジしてください。

ただ、このときに気を付けるべきことは、今の仕事が嫌で、逃げたい気持ちから社内起業するのでは絶対にうまくいきません。

単なる逃避ではなく、現業に対する問題意識と、「こうすればもっとよくなるのではないか」という実務から生まれた深い思いがある人は、絶対社内起業でうまくいきます。

最近SEEDATAではこれをある種の「憤り」と呼んでいますが、現業の中では非常識とされている新しいトレンドやテクノロジーを「この波は絶対捉えなければいけない」と感じた場合、この問題意識が出てきたときが応募の適齢期です。

セルフチェックのポイントとしては、ある程度しっかり実務をつみ、細かい問題点や業界の構造の問題点が分かったら機が熟したといえるでしょう。

社内起業の企画や上申のポイントは以前の記事で詳しくご紹介しているため、ご参照ください。

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SEEDATAではこれまでも、新規事業を進めている企業からご相談を受けて参りましたが、近年さらに、新規事業、新価値を創造したいという企業が増え、その際の新規事業部の進め方や制度の設計方法について質問される機会が増えてきました。 当連載...

また、SEEDATAでは現在、社内起業、または個人で起業をしたい方に対してのメンタリングサービスも実施しています。社内起業の場合、一次を通るとリサーチ費用をもらえるので、個人的にSEEDATAに問合せいただくことも可能です。

ゼロから絶対に成功したい個人の起業家の方には、個人向けのコーチングサービスも10万円からご用意していますので、SEEDATAならびにSD/Vのナレッジをぜひご活用ください。

個人の起業家と社内起業家の違いについては、個人的には、独立して一人でやっていたらここまでのおもしろさはなかったと思います。今のSEEDATAは、もはや私ひとりではできないところまで拡大してきているため、おもしろさのレベルが違います。

個人で起業するか、社内起業を利用するかは、社会により大きなインパクトを与えたいどうかです。逆にそこまでのモチベーションがなければ組織を率いるのは疲れるだけなので、ひとりでやるほうが向いているという人もいるでしょう。

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宮井 弘之
Written by
宮井 弘之(Miyai Hiroyuki)
SEEDATA 代表