SEEDATAの新規事業コンサルティング事例紹介②製造業・メーカーの場合

まず、メーカーと一言でいっても大きく消費財と耐久財に分類されます。

耐久財……自動車、家電、医療機器、検査機器、カメラなど、1日、1ヶ月くらいでなくならないもの

消費財……ティッシュ、アルコール、シャンプーなど1日や1か月くらいで使い切るもの

消費財、耐久財それぞれのポイントと、共通のポイントについて解説していきます。

消費財・耐久財メーカー共通の新規事業コンサルティングポイント

消費財と耐久財が共通で取り組まなければいけないのはサービスデザインです。サービスデザインについてはこちらの記事をご参照ください(【ビジネスのためのサービスデザイン① 】製品のサービス化を実践していくためには?)。

このとき、1点だけ重要視しなければいけないのは製造業におけるサービスデザインの進め方としてはサービスデザインの教科書は参考にならないということです。矛盾しているように聞こえますが、一般的なサービスデザインの教科書が想定している状況が製造業の置かれている状況とまったく異なります。

誤解を恐れずに書くと、サービスデザインとは「そのサービスを使った結果、自社の消費財や耐久財が売れなくてもいい」という前提でサービスをデザインする考え方です。

そのため、サービスデザインの教科書を見てそのままサービスやステップを作ると、上申したときに「これはうちの商品が売れなくなるのでは?」と言われたり、単なるキャンペーンやPRに見えてしまいがちです。

これは一般的なサービスデザインの教科書を見て、サービスを先にデザインしてしまうことが原因です。メーカーの場合、消費財や耐久財が売れ続けるための新しい習慣を創造するためにサービスを作る必要があるため、通常のサービスデザインのプロセスとは異なるワークデザインが必要となります。

また、基本的にメーカーの消費財や耐久財は、卸しやEC、製造小売りモデルというビジネスモデルを使っていますが、そのビジネスモデルにサービスを組み込むということは、売り方やお金のもらい方が変わるため、SEEDATAでは新規事業と捉えています。

もちろん、新サービスデザインではビジネスモデルは変わらないと考える方もいるかもしれませんが、SEEDATAは新規事業立ち上げの枠組みで捉えます(新規事業の立ち上げ方①へリンク)

そのための各種ノウハウやフォーマットを耐久財メーカー、消費財メーカー別にご用意しています。

消費財メーカーの新規事業コンサルティングの場合

消費財の場合、すぐに使うのものなので、サービスを使い続けた結果、さらに商品が売れなければいけません。

そのため、最近もっとも多い事例は、消費財とIOTデバイスを組み合わせるパターンです。ただし、最初からIOTデバイスを作るためのプロセスで作ると商品とは関係なくなってしまうため、あくまでIOTデバイスを使い続けた結果、消費財がどのように売れていくのかというフレームワークを活用します。

たとえば、製造小売りモデルの場合「商品を作り、店に置いて、消費者が購入する」というモデルになっていますが、サービスを組み合わせることで間に他の人も入ってきます。

この、モノとサービスを組み合わせて消費財が売れ続けている一番有名な事例として、ネスカフェアンバサダーがあげられます。

これは今までオフィスの中で飲むコーヒーの豆を選んでいた人たちをアンバサダー化し、サービスに乗せることにより、ハードウエアをタダで入れるプリンターモデル同様、コーヒーを売り続けるというサービスが完成したのです。

つまり、

①サービスを考える

②そのサービスを実現するためのハードウエアを考える

③さらに消費財が売れるようになる

以上の3つを考えるのがフルスペックの消費財メーカーのサービス系新規事業開発になります。

ハードウエアはいったんおいておいて、サービスと消費財だけを考えることも可能です。

実際にSEEDATAでは、この方法でステイクホルダーを見つけながら、一緒にハードウエアやサービスを作っていくという部分を、新規事業の立ち上げ方の記事(失敗しない新規事業部の立ち上げ方①「アイデアも人材も経験豊富な外部の人間を入れて新規事業を回していくべき」)にあるようにリーンスタートアップの考え方で行います。

メーカーの方には、関連する研究所の方か事業部の方とチームを作っていただきます。

ここで重要なのは、たとえば、これまでオフィスで飲むコーヒーは、コクや香り、味ががよければ良しとされていました。ところが、ネスカフェアンバサダーのような形でオフィスで出す場合、小さいポーションで品質が変わらないこと、多くの種類を一度に置けるような形にすること、オフィスなのでにおいがあまりしないことなど、研究開発で向上すべき性能が変わってくるということです。

ここまでをすべて一気通貫で行えるのが、SEEDATAの消費財メーカー向けの新規事業支援の特徴であり、我々が今もっとも得意とするジャンルでもあります。

耐久財メーカーの新規事業コンサルティングの場合

ハードウエアのメーカーに関しては消費財が絡んでくることはあまりないため、もっとシンプルです。

ハードウエアメーカーがサービスに必ずプラスしなければいけないのはコミュニティで、サービスを使う人たちをいかにコミュニティ化できるかが重要になります。

たとえば、今SEEDATAが行っている携帯電話会社さんのあるサービスでは、すでにハードウエアを持っている中高年の方向けのオンラインのコミュニティを作っていますが、一番最初のPoCの立ち上げをすべてオンラインで行わず、オフラインで説明会を行ったり、ドミナントに23区のあるひとつの区に限定し、オフラインでコミュニティを仕掛けていくという方法をとっています。

ハードウエアメーカーの方がサービスを作ろうとする場合、すべてオンライン上で作らなければいけないと思いがちですが、場合によってはオフラインでのコミュニティ作りとサービス構築が必要です。

これらをPoC、PoBと連結してサポートしていくのが、SEEDATAのハードウエアメーカーに対しての基本的な新規事業のサポートの方法です。

消費財メーカーも耐久財メーカーも、新しいビジネスモデルを作る場合は、今あげたポイントを組み合わせなければいけません。

ただし新商品コンセプトの開発の場合は別の方法があるため、SEEDATAでは峻別して考えています。

宮井 弘之
Written by
宮井 弘之(Miyai Hiroyuki)
SEEDATA 代表