SEEDATA流・起業メソッドの特徴

SEEDATAではこれまで数多くのクライアントの新規事業を実行支援してきましたが、弊社スタッフが実際に手足を動かして新規事業を作っていく以外にも、新規事業担当者が実行する場合にアドバイザーとしてサポートしたり、社内起業家や起業家の支援も行っています。

今回はわれわれが新規事業の実装や起業家支援で得た経験や失敗を踏まえた上で出来上がった、SEEDATA独自の起業メソッドの概要をSEEDATAアナリストの佐野と小尻が解説します。

起業家のメンタリングに必要なのは精神論ではなく実行論

佐野「これまでの起業家メンタリングやコーチングといわれるものは、事業の内容やサービスのコンセプトに立ち入るというよりは、基本的に新規事業担当者や起業家のモチベーシ

ョン維持がメインでした」

小尻「私は起業したいがどうしたらいいか分からず悩んでいる、数々の起業家たちに会って話を聞いてきましたが、起業家は常に不安に駆られています。このまま突き進んでいいのか不安になる時に「壁打ち相手が欲しい」という起業家のモチベーション維持のためにメンタリングをすることは起業家のインサイトをついているとは思います。」

佐野「今までは答えがほしいというよりは、単純に話を聞いてくれて、自分の頭の中を整理してほしいというニーズが強かったので、この壁打ちのスキームが機能していました。ただ今の新規事業や起業はやりつくされた感があって、実行力だけではなく企画力も求めているので、やはり起業家だけではどうしようもないときがあるんです。

かつてはアイデアさえ発想すればあとは実行する上で試行錯誤をしながら進めていけば何とかなりました。いわゆるリーンスタートアップという考え方です。しかし現在はどう進めていけばいいかという実行の部分にもクリエイティビティが求められています。実行実装のためのアイデアを、新規事業担当者や起業家だけでは考えられなくなってきている、そんな時代だからこそ一緒に悩んでアイデアも考えてくれるメンターが必要なんです。

ただ励ますだけではなく、今までの経験や知識にもとづいて、一緒にアイデアを考えながら、どうやって進めていけばいいかというところまで伴走していくことが、今の起業家のメンタリングには不可欠といえるでしょう」

小尻「少し前までは具体的に何をすべきかの行動の部分は、起業家自身が考えることになっていました。でも、よく考えたら初めて起業する人に「何をすればいいかは自分で考えろ」というのは愛のムチのようで愛が抜けていてるような気がします。SEEDATAでは具体的にどう進めていけばよいのか、手順やTODOのタスクの洗い出しを一緒にするところも企画だと捉え、一緒に練るということをしています。

間違った方向に努力したら間違うだけですからね。ステップまで一緒に考えて、起業家が具体的に明日から何をすればいいのか、行動に移せるようなコーチングやメンタリングが求められていると感じています。

そこで私たちがこれまでクライアントに対して行ってきた新規事業のサポート方法をメソッド化し、起業家に対して横展開しているのです」

佐野「起業家がみんな口を揃えて言うのは「どこからやればいいか分からない」「何から手をつければいいのか分からない」ということです。そこを起業家自身に考えさせるのが既存のメンタリング、一緒に考えるのがSEEDATA流のメンタリングです。ここが大きな違いだと思います。もはやメンタリングというよりは、アドバイスも含んでいますね。

そしてSEEDATAのビジネスデザイナーは、実行のための行動計画の部分を一緒に考えることができるスタッフです。単純に絵に描いた餅になる事業計画書ではなく、明日これをするという行動計画書=事業推進計画書を一緒に作っていきるので、より実践実務に近いメソッドになっています。これがSEEDATA流の起業家メソッドといえるのではないでしょうか」

小尻「色んな起業家の話を聞いていると、「メンターさんからは、事業の懸念点に対するアドバイスはもらえるけど、いざ明日から事業構築に取り掛かろうと思うと何をしたら良いのかわからなかった」という話が多いんです。具体的なアドバイスをすることは起業家のためにならないと考え、具体的な行動に関するアドバイスはしないようにしているメンターが多い気がしています。そうすると自然と「この事業はこういう風に進めていくべき」という個人個人にあったアドバイスというよりは、起業をする上で、共通して当てはまる精神論を言うことが多くなります。

そこで私たちが大切にしているのは精神論ではなく起業家一人一人に合わせた、かつ事業の内容合わせた実行論であり、行動するためのメソッドです。

SEEDATAのメソッド方法はサラス・サラスバシーの「エフェクチュエーション」を踏襲しています。

エフェクチュエーションの一つの原則として、目的ベースではなく手段ベースで進めていく「手中の鳥の原則」がありますが、起業家にとっては今ある手段を使って何をするかが大事で、それをやっていく中で目的や目標は磨かれていくという考え方です。

社内起業家の場合、資金もリソースも手段はたくさんあるため、「じゃあ明日から何をやれるか」という部分を手段ベースでメンタリングしています。

起業家がエフェクチュアルに行動していくにはどうすればいいかを、具体的なTODOとスケジュールを一緒に考えながらメンタリングしているのがSEEDATAなりの方法だと思います。

これまでアクセラレーターといわれる、起業家をメンタリングする立場の人たちは、目的や目標ベースで「why me」(なぜその事業を自分がやるのか)を先にかかげていたんです」

佐野「たしかに通常の起業は「why」=何故やるのか、「what」=何をやるのか、「how」=どうやってやるのか、の順番ですが、SEEDATAが起業家を支援するときは、わりと「how」と「what」から支援しているかもしれません。

まず既存のリソース、どんな強みを持っているのか、それをどうやってやるのかを考えて「why」はあとからついてくるものだと我々は考えています。ビジョンはいきなり生まれるものではないので、実際に行動しながら問題意識や課題意識を見つけてビジョンを作っていくというやり方です。

世界平和だとかいう大きすぎるビジョンは「how」にまで落ちてこなかったりするし、他の人が気が付いていないビジョンや課題が必ずあるはずです。そのヒントがトライブに隠れていたりするわけですが、それが我々にはインプットされているので、ビジョンや課題意識を持つ助けをするという支援も可能です」

小尻「『あなたが実現したい未来はどんな世界ですか?』と聞かれても、自分の意識や潜在的に持っている考えってなかなか出てこないものだと思います。動いていくにつれて「自分はこれをやっているときが楽しいんだ」とか「これが実現したかったのかもしれない」とか、ビジョンはどんどん変わっていく、磨かれていくものなんです。磨くためにはまずどんな行動に移せばいいのかを、エフェクチュエーションの理論にもとづいて、起業家たちの行動計画を支援しているのがSEEDATAのメンタリングの特徴であり、最大の強みといえると考えています」

佐野拓海
Written by
佐野拓海(Sano Takumi)
アナリスト