SEEDATAの新規事業コンサルティング事例紹介③技術者・エンジニアの場合

まず、我々がコンサルティングに入る際には、技術者(技術職)・エンジニアはいわゆる研究者(研究職)と分けて考えます。

家を例に考えると、家を作る際は建築家と工務店に大きく分かれます。建築家に近いのはどちらかというと研究者で、現場でのおさまりなどはいったん気にせず、もう少し上流の概念やあるべき姿、未来を描いたり、手元で動く試作品を作ったりします。

一方、たとえばIT系なら実際にコーディングをする人、現場で実際にお客さんに使ってもらうものを作ったり、実際に作られてきたものでラインを動かしたり、量産化に携わっている人をSEEDATAでは技術者・エンジニアと呼んでいます。

当然、その両端に収まらない多くの人たちがいることも知っていますが、その人たちも今回は技術者・エンジニアに含んで考えてください。実際、日本で技術者・エンジニアというと、そのような人たちを指す場合が多いと思います。

昨今、大手企業の人事部や経営企画の視点では、高齢化したエンジニアの方々をさらにイノベーティブな人材として輝かせていくということが大きな課題にもなっています。今回は技術者やエンジニアが中心となる新規事業や新サービス開発の進め方について解説いたします。

まず、技術者やエンジニアを中心に考えるときに重要なのは、エンジニアから未知の技術が出てくるわけではないということです。誤解を恐れずに言えば、それは研究者が出すものです。

エンジニアの場合、すでにあるものを、どれをどう使えば何が出てくるかを知っているということが重要になります。

彼らと新規事業や新サービス開発を進めていく際は、技術といっても組み合わせの部分や、どれをチョイスするかという部分だったりが肝になるので、いったん技術の話は置いておき、お客さんのジョブのほうに着目してもらうようにします。

SEEDATAの場合、プロトタイプでも画面でもなんでもよいので、まずは自由に動くものを作ってもらいます。このときに重要なのは、いきなりインプットをがっつりしないことです。彼らはそこまで生活者に興味があるわけでいないため、futurewaveのようなちょっとした兆しを入れながら手を動かして進めてもらうのですが、ここで出てきたプロトタイプは、ほぼ100%の確率で顧客の受容性が低いことが特徴です。この理由として、ひとつはエンジニアがその分野に詳しすぎるため、オーバースペックだったりマニアックだったりするから。そしてもうひとつは、お客さんのニーズを掌握するノウハウを持っていないからです。

これらを解決するために、まずは自由に試作品を作ってもらって構わないのですが、その試作品の量産化を考える前に、顧客のジョブにフィットさせなくてはならないため、SEEDATAではジョブ出しのワークショップを早い段階で行います。自分たちが今作ったものは何のジョブを解決しているのか、そのときに「want- to- have」ではなく、「must- to- have 」を見つけるためのインタビューなどをすると、技術者の人たちもすんなり聞き入れてくれます。

この段階で初めて顧客のニーズを仕様に取り入れながらオーバースペックを直していくことができ、受容性の高いシンプルなスペックに落とすことができるのです。そこまでできてきたら、営業やビジネスモデルを考えながら事業構想に昇華していけばよいでしょう。

もちろんそれにもノウハウが必要ですので、中高年のエンジニアの再活性化をはかるプロジェクトの場合はぜひSEEDATAにご相談ください。

逆に研究者の場合は、たとえばイノベーティブすぎて大量生産できず、現場でおさまらないというパターンがあるので、研究者発の新規事業を行う場合は長期にならざるをえません。

現場でおさめる、外で使えるようにする、誰もが使えるものにするなど、生産技術サイドの検討がいずれにしても必要なので、一般的な組み合わせ系の技術者やエンジニアと進めるよりも、より多くの時間がかかることを理解しておきましょう。

そのため、研究者は通常は新規事業プロジェクトには入れず、研究所の中での長期スパンのものを進めるほうが向いているのです。

その場合、SEEDATAは研究所向けに新サービスや新規事業開発のプロジェクトを提案することが可能です。あくまで研究所内で、ある程度おさまりが分かってから、生産技術や事業部へ持っていくというプロジェクトの進め方のノウハウがあります。

このへんの細かなポイントを理解していなければ、R&Dと一言でいってもぼんやりとしてしまうため、経営企画や新規事業の担当者はしっかり意識して進めていく必要があります。

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宮井 弘之
Written by
宮井 弘之(Miyai Hiroyuki)
SEEDATA代表