SEEDATAイノベーション支援の事例紹介

イノベーションという言葉がすっかり浸透し、ビジネスにおけるその必要性が叫ばれていますが、実際にどのようにイノベーションをすればいいのか悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

世の中に数あるイノベーション事例を目にしても、自社の技術やリソースをどのように応用できるのか、具体的に何ができるのかわからないという企業が多いのが現状です。

SEEDATAではそのような企業のために、イノベーション支援を行っています。

今回は、大手企業からスタートアップまでSEEDATAが実際に行った事例をご紹介しながら、なぜ我々が、分野の違うさまざまな企業のイノベーション支援を得意としているかをご理解いただければ幸いです。

SEEDATAのトライブデータを活用し、5年後の顧客体験をデザインをする

大手企業は今はどこも新規事業部、新価値創造部、イノベーション推進部などがあります。今後人口がこのように推移していくというデータや、こういった革新的な技術が出ているというマクロレベルの調査はほぼ抑えているものの、そこから『実際にどのようにイノベーションをしていくか』という点で悩んでいる状態です。

これまでSEEDATAがイノベーション支援を行った企業の場合も、数年後にこのくらいの数の人が定年を迎え、金融資産をどれくらい持っていて、今こんな商品持っているという、今のニーズはほぼ把握していて、『シニアは今後アクティブ化する』ということまではわかっていました。

しかし、事業というのは5年くらいかけて大きくしていくものなので、5年先を見据えたときに『今の人たちに対する現状のニーズで事業を作っていいのか』『果たしてこれは機会領域なのか』という点で悩んでしまうのです。

そこで、5年後にシニアのアクティブ化はどうなっているのかを予測する必要があります。

この場合、SEEDATAでよく使われている『シニアウォーリア』というトライブが活用できます。このトライブの定義は『定年を過ぎても企業戦士の心が忘れられない人』で、企業戦士的な心構えで定年後も活動している人です。

シニアウォーリアは、今はまだそんなに多くはないけれど、今後増えてくるはずなので、そういう人たちを訪問調査したり、コミュニティに入って、どういう価値観を持っていて、今後どういう行動をするのかを探ります。

今はトライブの中でしか起きていないけれど、今後確実に増えてくる価値観や行動になりうるので、この行動をサポートするために、シニアウォーリアの人たちにしてどういう体験を提供するべきかをまず考えて、ビジネスモデルはその後考えます。

ここでいう機会領域は、『どんなインサイトを持っている人が、どんなジョブをもっているときに、どんな体験をすればそれが実現できるのか』という顧客体験をデザインすることです。

※ジョブインサイトについてはこちらの記事をご参照ください

SEEDATAエスノグラフィーのご紹介~2.JOBとINSIGHTの違い~

では、こういった体験をクライアント企業で行うにはどうしたらいいか。そこでようやく企業が持つリソースや技術を用いて、顧客体験ドリブンで事業計画まで落としていきます。

今回の事例の場合、コワーキングスペースビジネスを行いたかったので、実際にコワーキングスペースを借りて、そこにシニアウォーリアな人たちを呼び、実際のプログラムを回して、お金を支払ってくれるかどうかまでを実験しました。これが成功して初めて『機会領域』といえます。

SEEDATAではこれを実証実験と呼んでいますが、有料テストなどの実証実験までを含めて、事実をもとに機会領域をつくっていく、これが今のSEEDATAの一番スタンダートなイノベーション支援の方法です。

すでにある技術にトライブを当てはめることで用途展開の芽を見つける

一方、すでに技術を持っていて、現在すでにプロトタイプ化、商品化している企業の場合、SEEDATAが持つトライブを複数、「この技術にはこのトライブ」と当てはめていく手法があります。

SEEDATAの強みはクライアントごとに新たに調査をしなくても、トライブレポートを使って、あたりどころを見つけ用途展開の芽を見つけていくことができるという点。

ここでの機会発見は、たとえば企業が持っている技術が今はスポーツにしか使えないと思っていたことが、実は医療にも使えたという風に、トライブを使って用途展開の芽を発見することができることです。

事例としては、とある撮影技術があり、それをスポーツ中継や伝統芸能中継などに利用していたのが、実は医療にも使えそうだということが分かりました。

一方、SEEDATAの持つトライブの中には、動画を二倍速で見たり、すべての動画をサマリーにして見る『サマラー』というトライブがいます。今後そういう人達が増えてきたら、この技術をサマラーに届ければ良いのではないか。というように、新しい顧客層の発見に関する話もできました。

このようなプロセスで用途展開の芽が見えた場合、スタジアムに売ったり、サッカー球団に売ったりしていたものを、病院を回って技術にお金を払ってくれそうか、ファーストペンギン的なお客さんを見つけ、プレゼンまでSEEDATAが一緒に行うところまで請け負います。

このようなプロセスを経て『これまでスポーツ系で使っていた技術が実は医療系に使える』と確信できてようやく、機会領域といえます。

このように、すでにある技術でイノベーションを起こしたいという研究所や研究者に対してもイノベーション支援を行うことが可能です。

セミナーや講演などを行うと、おもしろい技術を持った人がやってきてそこからスタートすることが多いのですが、機会領域が発見できて事業を回す人が必要な場合、起業家も派遣します。

実際にプロトタイプを考えて事業を回せるかどうかまで行って、それでうまくいけばもう少しお金をかけたり、会社にすることも可能です。

機会領域を検証し、全員が『これはチャンスなんだ』と確信をもてるまでをサポートすることが、SEEDATAのイノベーション支援の特徴です。

スタートアップのイノベーション支援

最後に、スタートアップのイノベーション支援に関してですが、SEEDATAでは他社に出資も行っています。

ラウンドAくらいの企業に出資し、さらにその企業のサービスや製品のコアユーザーをトライブとみなして、トライブリサーチを通じてグロスハックしくという方法です。ラウンドAくらいになると、そこのユーザーさんは絶対トライブで、アーリアダプターな人たちばかりなので、その人たちがそのまま未来を表している可能性が高いのです。

ただ、一般的にラウンドAくらいのスタートアップはアクチュアルなデータの最適化しかできてなくて、『枠外にどういうユーザーがいる可能性があるのか』『ユーザーは5年後どうかわっていくのか』がわかってないんです。

そこでSEEDATAがトライブリサーチをすると、今トライブの中でだけ起きている行動が、5年後に一般の人たちの中でどういう形で増えるかまでわかるので、新規顧客の見つけ方、グロースハックをどうれすばいいのかがまるまるわかるんです。

方法としては、実際にその企業からコアユーザーをすべて紹介してもらい、調査して、こんな未来がきそうだという提案をします。お金のもらい方は、最低限の調査原価はもらいますが、残りはストック・オプション、出資している場合はIPOで回収するというモデルをやっていく予定です。

この方法はもちろんリスクはありますが、ほかのリサーチ会社では絶対とれないデータがとれて、そこからトライブ選定ができること、リサーチさせてもらったデータはほかの会社のイノベーション支援にも応用できるというメリットもあります。

スタートアップのユーザーに対するトライブリサーチは、「こういう人たちの価値観や行動が増えてくるなら、自分たちはこうやって成長できる」というわかりやすい指針ができるので、機会発見そのものといえます。(了)

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SEEDATAでは、独自に定義した先進的な消費者群(=トライブ)のリサーチを通じて、企業のイノベーション支援を行っています。

新商品・新サービス開発、新規事業のご相談はinfo@seedata.jpまで、件名に『イノベーション支援について』、御社名、ご担当者名をご記名いただき、お気軽にお問合せください。

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宮井 弘之
Written by
宮井 弘之(Miyai Hiroyuki)
SEEDATA 代表