【9/18更新】デジタルトランスフォーメーションの事例

近年、あらゆる企業でデジタルトランスフォーメーション(DX)が推進されています。
SEEDATAでもさまざまな企業からデジタルトランスフォーメーションの支援についてお問い合わせをいただくようになりました。本記事ではおもに、各業界のデジタルフォーメーションの事例についてご紹介し、SEEDATA流に課題や成功の秘訣を分析していきます。記事は毎週更新し、新たな事例を追加していきます。

デジタルトランスフォーメーションとは何か?についてはこちらの記事をご覧ください。

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?
近年、さまざまな業界のありとあらゆる企業でデジタルトランスフォーメーション(DX)が推進されています。 SEEDATAでもさまざまな企業からデジタルトランスフォーメーションの支援についてお問い合わせをいただくようになりました。本記事で...

目次

コスメ業界のデジタルトランスフォーメーション事例

コスメ業界でよく見られるデジタルトランスフォーメーションの取り組みの事例が、IoTブラシや診断アプリで、顔や髪の画像データから、水分量、皮脂の状態などを分析します。

イメージとしては、これまでビューティーアドバイザーや美容師が目で見ていた部分のデータを集め、写真で判定していくものですが、実はまだあまり成功している事例はありません。

コスメ業界のデジタルトランスフォーメーション化については、SEEDATAが以前調査をおこなったコスメミキサーというトライブにヒントがあります。

【トイブレポート紹介64】オンデマンド美容商品・サービス開発のヒント(コスメミキサー)
SEEDATAは今後増えていくであろう考え方や行動を示している先進的な消費者グループ=「トライブ」を独自のリサーチによって発見、定義し、調査した結果をレポートにまとめています。トライブ・リサーチから得られた知見を通じて、推進される企業のイノ...

ここで考えなければいけないのは、「消費者は本当に、自分の肌の状態やストレス状態、紫外線や気温といった外的要因に合わせた化粧品などの組み合わせを決めて欲しいのか」という点です。つまり、技術的に可能・不可能ということではなく、可能だとしてそれは消費者にとってのジョブなのかという視点が抜け落ちているのです。

何ができる・できない→こんなデータが集まる→データが集まればこんなビジネスが成立するという3段階の企画がよくありますが、そもそもユーザーがそれを欲していなければデータは集まりません。たとえ欲しいと思ってもらえても、プロセスが面倒だったり、データを預けて出てきたものが思っていたものと違えば、決して安くはないIoTデバイスに対してお金を支払いたいと思うでしょうか。顧客がジョブと感じている部分をクリテイカルに捉えなければデジタルトランスフォーメーションをする意味はないのです。

現在、IoTミラー、IoTブラシなどが出ていますが、コスメ業界のデジタルトランスフォーメーションの決定版といえるものはありません。ジョブが見いだせていません。

オンデマンド美容の体験設計をする際は、肌年齢などのチェックをすることが目的ではないということを念頭に、ぜひコスメミキサーなどのトライブレポートをヒントにご利用ください。

保険会社のデジタルフォーメーション事例

一言で保険会社といっても、生命保険、損害保険、その他保険で何をデジタルトランスフォーメーションするか異なります。

デジタライゼーションという意味では、どの保険も紙で契約書を交わしたり、報告書を郵送する必要はなくなりました。

それ以外の効果効能を上げている事例として、ある保険会社では事故の損害調査をドローンで撮影しておこなっています。通常、事故が起きた際は、現地に鑑定人が赴いておこないますが、人によって若干判定が変わる、あるいは見落としがある、またはすぐに行けない、時間がかかるなどさまざまな問題があります。

ここにドローンを使用することで、撮影、撮影データの送付、画像診断を迅速におこなうことが可能になります。現地にすぐに行くべきか否かまで機械が提案してくれることで、さらにデジタルトランスフォーメーションに近い取り組みとなっていくでしょう。

また、生命保険は一度契約をすれば、事故や病気などがない限り更新まであまりやりとりは発生しませんが、消費者の気持ちとしては、自分が健康な間はなるべく保険料の追加に乗り気ではありませんし、リスクがリアルになれば多く払ってでもリスクヘッジしたいという気持ちがあります。保険商品自体は法規制の範疇で組成するものであり、なかなか差別化した商品は出せませんが、消費者が「もう少し生命保険会社に自分の情報を預けてもいいと思える体験」、または、消費者が「保険会社にデータを預けることでどんなメリットがあるかをイメージできる体験」を考えてみるとよいでしょう。

下着メーカーのデジタルトランスフォーメーション事例

下着を含むアパレルはデジタルトランスフォーメーションにとても向いた分野です。

下着に関して言えば、肌に直接つけるという点で、IoT化された衣料であれば肌の情報を直接とることが可能です。一方で、「使いまわせて腕につけられるウェアラブルデバイスの方がよいのではないか」という意見もあります。

また、女性も男性もデリケートゾーンの悩みは多いため、実現すればかなり貴重な情報がとれますが、肌の情報がとれることから短絡的に下着やウエアをIoT化しても、やはり「情報を預けることを消費者が本当に求めているか」という問題が発生します。

それよりも、これまで繊維のパータンは、人間がある程度勘で絞り込んだものしかありませんでしたが、デジタル上でフィットの在り方や、締め付けの状態をひたすらシュミレーションして商品開発に活かすという方向性が考えられます。

このような取り組みは創薬の分野ではすでにおこなわれており、ありとあらゆるタンパク質の組み合わせをデジタル上で試していくことで、決して人間では辿りつけない組み合わせにたどり着くことを実現しています。

このように、アパレルのデジタルトランスフォーメ―ションは、自社で単体でおこなうより、素材メーカーと組んでおこなったほうが可能性があります。

SEEDATAは、DXに共通する課題は「ユーザーが本当にそのデータを預けたいのか」という「ジョブが不在」である点だと考えています。ユーザーが自ら「つけたい」と思える体験がなければデータは集まらないということを意識しましょう。

セブン銀行のデジタルトランスフォーメーション事例

セブン銀行はさまざまな分野で積極的にデジタルトランスフォーメーションを導入し、成功をおさめている事例といえます。セブン銀行のデジタルトランスフォーメーションには、おもに以下の4つの狙いがあります。

 

①現金マネージメント

ATM内の紙幣の増減予測にAIを取り入れ、現金の欠品を防止することを実現しました。

これまではATMにはとりあえず紙幣を多く入れておく必要がありましたが、過去5年分の取引データを入れて回帰分析を使うことで、最終的にその日、どのATMで、具体的にいくら現金が引き出される可能性があるかまで算出できるようになるといいます。

 

②保守最適化

保守最適化は①と同様、顧客のジョブというより保守メンテナンスのためのもので、ATM以外にもあらゆる機械産業で使われてるデジタライゼーションです。これまでどんなに定期保守メンテナンスをしていても、実際にはいつ壊れるかは分かりませんでしたが、過去の利用時間、障害履歴を参照することで、いつ保守すればいいかを把握し、利用時間の最大化と交換の無駄を排除することを実現しました。これも顧客のジョブというより自分たちの保守最適化のためです。

 

➂金融犯罪対策

SEEDATAが注目しているのは顧客側のジョブに関するDXですが、これまで説明してきたように、まず「顧客のジョブに紐づいている」うえで、データが取れるか取れないか、技術的にどうするかを考える必要があります。

「金融犯罪にあいたくない」という顧客のジョブを捉え、画像や動作の様子から「これは詐欺ではないか」ということを分析することを実現し、安心安全の向上を実現しました(取得するデータ内容は非公開)。

このように明確にジョブを解決してくれる場合、ユーザーは喜んで情報を提供してくれる可能性が高くなります。

 

④チャットボット

コンビニ店頭のマルチメディア端末の使用方法について店員に質問をしないよう書かれている場合がありますが、顧客のジョブとしては「今すぐ知りたい・使いたい」ため、チャットボットを開発して利便性の向上を実現しました。これは典型的なDX事例といえるのではないでしょうか。

 

セブンイレブンが最初に着手している現金マネジメントは、ディープラーニングではなく、多種多様なデータの中から複数の規則性を発見する異種混合学習といいます。データがしっかりと集まり、モデルといわれる予測の方程式ができていて、「現金マネジメント」という目的がしっかり定まっていれば、高度なアルゴリズムではなく、チューニングといわれるものを施すことで実現します。

当然ほかの銀行もATMは導入していますが、セブン銀行はATMを競争優位と捉えている度合が異なります。通常の銀行は窓口に人が必要だったり、法人融資があったりしますが、セブン銀行は前述の通り、あるゆりバリューチェーンにAIを導入しデジタルトランスフォーメーション化が進んでいます。

セブン銀行に技術提供をしているNECは、とくに画像解析などに強く、さまざまな企業に技術提供をおこなっています。日本でデジタルトランスフォーメーションを提供している企業は、NECのほかに、富士通、日立などがあげられますが、顧客の課題を発見し、丁寧にチューニングをおこなってくれるのは日系企業の特徴といえるでしょう。

 

参考記事:「業界の常識を疑え」顔認証ATMを発表したセブン銀行がAIを実用化するまでhttps://ledge.ai/theai-3rd-sevenbank/

ヘルスケア業界のデジタルトランスフォーメーション事例

ヘルスケアの調査をおこなうと、「服薬が続かない」という課題が必ず出ます。

そこで、ある製薬会社では超小型センサーを錠剤に組み込み、胃液に触れることでシグナルを発し、患者が身体につけたパッチ型の検出器でそのシグナルをキャッチし、服薬日時と乗数が記録されるシステムを開発しました。服薬データだけでなく、睡眠データなども記録でき、センサーは消化されることなく、そのまま排泄されるといいます。この方法がベストかはさておき、顧客のジョブをしっかり捉えている好例といえるでしょう。

飲む時間がはっきりしない、飲んだ履歴がとれないからなどの理由で服薬が続かないというジョブがあることをきちんと確認し、かつ具体的に、脳梗塞の患者に絞り実証実験をおこなっています。

SEEDATAがおこなう場合、まず観察して、服薬の継続を阻害するジョブがどこに存在するのか見つけ、顧客が喜んで提供してくれるデータがあるのかないのかを判断し、技術的にそのデータを用いて何が予測できてどんな管理ができるのか、という風に進めていきます。たとえば、スマートフォンを近づけることで情報を取得できるNFCタグをつけるなど、スマートフォンと連動する方向性はいろいろ考えられるでしょう。

Uberのデジタルトランスフォーメーション事例

Uberに代表されるような外資系のライドシェアサービスは、膨大なデータが蓄積されていくことがもっとも重要で、Uberも顧客のジョブをしっかりと把握しています。

たとえば、海外では乗合が一般的ですが、「あともう少し先で乗ればほかの人と一緒に乗れる」「この時間この場所で客待ちをしているとお客が捕まりやすい」などの情報がすべて分かります。「すぐに捕まえたい」も「乗合を簡単にしたい」もすべて顧客のジョブに関連しています。

移動系通信サービスは通話データなどもすべてとれるため、非常に使い勝手がよく、さまざまな可能性を秘めています。

Best Buyのデジタルトランスフォーメーション事例

流通業における顧客に関連するデジタルトランスフォーメーションはSEEDATAの知見が活きる部分です。

家電量販店のDXという一般論には、OMO(Online Merges with Offline)と顧客サポートという二つの方向性があります。

 

①OMO(Online Merges with Offline)

たとえば、家電量販店の現場で実物を見て、そこでQRコードやNFCタグを使い、ネットで購入したものを配送したり、あえてその場で最安値を調べその価格で販売するプライスマッチングポリシーなどがこれに該当します。

ネットで注文して店舗で受け取る、店舗で見てからネットで注文するなども自由自在で、つまり、Best Buyはこれまでショールームとして利用され使い捨てられていた現場の先を自分たちがとるために、OMOで脱ショールーム化をはかりました。オンラインとオフラインをマージし、店舗での販売にこだわらないのがひとつめの方向性です。

ただし、価格.comは少数の製品をあえて赤字価格で出していることもあり、同じ価格では家電量販店では対抗できないため、ポイントなどをうまく使っていく方が現実的です。

これらはデジタルトランスフォーメーションというよりはデジタライゼーションに近い取り組みです。

 

②顧客サポート

現在、リアルな店舗でも商品について説明しきれていない部分はあるため、オンラインで簡単に質問に応えるサービスなどはニーズがあります。これをデジタルトランスフォーメーションまで進めるのであれば、たとえば専門知識の豊富なカリスマ店員のQ&Aなどのデータを活用すれば、機械が人間よりもさらによい提案をしてくれるため、現場はさらに上手な説明ができる店員を増やすなど、別の方向に力を割くことができます。

Best Buyは以前、「ギィーク・スクワッド(Geek Squad)」という修理&サポート部門を設け、チャットで多くのエキスパートが対応してくれることで話題となりました。これにチャットボットやAIを加えていくことでデジタルトランスフォーメーションのレベルになります。

ブリヂストンファイナンスのデジタルトランスフォーメーション事例

ブリヂストンの金融子会社であるブリヂストンファイナンスでは、請求書の処理などの間接業務を集約し業務効率化を推進。具体的には伝票起票業務に対し、管理番号や金額を読み取りデータ化し、これまで人力でおこなっていた管理会計情報との突合せ業務を効率化するためにAI-OCRを導入しました。
バックのオペレーション最適化の部分なのでSEEDATAの専門領域とは異なりますが、AIの中でも音声画像の分野はかなり精度が上がっており、OCR(Optical Character Recognition/Reader、光学的文字認識)に関してはとくに進歩し続けています。自社でゼロからDXをおこなうには莫大な労力と資金が必要になりますが、DXを専門とする企業のソリューションを入れることで自社の業務をDX化することができます。ただし、その際はソリューション選定能力が重要になります。

参考:最高のAI-OCRをCASE STUDY導入事例のご紹介 https://dx-suite.com/casestudy/2020/03/04/uservoice022

ソフトバンクのデジタルトランスフォーメーション事例

毎月6,000件近く届く携帯電話の落とし物通知依頼書の転記業務の効率化を解決すべく、すでに導入しているシステムと連携が可能なAI-OCRサービスを導入し、データ化したCSVを自社開発システムに入れた後、さらにRPAで専用システムに入れることでセキュリティを守りつつ、自動化を実現しました。
これも典型的なソリューションの事例で、人間がやるよりも正確で効率的な部分に関してはソリューションプロバイダーに依頼しましょう。

参考:最高のAI-OCRをCASE STUDY導入事例のご紹介 https://dx-suite.com/casestudy/2020/03/03/uservoice021

FABRICTOKYOのデジタルトランスフォーメーション事例

オーダーメイドシャツのFABRIC TOKYOは株式会社Cogent Labsの手書き文字認識AI「Tegaki」を活用。採寸を行い、手書きの採寸表を読み取る文字認識AIの導入で、月180時間の労働時間の削減を実現しました。
これもソリューションを上手に入れてDXにつなげている事例ですが、入力作業は人間がおこなうよりも機械に任せたほうが正確です。さらに、データが蓄積されていくことで、「この入力値はおかしい」といった異常検知や、過去の事例からこうすべきなどもいずれAI側から提案してくれるようになるでしょう。これはよいソリューションの事例です。

参考:「AIで残業がなくなった」月間180時間の労働時間を削減したTegaki導入事例 https://www.tegaki.ai/user-case-fabric-tokyo/

Starbucksのデジタルトランスフォーメーション事例

Microsoftのソリューションを入れたスターバックスのモバイルアプリは、強化学習の技術を使い、天気、時間帯、最寄りの店舗の在庫、人気商品、ユーザーの注文履歴などを反映し、ユーザーに最適化されたオススメの商品を提案してくれます。
もともとスターバックスは顧客とスタッフとの会話を大事にしてきましたが、1600万人の会員を有するモバイルアプリ上で、これまで人間だけでは限界があったリコメンデーションを補完しています。たとえばユーザーが避けている成分などを学習すれば、その成分が含まれた商品はオススメしないなど、細かなニーズに合わせた提案をすることを実現しました。
これにより、店頭のスタッフは商品の提案ではなく、もっと別のコミュニケーションに尽力することが可能になります。

参考:スターバックスは顧客とのより個人的なつながりを育むためにテクノロジーに目を向けます
https://news.microsoft.com/transform/starbucks-turns-to-technology-to-brew-up-a-more-personal-connection-with-its-customers/

トヨタ自動車のデジタルトランスフォーメーション事例

トヨタ自動車はオンプレ基幹システムとクラウド型CRM(顧客管理システム)を「Salesforce」を連携させ、顧客情報を横断的に活用することを実現し、販売会社の営業活動効率化を図りました。
これも販売支援事例ですが、顧客接点人材である営業マンがすべてを記憶し、常日頃からこまめに顧客に連絡したりオススメしたりするわけにはいかないため、このような人間では足りない部分をAIが担っていくことで、人間はさらに営業活動に集中できるということが本質です。
当然、ただシステムを導入すればいいわけではなく、前段としてどんな商談をしたいのか、どうすれば顧客の心を動かせるのかをまず考えてから、システムを導入しなければいけません。ここはSEEDATAの得意領域である「顧客のジョブの特定」が重要になってきます。

参考:トヨタが販売会社の営業活動支援システムを刷新!顧客アプローチの迅速化を実現したデータ連携基盤に迫る
https://japan.zdnet.com/extra/terrasky_toyota_201906/35139036/

リコーのデジタルトランスフォーメーション事例

リコーはRPAを導入した業務改革を進め、購買単価の分析データの作成、評価用プリントジョブ作成業務の自動化など、200以上のロボットを稼働させ、結果として、月1600時間分の業務削減にも成功しました。
リコーの事例では、社内に専門部隊を作り、現場の従業員が関与しながらソフトを作り出すというアプローチをとっている点が重要です。ソリューションを入れるほうが良い場合もありますが、自社内に開発リソースがある場合はリコーのように進めていくことをおすすめします。

参考:月1600時間分の業務削減に成功、“デジタル革命”進める企業の専門部隊 リコーがRPAで業務改革 https://newswitch.jp/p/16204

NECのデジタルトランスフォーメーション事例

株式会社大林組、日本電気株式会社、大裕株式会社は、建設機器の自立化による労働力削減のため土砂の積み込み作業を自動化するシステムを共同開発。労働力の削減だけではなく、これまで危険と隣り合わせだったトンネルの採掘やダム建設などの無人化に挑戦しています。

参考:土砂の積み込み作業を自動化するバックホウ自律運転システムを開発~熟練技能者のノウハウと、それを再現する高精度制御により高い生産性と安全性を確保~https://jpn.nec.com/press/201907/20190719_01.html

ドコモのデジタルトランスフォーメーション事例

車両内に搭載する「ダイナミックビークルスクリーン」の活用によりAIが季節や気温、時間などの環境要因と、電車内にいる人びとの性別年代を認識、分析することで、最適化された広告をスクリーンに流すことを目指しています。
デジタルサイネージは、あらかじめ予定されていた内容ではなく、車両内外の環境に応じて自律的に流す内容を変えてくれます。たとえば、ある一定の気温以下になればこの広告を表示する、満員電車内では退屈でやることがないので時間の長い広告を流すなどを自動で判断します。電車内での顧客のジョブを特定することで、非常に有望な分野といえるでしょう。
一方サイネージは、まだひとりひとりにカスタムすることができないという弱点がありますが、SEEDATAが提供するSD/Rは、ひとりひとりに対応したショールームを展開しています。

参考:埼玉高速鉄道、AIで車内の映像広告効果的に https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52678160X21C19A1L72000/

全日空のデジタルトランスフォーメーション事例

全日空は佐賀県の協力のもと、九州佐賀国際空港をイノベーションモデル空港(実験の場)とし、ロボットスーツを活用し重量物の運搬の負担を軽減したり、リモートコントロールでの航空機の移動などの実用化に取り組んでいます。
空港という場所のおもしろい点は、多種多様な人々が集る場所でAIの実証実験がおこなえること、発着時間決まっているため一定程度の滞在時間が得られることです。
現在おこなわれているのは空港内部の効率化ですが、今後は利用する顧客側のジョブを見つけて解決していく必要があるでしょう。
https://sdr-inc.jp/

参考:九州佐賀国際空港をイノベーション推進の拠点に!https://www.anahd.co.jp/group/pr/201903/20190326.html

株式会社フルキャストホールディングスのデジタルトランスフォーメーション事例

大手人材企業のフルキャストホールディングスは、RPAの導入により、これまで人の手によっておこなわれていた無駄な業務を自動化することに成功。新たな社内システムや仕組みを作り導入する際は、現場の人々が専門知識を必要とせず操作できることがもっとも重要です。この事例のように、顧客のジョブだけではなく、使い手のジョブやUXを考えて設計を進めましょう。

参考:会社全体で月500時間の工数削減に成功!https://reiworq.com/case/1080/

株式会社オープンハウスのデジタルトランスフォーメーション事例

株式会社オープンハウスは、AI・RPAを駆使して、年間25,700時間の工数削減に成功。具体的には、AIを活用した区割り提案システム、顧客提案資料の抜粋と編集の自動化、物件関連資料の送信のRPAによる自動化を実現しています。
不動産業界はいまだにファックスや手書きでのやりとりがおこなわれているなど、非効率的な部分が多い業界ですが、オープンハウスの事例では、狭小地に戸建てを建てるために、株式会社タイムインターメディアに研究開発を委託。 遺伝的アルゴリズムを2次元の図形分割問題に適用し、建築ルールを遵守しながら最適な区割りプランを提案するシステムをタイムインターメディア のAIソリューション「進化計算DARWIN(ダーウィン)」により開発しました。
このようなプランの試行錯誤は人がおこなうよりも、AIがおこなったほうが早く正確に進めることができるため、どんどんDX化していく必要があります。ただし、数学的にどんな問題を解くことかに置き換え、正しく問題設定ができる専門家に依頼する必要があります。

オープンハウスが年間25,700時間の工数削減に成功 ーAI・RPA技術を活用し不動産業務を自動化 https://ainow.ai/2019/11/05/180621/

JR東日本のデジタルトランスフォーメーション事例

JR東日本は、半世紀ぶりに新駅として開業した高輪ゲートウェイ駅におけるAIの活用に力を入れています。ロボットによる施設、イベント案内、自律移動型ロボットによる警備や掃除を実験的導入、顔認証やQRに対応した最新の自動改札機も実証実験として導入。ほかにも無人AI決済店舗や透過性のあるサイネージによる情報提供などに取り組んでいます。
顔認証については、顧客のジョブをさらに特定し、「顔認証されることで人は何がうれしいのか」をセキュリティ以外の分野も考えていかなければ、データを集めることは難しいでしょう。

参考:高輪ゲートウェイ駅前イベントで顔認証改札技術などを体験!https://wisdom.nec.com/ja/feature/smartcity/2020042801/index.html

医療法人社団 KNI(北原病院グループ)のデジタルトランスフォーメーション事例

NECとの共創により、自動運転化された病院=デジタルホスピタルの構築に着手。その一環として、「個々のリハビリ治療と、その効果との因果関係が明確になっていない」という課題に注目し、AI技術を活用したリハビリテーションの実証実験を開始しています。
AIによる集中的、徹底的なリハビリを提供することで、短期間での退院を実現しています。
患者の病状や生活環境から予後予測に基づくリハビリ計画を具体的に作成し、週単位でプログラムの見直しもおこなうといいます。さらに、ベテランスタッフの知識をAIに組み込むなどの実証実験も進んでいます。これまでスタッフの経験で属人化していた部分をAIに任せることで、人間はさらに有用なことに時間を注いでいくことが可能になります。

参考:「リハビリ難民」を救え/八王子発、医療を軸とした社会改革の道 https://wisdom.nec.com/ja/article/2020030501/index.html

宇都宮市のデジタルトランスフォーメーション事例

宇都宮市は少子高齢化、人口減少が進む中、持続可能なまちづくりを目指し、ICTを活用したスマートシティモデル事業を推進しています。そのテーマとして、スマート・モビリティサービス、スマート・エネルギーマネジメント、そしてスマート・ホスピタリティなどを掲げています。そこに住む人びとやまちの中の情報もすべてデジタル化していくスマートシティ構想ですが、とくに行政はもっとも非効率的でアナログなセクターなのでDX化を推進していくべきです。

参考:スマートなおもてなしで、まちを元気に。宇都宮市が描く未来の扉https://wisdom.nec.com/ja/feature/smartcity/2020032701/index.html

 

宮井 弘之
Written by
宮井 弘之(Miyai Hiroyuki)
SEEDATA 代表