2019.11.20 | DNVB

【DNVB事例⑭】 DNVBホールディングカンパニー「Resident」

当ブログではこれまでも様々なDNVB(Digitally Native Vertical Brand)の事例をご紹介してきましたが、今回は米国の複数のDNVBを束ねる「Resident(レジデント)」という企業の事例をご紹介します。

Residentはおもに、マットレス、家具、カーペットといった屋内のインテリアブランドを複数保有する企業です。米国は日本に比べ、すでに多くのDNVBが台頭し、人々の生活に浸透していますが、今回ご紹介するResidentは既に存在するDNVBのディスラプターになり得るポテンシャルを持った企業なのです。その理由についてご紹介します。

Residentは「no place like home」(わが家が一番、わが家に勝るものは他にない)という哲学のもと、「帰りたくなるような家にしよう」というコンセプトでプロダクトを提供しています。
そしてResidentの特徴は、自社サイトに以下のように、Casper、Purpleという競合との比較表を掲載していることです。いままで、DNVBの商品のオフィシャルサイトにこのような比較表を載せているブランドはあまりありませんでした。IT企業のWEBサイトには、他社との比較表がよく登場しますが、インテリアブランドで他社との比較表を載せているブランドはほとんどありません。IT企業の売り込みノウハウを取り入れた、Residentならではの戦略といえるでしょう。
海外のマットレスのDNVBでもっとも有名なブランドがCasperとPurpleであり、どちらも高品質で、オンライン販売とポップアップショップを持っています。CasperとPurpleは、100日間返品無料という戦略によってオンラインでマットレスを買うことのハードルを下げ、10万円近いマットレスをオンライン上で売ることに成功しました。

この競合2社に対抗すべく、ResidentはNectarというブランドを立ち上げ、Casper、Purpleより3万円以上安い価格で、しかも365日、1年間返品無料という施策を打ち出しているのです。
これまでのDNVBといえば、高品質な商品を良心的な価格で提供し、そこに哲学が紐づいていることが絶対条件でしたが、Residentはさらに既存のDNVBより低価格で商品を提供することを実現しています。
この高品質・低価格を実現した秘密が、前述した「複数のブランドを持つ」という点にあります。
これまでのDNVBは「1企業1ブランド」で特定の商材カテゴリに特化するという特徴がありましたが、ResidentはNectar以外にも、AWARA、DREAM CLOUD、level sleepといったように複数のマットレスブランドを保有しています。
コンセプトや機能性、価格帯で異なるブランドを持ちながら、製造工場や流通、プロモーションは複数ブランドを同時並行で行うことで、価格を抑えることに成功し、既存のマットレスのDNVBをディスラプトしようとしているのです。
このように、DNVBが進んだ未来では、ブランド同士が提携したり、補い合うような事例が増えていくと、われわれは予想しています。
ぜひ、既存ブランドや新規ブランドを立ち上げる際には、高品質かつ低価格かつ低原価率を実現するために、DNVBの考え方やノウハウを積極的に取り入れていきましょう。
SEEDATAでは、日本でDNVBを立ち上げる際のプロセスを体系化しているので、興味のある方はぜひご連絡ください。

佐野拓海
Written by
佐野拓海(Sano Takumi)
アナリスト