2019.07.13 | DNVB

これからの新規事業のキーワードはDNVB(Digitally Native Vertical Brand)だ

近年、D2C(Direct-to-Consumer)という言葉を耳にする機会は多いのではないでしょうか。欧米では日本より以前から、D2C(またはDTC)と呼ばれるビジネスの形態が勃興してきています。

D2Cを簡単に説明すると、米国にはアパレル、シャンプー、食品、飲料など日用品、耐久財、サービスなどを扱うスタートアップが数多く存在しますが、ECプラットフォームではなく、アプリやwebサービスを立ち上げて消費者とつながり、独自の商流を持ち、消費者に直接売っていくという方法をとっています。これがD2Cです。

米国ではD2C専門に資金提供をするVCもあり、D2C市場の拡大を後押ししているという背景もあります。

また、日本では「サブスクリプションサービス」という言い方で表現され、月々や年定額で配送するD2C型のビジネスを展開している企業が増加してきました。そういった意味で、D2Cは「洗練された直販」という形として、日本でもかなり普及してきているといえるでしょう。

そして、D2Cは数前から米国を中心に新たなステージに突入し、さらなる進化を遂げています。それがDNVB(Digitally Native Vertical Brand、広義のD2C/DTCを含む)というスタイルです。

国内でも以前からDNVBに注目しているブロガーや業界関係者もいましたが、いよいよ日本の商習慣や日本の消費者の特性に合わせてDNVBを作っていく環境が整ってきたと感じています。

これを踏まえ、今後SEEDATAでは、トライブの観点から徹底的にDNVBの情報発信をおこなっていくとともに、「日本国内の大企業が新規事業、サービス開発、もしくはブランド投資として取り組む最重要項目はDNVBである」という提言をさせていただきます。

今回は簡単に、DNVBのようなブランド投資が必要とされる背景についてお伝えします。

SEEDATAではDNVBの求められている背景を、あくまで生活者の変化から解き明かしています。この3つの変化は、未来洞察に慣れている人にとってはどれも当然の話ですが、初めて耳にする方もいるかもしれませんので、念のため解説いたします。

①生産消費者

プロダクション(生産)とコンサンプション(消費)が合わさったプロサンプションという言葉は、未来学者のアルビン・トフラーが著書「第三の波」(中央公論社・1982年)の中で提唱し、今後、生産と消費を同時におこなう生産消費者が増えていくと洞察しています。36年以上前に書かれた本の中で言及されたことが、現代でまさにその通りになっているといえるでしょう。

たとえば、SEEDATAのトライブである「カルチャーシーカー」「クラフトドリンカー」などからも分かるように、消費者の中には生産過程や販売過程に関わりたいという価値観が生まれています。

消費者はもはや「欲しいものを購入して手に入れる」という消費形態には飽きてしまい、欲しいものがあれば自ら生産、流通、広報にも関わりながら消費をしていくという存在に進化を遂げているのです。

②フリーエージェント・ネーション

ダニエル・ピンクが出版した「フリーエージェント社会の到来」(ダイアモンド社・2002年)には、「今後はひとりひとりがプロフェッショナルとしてフリーランス化してつながりながら、プロジェクトごとに参加する社会になる」という未来洞察がありました。

2019年現在この流れは加速し、個々が気軽にスピードアップして動けるようになってきたといえるでしょう。

③シンギュラリティ

レイ・カーツワイルは2005年に「シンギュラリティ=技術的特異点」について人間の知性を人工知能が越える日がくる」と言及。ディープラーニングに代表されるような機械学習の能力が高まり、すでに、ある部分的、専門的な分野やデータを持っている分野に関しては、人間より優れた力を発揮することができるようになっています。

以上の3つ変化が合わさった結果、行動力のあるスタートアップが、生産消費者とオンラインでつながりながら、独立したプロフェッショナルとプロジェクトを組み、人工知能を簡単に活用し、新たなサービスを作ることが可能になりました。そこで消費者とつながりながら、数千から数万人の熱狂的コミュニティを作り、生産消費者を巻き込んでブランドを作っていくことができるようになったのです。

さらに、生産、技術、配送もコストが安くなり、企画から販売までを自分たちの手で完結させられるようになったことも大きなポイントです。これにより、これまではUNIQLOやアップルに代表されるような大企業しかできなかったことが、スタートアップでも可能になったのです。

これらの大きな未来の変化を掛け算されて生まれてきたプレイヤーが、DNVB(Digitally Native Vertical Brand)です。

DNVBを簡単に表現すると、オンラインでのコミュニティと購買決済をベースにすることからスタートした、SPA(企画から販売までを一貫しておこなえる)スタイルのスタートアップということができます。米国ではDNVBが、VCの助けを借りながら大手企業のブランドを浸食している現実があり、いよいよ大手企業も動き出しています。

日本でもミレニアル世代を中心に、D2Cに関わる流れは盛んになり、大手企業は日本流のDNVBに取り組まなければいけない時期にきているとSEEDATAは考えています。

そのために必要な情報をリサーチし、今後配信していく予定です。

今回は、DNVBはどういった時代背景から生まれているのかという点について解説しましたが、次回以降はDNVBの持つ特徴、具体的なブランドの紹介、実際にDNVBを推進する人びとのインタビューなどをご紹介いたしますので、ご期待ください。

DNVBについてさらに詳しく知りたい方はSEEDATAまでお問合せください。

info@seedata.jpに、御社名、ご担当部署、担当者名を記載の上、件名に「DNVB開発について」と記入のうえご連絡ください。コンタクトフォームはこちら。折り返し弊社担当がご連絡差し上げます。

宮井 弘之
Written by
宮井 弘之(Miyai Hiroyuki)
SEEDATA 代表