2019.07.19 | DNVB

ECとD2CとDNVBの違いとは?

前回はDNVB(Digitally Native Vertical Brand)の簡単な紹介と、DNVBが求められている時代背景について解説しました。

最近私がDNVBについてクライアントなどに話すと、反射的に「それって昔からある通販のことですよね?」「D2C(DTC)と何が違うのですか?」といった返答が来ます。

そこで、今回はECとD2CとDNVBの特徴的な違いを簡単に解説します。

ECとは

EC(electronic commerce)とは厳密には販路の話です。たとえば、マス広告をうち、自分たちのECサイトにアクセスし買ってもらったり、コールセンターに着電して欲しい商品を聞いて発送したりすることをECと呼びます。

ECが本来示していたのは、リアルな店舗を持たない、お店に置かない、卸しを通さないで直接売るなどの流通の手段のことです。

D2Cとは

ECに加えて、SEO対策をしてアクセスを誘導したり、SNSを使って広報・販促をしたりして、それをきっかけに消費者が購入したり、場合によってはショールームのようなものがあり、それをきっかけにオンラインで購入するようになるパターンをD2Cと呼びます。

単なる販売としてのチャネルだけでなく、原則ほかのメディアを介さず、自分たちのストーリーやブランドのベネフィットなどの情報をできるだけ直接伝えていこう(情報のチャネル)ということ、EC的なチャネル(モノを直販するチャネル)をミックスしたのがD2Cです。

典型的なD2Cのパータンはたとえば、アプリがあり、インフルエンサーがいて、インフルエンサーの情報に消費者が直接触れ、アプリやECサイトで直接購入するという形です。

情報は直接消費者に届けられるような形で、なおかつECの形がとれるのがD2Cの特徴です。

ECとD2Cは、マーケティングの世界では「どんな投資をすれば何人くらいの購入があり、何円売り上げる」というように、効率を上げ利益を追い求める、パフォーマンス・マーケティングの考え方が中心です。

ECとD2Cにももちろんブランディングもありますが、やはり良い悪いといいうことではなく、パフォーマンス・マーケティングが支配的です。

DNVBとは

ECとD2Cに比べて、DNVBはかなり異なる考え方をもっているとSEEDATAでは考えています。そこでEC、D2CとDNVBを分けて整理をしていきましょう。

歴史を振り返ると、まずECが流通のチャネルとして登場し、そこにD2Cが登場して情報のチャネルが加わりました。そこに、もうひとつ、サービスのチャネルとバリューチェーンの垂直統合が加わったことがDNVBの重要な特徴であり、DNVBは商品を売るだけでなく、それ以外に無料や有料でサービスがついてくるのです。

たとえば米国発の「Peloton」(ペロトン)は、エアロバイクのD2Cを展開していますが、そこにエクササイズのためのオンライン動画サービスがついていたり、同じクラスを受講している人同士とつながることができるコミュニティサービスなどがついています。それだけではなく配送のバンまで自前で構築し、バリューチェーンを統合しています。

つまり、今までEC、D2Cは一方的に商品や情報を届けるチャネルだったのに対し、サービスを届けるということと、インタラクティブに届けることができるようなチャネルを複数持っていることがDNVBの大きな特徴といえるでしょう。

もうひとつ、専門的になりますが、DNVBはすべての顧客体験から一次情報をとることができるという特徴があります。

たとえばPOSデータを製造業が手に入れようとすると他社の持つデータを購入してもらわなくてはなりません。こういった他社の保有する情報は一次情報ではなくサードパーティ・データと呼ばれます。これを自社でとることが可能になれば、一次データなのでファーストパーティ・データになります。

DNVBはその略称にverticalを含んでいます。これは、自社のバリューチェーンやカスタマージャーニーから一次情報をすべてとることに注力しているという特徴を表現しています。

当然、あらゆるタッチポイントから情報をとることは労力がかかり、スケールしにくくなるため、前述のパフォーマンスマーケティングの世界では、データをとるよりとにかく売上・利益を上げようという考え方をしますが、DNVBは必ずしもすぐにパフォーマンスを上げようとはしていません。

熱狂的なオンラインのファンとのすべてのタッチポイントから一次情報をとれるという一見面倒なことを目指します。なぜならDNVB投資はビジネス投資ではなくブランド投資だからです。

しつこいようですが、

D2C→利益の効率性を求める=ビジネス投資

DNVB→利益の効率性は求めない=ブランド投資

という風にSEEDATAでは峻別して考えます。

DNVBは必ずしもその段階での最大効率性を求めていないため、ビジネス投資ではなくブランド投資なのです。

このように、D2CとDNVBは根本的な考えかたに大きな違いがあります。

細かく整理すればさらに違いはありますが、詳しく知りたい方はSEEDATAまでお問合せください。

info@seedata.jpに、御社名、ご担当部署、担当者名を記載の上、件名に「DNVB開発について」と記入のうえご連絡ください。コンタクトフォームはこちら。折り返し弊社担当がご連絡差し上げます。

次回はDNVBの求めるゴールについてです。

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宮井 弘之
Written by
宮井 弘之(Miyai Hiroyuki)
SEEDATA 代表