2019.12.10 | DNVB

「D2Cは下火」「D2Cは儲からない」の真実

米国でのD2C、DNVBの躍進やメディアの盛り上がりを受け、この何年かは日本国内でもD2Cバブルといってもよいほど、新たなD2Cブランドが勃興しています。

もともとはアパレルから始まったD2C、DNVBですが、現在では食品、飲料(アルコール)、健康食品、化粧品、スキンケアなど、ありとあらゆる日用雑貨に広がってます。

一方、最近「D2Cがもてはやされているが、売上高規模は3~30億程度でたいしたことはない」と指摘する人もいます。このような記事を見かけたり話を聞いたりした際に、注意すべきことは、以下の2点です。

 

①この記事を書いているのは誰か

例えば、アパレル関係の人が書いているのであればアパレルのD2C、コスメ関係の人が書いているのであればコスメのD2Cのことを指しているのであり、D2C全体のことではないこともあります。注意してください。

 

②売り上げが高い低いというのは誰にとっての話か

たとえば、ある程度知名度もあり、女性用下着で月間1000万ほど売り上げているD2Cがあったとしても、大手下着メーカーと比べれば当然少ない額といわれてしまいます。しかし個人のスモールビジネスとしては、十分なレベルといえるでしょう。

問題はそこからスケールのために大きな投資を受け入れようと考えているのか、スモールビジネスのままでいこうとしているのかで、スタンスもまったく異なるということです。

つまり、スケールを目指しているがうまくいかなくてスモールビジネスをしているのか、スタートアップを目指していないスモールビジネスなのかで、1000万円の持つ意味はまったく変わるということです。

また、このような記事の中で「D2Cでは年間30億が限界」という人もいますが、実際にはシャンプーの分野で月5~6億を売り上げているブランドも存在します。

 

もちろん「D2Cは絶対儲かる」と煽るのは間違っていますが、「D2Cは下火である」という話や「D2Cは規模が小さい」という話も、どの業界の、誰にとって、そしてどこを目指しているかで変わってくるため、こういった批判や煽りを真に受けて右往左往したり、「やっぱりD2Cはダメだ」と考える必要はありません。

 

それよりも読者の方が理解すべきは、D2Cのような流れはもはや止められないということです。

SEEDATAはアメリカのD2C、DNVBを数多く調査していますが、消費者は規模の大小は関係なく、「哲学と商品とサービスを直接企業から受け取りたい」と考えています。

どんな規模かはさておき、D2CやDNVB的な形態が標準になるという流れには抗うことはできないのです。

たとえば、中国のKOL(Key Opinion Leader)のリサーチによると、すでに「モノは店を通じてではなく人を通じて買う」といわれています。つまり「何を買うかではなく、誰から買うか(from who)」が重要で、これが流通の一形態となっています。

一度始まった流れは止めることはできないため、その流れにどう対応するかを考えなければいけません。

P&G、wacoal、Wal-Martなどの大企業が軒並みD2Cに取り組んでいるのは、時代の潮流に合わせた消費を届けていく必要があるからなのです。

 

宮井 弘之
Written by
宮井 弘之(Miyai Hiroyuki)
SEEDATA 代表