2019.08.15 | DNVB

【DNVBの事例④】事業承継をお考えになられている小規模企業とSEEDATAの提携について

最近、SEEDATAには事業承継に関する相談が多く寄せられています。

今回は実際に寄せられた相談をもとに、お悩みのパターンと、お悩みに共通する問題点、そして事業承継し再生をはかるためのポイントを解説します。

スモールビジネスのDNVB化事例

【ある食品の定期配送サービスのケース】

この企業にはコアとなる数百人の顧客がいて、売り上げも1億程度あり、しっかりとした哲学もあります。しかし、その哲学に基づいて丁寧に事業を進めた結果、10年ほど赤字が続き、社長はM&Aで事業承継をしたいと考えています。(特定を防ぐために一部情報を変えています)

近年、ショップや、スモールな食品ビジネスなどをしている方で事業承継をしたいという人が増えているというトレンドがあります。

事業承継と聞くと、定年を考える社長が跡継ぎを探すためのもの思いがちですが、実は若い人の間でも増えているのです。

また、もともと2Bビジネスをしていて2Cをおこなったがうまくいかず、やはり2Bに戻りたいから承継したいという方も存在します。

このとき、単純に「そのビジネスを畳んでしまえばいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、こういった場合に多いのは、会社なり商品、サービスを愛している数百~数千人規模のコアとなるファンがついているパターンです。

そのため、言い方は悪いですが、やめるにやめられないというのが事業承継をしたい人の悩みなのです。

このように、スモールビジネスでギリギリ赤字orトントンくらいで先は見えないが、コアとなるファンがいるため、それが清算の足枷となり、なんとか引き継いで再生してくれる人がいないかという相談を受けた際には、DNVB(Digitally Native Vertical Brand)やSEEDATAのサービスデザインについて紹介しています。条件があえばSEEDATAからの出資や、事業の買い取りをすることが検討可能になりますが、SEEDATAが提携を検討する際の条件として重要なポイントは以下の3点です。

①社長は引き続き哲学の部分を中心に事業に関わる

今のサービスをDNVB化することにより、コアファンを起点に価値を高めていきます。つまり、やめる足枷となっていたコアファンをリソースとして見立て、そこからDNVBを作っていくのです。

そのために重要なのは社長や創業者のフィロソフィー=哲学であり、事業承継後は活動の中心ではなくても、哲学の部分だけでも発信して関わっていく必要があります。

②自社のビジネスモデルをDNVBの形に変えていく柔軟性

DNVB化するにあたり、あらためて理解しておく必要があるのは「定期配送とサブスクリプションサービスはまったくの別物である」ということです。

サブスクリプションサービス……(基本的に)キュレーションで商品が届く

定期配送……顧客が自分で選んだ商品が定期的に届く

つまり、顧客に選択権を委ねているのが定期配送で、基本的に企業側のキュレーションで商品を届けているのがサブスクリプションサービスなのです。

サブスクリプションサービスは、企業のフィロソフィーに基づき、相手の一次データを使いマッチングしたものを、キュレーションによってお届けするエンターテインメントです。

定期配送やただの通販を、自分たちの持つ哲学にレバレッジをかけ、キュレーション型で提供する形=DNVBにトランスフォームしていく意識が必要です。

通販でなく店舗がある場合も、たとえ赤字でもコアファンがついているのであれば、SEEDATAと組んで店舗+DNVBという形で復活することが可能です。

店舗であれば1店舗から、通販なら年間1000万~2000万の売り上げ程度の小規模ビジネスのほうがDNVB化しやすいという特徴があります。

逆に3億、4億売と売り上げがある場合、守るものが多すぎるとDNVB化しにくくなります。

③顧客情報を把握する

これらの記事を読んだ企業の方で、自分の力でDNVB化してみようと思った方もいるかもしれませんがそれは困難です。スモールビジネスで赤字になって困っている企業の方に話を聞くと、原因はみなさん同じで、「顧客情報をまったく把握していない」のです。

たとえば、基本的な質問として、顧客が600人いたとすると

・毎月の新規顧客数

・顧客のリピート数

・リピーターの継続期間(平均〇カ月)

・リピーターの継続期間の最短と最長

・客単価

・人気の商品、人気のない商品

は最低限把握している必要があります。

それに加え、実際に自分がお客さんにインタビューしたことがあるのか、そこでどんな声があったのか、ないのであればインタビューしてみて初めて、「顧客を把握している」といえます。

うまくいっていない企業の方は、顧客のことを知らな過ぎる状態で「困ってる」と言っている場合がほとんどで、顧客を知らずしてDNVB化はできません。

フィロソフィーに合致するコアなファンをみつけて、その人たちに対してキュレーション型のサブスクリプションサービスを提供して、だんだん大きくしていくのがDNVBですが、それができるための前提条件が整っていない会社が多すぎるのが現状です。

仮に、上記の質問に答えられないのであれば、事業がうまくいっていないのはある意味当然です。

SEEDATAが現在支援しているSD/Cの事業も、まず最初に上記の顧客情報を確認しました。その内容に基づき打ち手を改善し、3カ月で客単価は4200円から5200円にアップし、新規顧客の割合は60%ほどアップして黒字化することができました。

以上をまとめると、単なる定期配送とサブスクリプションサービスは違うということを理解することと、当たり前の顧客情報をしっかり抑えることが重要で、それはPLやBSを見ているだけでは分かりません。

自社のビジネスをDNVB化したいというご担当者の方は、お気軽にinfo@seedata.jpあてに、御社名、ご担当部署、担当者名を記載の上、件名に「DNVB開発について」と記入のうえご連絡ください。コンタクトフォームはこちら。折り返し弊社担当がご連絡差し上げます。



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宮井 弘之
Written by
宮井 弘之(Miyai Hiroyuki)
SEEDATA代表