2019.08.29 | DNVB

【DNVBの事例⑤】DNVB化できるスモールビジネスの基準とは?

前回の記事(DNVBの事例④事業承継をお考えになられている小規模企業とSEEDATAの提携について)で、「スモールビジネスこそDNVBの種」ということをお伝えしました。「では、すべてのスモールビジネスがDNVB化できるのか?」というと、残念ながらそうではありません。

「DNVBというのは熱狂的なファンがついているブランドである」と、これまで解説してきましたが、今回は分かりやすいように音楽にたとえて考えてみましょう。

DNVB化できるスモールビジネスとは?

まだブレイクをしていないアーティストでも、少なからず熱狂的なファンがついているアーティストはたくさん存在します。例えばインディーズバンドです。では、そのようなインディーズバンドに1億円、10億円の投資をしたときに、そのバンドがマスで受け入れられ、ブレイクをするのかどうか、爆発的なヒットをするのかどうかがポイントです。

もし熱狂的ファンが10人~100人程度しかいないバンドに1億円、10億円の投資をしたとしても、マスに受け入れられるかどうかはイチかバチか、可能性は極めて低いといえるでしょう。ファンの人数が100人程度ということはユニークすぎる、一部の偏った価値観のファンがついている、ともいえるからです。これと同じことがスモールビジネスにもいえます。

ではスモールビジネスが、より多くの人に愛される、マスに受け入れられるポテンシャルがあるかどうかは、どのように測るべきなのでしょうか?

それはズバリ、ブランドのファンの数です。ファンの数が多いということは「1万人のファンがいるブランドです」というマーケティング上の強みにもなりますし、確かな品質であるという裏付け、お墨付きにもつながります。

そのため、DNVB化するには一定数以上のファンを事前に獲得しておく必要があります。もちろんプロダクトの分野により異なりますが、SEEDATAでは目安として1~2万人のファンがついているブランドかどうかをKPIとして設定しています。

この際のファンの定義は、単純に「好き」と表明しているだけの人ではなく、ブランドに対して何かしらのアクションをとっていることがあげられます。われわれは彼らのことを通常のファンと区別して「ビッグファン」と呼んでいます。

ビッグファンはバンドにたとえるならライブに行ったり、バンドのTシャツを買って着たり、バンドに関連する消費行動をしている人といえば分かりやすいのではないでしょうか。

ファンを定義する行動は商品によってさまざまで、海外の極端な例では「ブランドのロゴのタトゥーを体に入れる」という行動でビッグファンかどうかを測っているようなブランドも存在しますが、基本的には商品を購入する、ライブに行くなど商品やブランドに対して「お金を支払う」といったアクションがあることがポイントです。

音楽以外の分野でも、ベンチャー企業で自社のブランドロゴが入ったTシャツを作っているところは多くありますが、そのTシャツを着てくれるる人たちは、彼らのファンであるといえるでしょう。

このように、ファンの測り方はさまざまです。じわじわとファンの数を伸ばしていくことで、人材とお金を投資するだけの価値があるのか、スケールするだけのポテンシャルがあるのかどうか、といった判断基準になるのです。

何よりも熱狂的なファンが1万人いるということは、その製品やサービスが確かな品質であるというお墨付きにもなる、ということは先ほども説明しました。

なぜなら、これが音楽アーティストと、商品やサービスの違いになるのですが、基本的にはリスナーに迎合することなく自分を表現する音楽アーティストと違って、商品やサービスはユーザーの意向に合わせて、改善することができます。DNVBは必ずテスト期間を設けています。初期ファン1~2万人と一緒に商品やサービスを共創・改善しているのです。

その結果、商品の機能やデザイン、魅せ方も含めて、相当研ぎ澄まされていきます。

実際海外で売れているDNVBの商品はどれもクオリティが素晴らしく、洗練されています。これはファンの意見を謙虚に取り入れていくことで、どんどん改善を繰り返しているからです。

うまくいかないスモールビジネスにありがちなのは、職人気質で自分が作りたいものだけを作り、ファンの意見をまったく取り入れないパターンです。

大前提として自分自身の哲学を持つことは必要ですが、やはり商品や音楽アーティストも含め売れているものは、世の中の流れをよく捉えて、今の世の中にどんな商品や音楽が求めているのかを、十分に考えながら作られています。

また、初期にビッグファンを作っても、その後にいきなり大きく広げようとすると、これまでのビッグファンは離れていってしまうのではないか、という疑問をもたれる方もいるかと思います。これはバンドにおいてはよくみられる現象といえるでしょう。

DNVBを支援している米国のクリエイティブエージェンシーは、DNVBがファンを作る過程を「親友を作る過程」と呼んでいます。親友のように十分に信頼関係を構築した上で、拡大を図っていかなければいけません。

音楽の場合、ロックから歌謡曲になったり、打ち込みになったりとアーティストの意向によって機能は大きく変わっていくものですが、プロダクトの場合はむしろ機能はどんどん良くなっていくため、音楽ほど突然ファンが離れるという現象は起きません。

とはいえ、やはりファンが親友レベルにまでなっているかどうかを見極めるタイミングは経営センスが必要です。

実際にこのタイミングでスケールするべきだという経営判断は、商材や分野によりけりなので、SEEDATAにご相談いただければと思います。

重要なことは、DNVBは「全員に愛されるもの」である必要はないということです。尖っているということは、それだけ新規性があるということです。

まずはその新規性を愛してくれる、1万人の熱狂的なファンがいれば十分で、そこから改善していけば十分なのです。リリース当時は新規性があったものも、ファンを増やしていくにれ、ファンを起点に生活者の価値観も変化し、最初は受け入れなかった人たちも徐々に受け入れていくはずです。

自社のビジネスをDNVB化したいというご担当者の方は、お気軽にinfo@seedata.jpあてに、御社名、ご担当部署、担当者名を記載の上、件名に「DNVB開発について」と記入のうえご連絡ください。コンタクトフォームはこちら。折り返し弊社担当がご連絡差し上げます。

佐野拓海
Written by
佐野拓海(Sano Takumi)
アナリスト