【トライブレポート紹介③】フィンテック系新規事業は支出管理に注目(フィンテッカー)

はじめに~トライブレポートとは

SEEDATAは今後増えていくであろう考え方や行動を示している先進的な消費者グループ=「トライブ」を独自のリサーチによって発見、定義し、調査した結果をレポートにまとめています。

トライブ・リサーチから得られた知見を通じて、推進される企業のイノベーション活動を「トライブ・ドリブン・イノベーション」または「トライブ・マーケティング」と総称し、コンサルティング、支援を行っています。

トライブレポートの詳細と読み方については、こちらの記事をご一読いただければ幸いです。

トライブレポートの読み方

フィンテックの事例と次のクロスセルのハブとなる家計簿アプリ

フィンテック(FinTech)とは金融(Finance)技術(Technology)を組み合わせた造語です。数年来の注目市場として話題になってきました。具体的にはセキュリティや決済、投資支援などの様々なツールが例として挙げらます。

このフィンテックを使いこなすトライブが「フィンテッカー」で、たとえば、決済代行サービスを使ってスマホであらゆる料金を払い、一方で投資ツールを用いて利益を得る。その収支を管理するのはもちろん家計簿アプリといった風に、彼らの消費行動は高度に電子化されています。

程度の差はあるにせよ、今後も一般の人々の中でもフィンテック系の新規事業や新商品・新サービスは求められていくはずですし、さまざまなシーンにフィンテックを取り入れた生活が今後さらに浸透していくことでしょう。


まず、このフィンテッカーの成り立ちとしては、このトライブレポートを作成した2015年当時、フィンテックが話題になっていましたが、我々は表層的な技術のトレンドだけではなく、実際にフィンテックを使っている人はどのように使いこなしているか、どういった点を評価しているのかという観点から世の中の変化を探るために調査をしました。

フィンテックを先進的に使いこなしている人ということで、いつものトライブ名称の方法でerをつけてフィンテッカーにしたのですが、2018年現在振り返ってみるとこの名前の付け方はあまり適していたとは思えません。

理由としては、このトライブレポートのフィンテッカーは、家計簿アプリを先進的に利用している人をリサーチして作っているため、フィンテックと一括りにせず、家計簿アプリの方でネーミングするべきでした。

フィンテックには税理士向けのサービスや、個人の決済サービスなどさまざまなものが含まれており、「フィンテッカー」というトライブをみて興味を持ってくださった方は、このレポートが広くフィンテック全般を扱っているわけではないということをご理解のうえ、別のフィンテックサービスについて知りたい場合はぜひ、SEEDATAにご相談ください。

(※電子マネーを多用しているトライブについては「フェリカー」をのちに紹介いたします)


まだまだ調査したい項目はあり、以下が広域でのフィンテックユーザーのアジェンダになります。


これらを調査したい企業のご担当者さまは、ぜひお気軽にお問合せください。


そもそも、フィンテックには、B2C領域とB2B領域、その両方が関係しているものが存在します。

完全にB2B領域なのは、税務、会計、送金、データ分析、そのほかにも金融の専門家の支援で表舞台には出てこないものも多くあります。一方で、決済やセキュリティ技術などは、B2BにもB2Cも関係してくることになります。


SEEDATAがいつも注目しているのはどちらかといえばB2Cの領域です。フィンテックに関しては適応範囲がかなり広く、たとえば消費者金融のようなプラットフォームがあり、個人同士でお金の貸し借りができる消費者間金融のサービスや、資産管理の方法といった金融リテラシーの学習もあります。

最近話題になってきているのは資産管理で、自分の資産ポートフォリオをAIが管理してくれるものや、投資や株式のサービスなども数多くあります。

ただ、当時私たちは、もう少し日常で使われているものを見たかったので、家計簿アプリに注目しました。


上記の図にあるとおり、PFM(パーソナル・ファイナンシャル・マネジメント)という分野の、さらに支出管理という観点からスポットをあてて調査を行いました。

フィンテックの中には株式や金融リテラシーに影響する部分もありますが、トライブリサーチでは、網羅的にやるのではなく、ひとつを深く掘っていくということを重視しています。

また、トライブリサーチに限らず、定性調査の分析の際には、自分の今と過去、自分と他人など、共通点がありながらも異なる人たち同士を比較しなければ特徴は掴めません。

そこで、トライブリサーチを行う際はまずセグメントを必ず作ります。

ここは前回解説しなかった点なので、あらためて解説しますが、我々がトライブリサーチの際に行っているセグメントというのは、マーケティング一般でいうセグメントとは異なります。

一般的に、ある市場を同じ反応をする集団に分けるために、性別、年齢、利用回数、住んでいる場所、ライフスタイル、文化など、分ける軸を決めることをセグメントといいます。さらに、セグメント軸を利用して、どのユーザーに対して価値提供をしようかと決めるところが、マーケティングでいうところのターゲット設定です。

トライブは(マーケティングで言うところの)ターゲットとは違うというのは、トライブレポートの読み方で説明したとおり、まさにそういう対象ではないからです。


一方、SEEDATAのトライブレポートのセグメントは定義が異なり、とくに違うのは「同じ反応をする集団」という点です。トライブにおけるセグメントというのは、「同じ価値観を持っているが、それを違うアプローチで行っている人」です。

つまり、パーソナル・ファイナンシャル・マネジメントについて、何かしら先進的な意識をもっているが、アプローチ方法は、家計簿アプリ、Excel、人に聞く、まったく使わないなど、異なるアプローチをしている人たちをいくつかのセグメントに分け、その人たちを比較することにより、でてきた共通点がトライブのプロファイルになります。価値観は共通です。プロファイルはアプローチの違う人を色々と見なければあぶり出せないものなので、このセグメントがトライブリサーチでは重要になってきます。


今回のフィンテッカーでは、

・昔から家計簿アプリを使っている人

・最近使い始めた人

・使ってない人、Excelの人

・人に聞いてアプリは使っていない人

以上の4つにセグメントしました。


このトライブレポートの作成後、現在既に波が来ている生活者行動としては、少額投資行動の増大が挙げられます。

背景として、家計簿アプリなどを使い始めることで、どんぶり勘定から脱却し、何事も小口で管理するという意識が生まれるということ、また、世の中の大きな動きとしてフリマアプリなどが増え、小銭稼ぎがしやすい仕組みが増えてきているということなどがあげられます。

小口管理という意識が人々の中に浸透した結果、投資も少額で行うという考え方が表れ、このアーリーウォーニングサインとして、最近ではレシートを1枚10円で買い取るサービスが話題になったり、おつりで投資をしたり、携帯のポイントが投資に回せたりと、少額で投資をしたいというニーズに応えたサービスがとても増えてきています。

これは今後もしばらく広がっていく流れなので、なるべく少額の投資をたくさんかき集められるようなサービスが今後は伸びていくでしょうし、これは新規事業を考える際のヒントにもなるでしょう。


また、このトライブの生活者変化行動仮説を今あらためて書くとすれば、これまでの一般消費者向けの金融業界では、まず、銀行口座ないし証券口座を開いてもらうことが一番の価値でした。何故なら、銀行口座を押さえれば、その人のお金の流れがわかるため、「口座に1000万円入ってきたからこの人に投資を勧めよう」というアプローチができたからです。

一方、これから起こるであろう行動は、家計簿アプリを使い始めた結果、「自分はどこにお金を使っているか」というお金の使い方に意識が向き、その後資産管理をしたくなるというものです。

つまり、最初は「無駄遣いしたくない」という程度の気持ちから家計簿アプリを使い始めたのが、だんだん毎月の支出の目標金額を決めたくなる、そうすると浮いたお金をどうやって運用するのか目標を決めて管理したくなってくるのです。

人はなにかを記録し始めると目標を立てるので、これがアプリで記録するということの効果です。ダイエット業界などではすでに見られている動きです。


今後の家計簿アプリは、そのデータを用いて、お金を管理できるようになった人に、投資商品などの新しいサービスを勧めるハブになっていくと考えられます。また、家計簿アプリを開いてもらうということが、金融サービスをリテールに売っていくことの一番起点になっていくのではないでしょうか。

消費者が家計簿アプリを起点に資産管理を始めることが一般化していけば、家計簿アプリ系の会社はそのデータや支出管理履歴をもとに、次の金融商品のクロスセルプラットフォームという形でビジネスを展開していくことが可能です。

こういった観点から、むしろ証券会社や銀行というのは実は家計簿アプリにもっとも力を入れるべきともいえます。今はまだ銀行口座のほうが重要視されていますが、仮に私が今からリテール部門を担当するとすれば、銀行口座の開設より、支出管理口座の開設をファーストプライオリティにおいてリテール営業をかけていきます。何故なら、誰しも支出を減らしたいとは思っていますが、口座を開きたいとは思っていないからです。

まだフィンテックからのクロスセルという大きな流れはきていませんが、こういったデザインができている会社は今後非常に伸びていくでしょう。


記事ではこれ以上はご紹介できませんが、ほかにもトライブレポートにはおもしろい機会領域が数多く掲載されており、フィンテック系のビジネスであれば、このトライブレポートひとつで新規事業や新サービスに展開できるはずなので、ぜひSEEDATAへお問い合わせください。

お問い合わせの際は、まずは気になるトライブレポート名と「〇〇ビジネスをやっています」ということをお伝えしていただければ、我々がトライブレポートをもとにビジネスアイデアをいくつかご提案し、コンサルティングいたします。

あとは皆さんの会社がすでに持っているリソースと掛け合わせて、新商品を・新サービスを生み出したり、新規事業の場合はビジネスモデルから変えるなど、それぞれの課題に対応いたします。

たとえば、新商品を作りたいという会社の場合、SEEDATAが提携している会社とこのトライブが世の中に何万人いるかを調査し、その人たちにテストマーケティングしてみて伸ばしていくことも可能です。また、サービス開発の場合もプロトタイプを作ることができますし、ビジネスモデル創造の場合は、ビジネスモデルに関する検証された知識を手に入れるPoB(Proof of Business)のプロセスに入ることも可能です。

SEEDATAへのお問合せはこちらから(コンタクトフォームに移動します)。


【この記事の監修者】

宮井弘之。SEEDATA代表。


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あとは皆さんの会社がすでに持っているリソースと掛け合わせて、新規事業の場合はビジネスモデルを変える、または新商品・新サービスを生み出すなど、それぞれの課題に対応いたします。

たとえば、新商品を作りたいという会社の場合、SEEDATAが提携している会社とこのトライブが世の中に何万人いるかを調査し、その人たちにテストマーケティングしてみて伸ばしていくことも可能です。また、サービス開発の場合もプロトタイプを作ることができますし、ビジネスモデルの場合でも、ビジネスモデルに関する検証された知識を手に入れるPoB(Proof of Business)のプロセスに入ることも可能です。


SEEDATAへのお問合せはこちらから(コンタクトフォームに移動します)。



【この記事の監修者】

宮井弘之。SEEDATA代表。


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