海外進出企業が抑えておくべき多様化するアジアの価値観

アジア市場における消費者調査、進出支援を行うSEEDATA ASIA

SEEDATA ASIAは、アジア市場における企業のイノベーション支援に特化したサービスです。

今まで我々SEEDATAが日本国内で培った約50にもおよぶトライブリサーチの知見を活用したサービスで、アジアの旬な生活者(=トライブ)の調査を行い、海外の市場向けの商品やサービスの開発を通じて、日本企業の新しい価値創造やイノベーションにつなげ、海外進出の支援をおこなっています。

本サービスは、SEEDATAがタイにあるSD/SAという会社を起用して提供致します。SD/SA(=Southeast Asia )は、SEEDATAからのナレッジの提供を受け、タイにて大型商業施設等の建築設計を手がける「ON GROUND」の岩本氏によって設立された会社です。岩本氏は、隈研吾建築都市設計事務所等を経て、2006年バンコクにOn Ground設立。タイを中心に東南アジアで建築設計やコンサルティング、PM業務等を行っています。

当連載では、我々が強みとする未来の行動や価値観を先取りした生活者に対する調査、トライブリサーチの手法がどのように海外市場でのビジネス推進に役立つかということを中心にお話をしていきます。

価値観の多様化が進むアジア諸国の生活者たち

かつて中国といえば世界の工場と呼ばれており、多くの企業が魅力的な生産拠点として捉えていましたが、この10年で状況は一変。現在の中国では、日本の数倍の規模で富裕層、中所得層が増加しており、市場としての魅力が高まっていることは言うまでもなく、海外進出を考える企業にとってまず抑えておきたい国のひとつといえるのではないでしょうか。同様の変化は、東南アジア諸国でも見られます。

今後、日本の市場が縮小していく部分を国外市場で補うという考え方ではなく、日本の何倍もの規模を持つアジア市場において事業の拡大のチャンスを探ることは、どんな企業にとっても重要な問題でしょう。

こうして急激な成長を遂げるアジア諸国は、そこに暮らす生活者たちの価値観やニーズも独自の変化をしています。

変化を示す分かりやすい例として、まず、中国におけるキャッシュレス化があげられます。数年前までは存在していなかったオンラインペイメントサービスが普及した結果、昨今の中国の都市部では、現金を使うことが激減しているのです。このサービスは、中国以外の東南アジア諸国にも広がりを見せており、現地での買い物行動に大きな変化をもたらしています。

またインドネシアでは、GOJEKというアジア版UBERのような配車サービスが人々の生活インフラになりつつあります。自動車ももちろん呼べるのですが、渋滞がひどい現地の交通状況を鑑みると、車の間や小道を通り抜けられるバイクでの移動が効果的なのです。

このようにアジア地域の特性を持った革新的なサービスは少しずつ誕生しています。こうして独自の変化が進む現地市場へと、今まで国内で成功してきた商品やサービスをそのまま投入しても通用しないことは明らかです。これからの海外進出ならびにアジア市場進出においては、現地の生活者に向き合う必要があるということです。

アジアマーケティングにおけるトライブリサーチの有効性

日本はすでに成熟市場で、人々が現状に満足して、目に見える課題やニーズがないからこそ、商品開発が難しいといわれています。だからこそ、SEEDATAではトライブのような先進的な人々を調査分析し、新規事業や新商品開発を行っているわけですが、実は急速に豊かになりつつあるアジアでも同様の状況が発生しています。ほとんどのアジアの国において、目に見える生活上の困りごとを解決してくれる商品が求められる発展初期段階にはないのです。

明確な不満を抱えずに暮らす生活者が増えることで、アジアにおいても企業はますます何をどう売ればいいのかを見出すことが難しくなっています。日本同様にアジア市場でも、今後はトライブを見つけて、彼らの持つ価値観や行動をヒントに新しい見立てを立て、商品開発をすることが有効になるでしょう。

フィリピンのトライブ「プライド・スキンズ」

例えば、フィリピンには、生まれ持った茶色の素肌の美しさを積極的に認めようとするプライド・スキンズというトライブが存在しています。熱帯気候を持つフィリピンでは茶色の肌を持つことは比較的当たり前のことであるにも関わらず、300年を超えたスペインの統治下にあった影響で、国内で茶色の肌を生まれ持った人たちは、自分自身の素肌の色に自信を持てなかったと言います。

そこで今まで求められていた化粧品といえば、肌の色を白くするホワイトニング効果を持つものでした。しかし、フィリピンの公用語であるタガログ語で「美しい茶色の肌」というハッシュタグをつけて、TwitterやinstagramなどのSNSで自身の素肌の色をさらけ出した写真を投稿するというムーブメントが発生しています。

これを白い肌だけではなく多様な色の素肌の美しさを認めようという価値観が広まる兆しと捉えることができます。すると、単なる美白効果ではなく、いかに茶色の素肌を美しく見せることができるかという商品機能に対する新しい視点を得ることができます。

日本国内に暮らしていると、生まれ持った肌の色の違いについて、ほとんど意識することがありません。ですが、プライド・スキンズのようなトライブの持つ地肌を美しく見せようとする行動や価値観を調査することで、既存商品のローカライズ方法、現地の生活者に向き合った商品の開発などが可能になります。

次回以降は、

・アジアの最新情報や旬な生活者の情報をどのように知るのかというインプット編

・最新トレンドを旬な生活者の情報をもとにどのように未来洞察するかという分析編

・1年後の未来や、生活者の価値観や行動の変化という仮説の経た後、実際に日系企業が海外進出ビジネスとして商品をどうローカライズするのか、どう商品開発できるのか、あるいはアジア独自で進んでいるサービスなどを参考にして、日本で新しいビジネスを考えるときに、どのように逆輸入できるのかというアウトプット編

をお届けします。

その後、アジアの国別に、トレンド、生活者の状態、トライブについて解説していきます。

【SEEDATA ASIAにてリサーチをすることができるアジアの国や都市一覧】

東アジア地域:中国(北京、上海、杭州、深圳などの主な都市部)、台湾、香港、韓国

東南アジア地域:タイ(バンコク・チェンマイ)、インドネシア(ジャカルタ)、ミャンマー、カンボジア、ベトナム、シンガポール、マレーシア、フィリピンなど

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SEEDATAでは、独自に定義した先進的な消費者群(=トライブ)のリサーチを通じて、企業のイノベーション支援を行っています。

また、当記事に関するご質問、企業様からのアジアの共同リーサチの相談はinfo@seedata.jpまで、件名に『アジアリサーチについて』、御社名、ご担当者名をご記名いただき、お気軽にお問合せください。

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林直也
Written by
林直也(Hayashi Naoya)
アナリスト