【商品開発のプロセス⑩】商品アイデアのコンセプトを検証するための定量調査の方法【前編】

これまでの連載では商品開発のアイデアの作り方についてお伝えしてきましたが、今回からは商品開発のコンセプトの検証方法について解説していきます。

コンセプト検証では、前回までの方法で考えたアイデアが実際に生活者に受容されるかどうかチェックしていくフェーズです。

これまでの商品開発のプロセスに関する記事はコチラ

今回はコンセプトの受容調査における定量調査の基本的な考え方についてご紹介します。

実際に商品開発に携わっている方やマーケティングをしている方であれば、調査会社と一緒に定量調査をしたことはあるかと思いますが、今回説明する受容性調査も、自社単体で行うものではなく、調査会社のパネルを活用して調査をおこなうシンプルなフレームワークです。

次回は定量調査で使用するコンセプトシートの詳細をお伝えし、その後、定性調査についてを解説していきます

コンセプト検証は定量調査と定性調査に分けて実施

コンセプト検証は、定量調査と定性調査を2段階に分けて実施する方法がSEEDATAの定石です。

まずは定量調査ですが、SEEDATAではサンプルサイズ数100〜数1000規模の生活者に対して、このアイデアが受容されるかどうかを検証します。

定量調査を終えた段階では、何%が受容されたかは分かりますが、このアイデアをよりよくするために、何をブラッシュアップすればよいのかといった細かいディティールは判断し難いものです。そこで、アイデアをよりよいものにブラッシュアップするために、定量調査のあとに定性調査を実施することが有効なのです。

まず定量調査では、回答者に、オープンアンサー(自由回答)でその商品のどこが魅力的だと感じたか、逆に何が魅力的でなかったかを中心の質問におきます。

定性調査の対象者は、オープンアンサーを吟味し、その回答を選定基準にして定性調査対象者を選びます。ヒアリングから、商品の詳細をブラッシュアップできる解答が得られそうな対象者、または新しいヒントが発見できそうな対象者たちをリクルーティングし、デプスインタビュー(定性調査)を行うのです。商品のモックアップがあれば、見てもらう、使ってもらう、食べてもらうなどしながら、定量では聞けなかった細かい機微を定性調査でヒアリングしましょう。

本調査前に必要なスクリーニング項目

まず、本調査とは別に、今回の対象者を集めるためのスクリーニングを実施します。

スクリーニングで、今回の条件に該当する対象者を選定し、本調査項目に回答してもらいます。

サンプル数が1000必要な場合、それ以上の人数に対してスクリーニングをおこない、本調査に参加する人を1000人集める必要があります。

スクリーニングは基本的に以下にご紹介する①、②の項目でおこないます。

①性別・年齢・居住地・職業・未既婚・家族構成・世帯年収・可処分所得

どんな調査でもこれらの項目は基本的に活用します。この8項目でオーソドックスなデモグラフィック属性をとらえることが可能です。

②該当カテゴリーの利用頻度

調査しようとしているアイデアに対して、実際にそのジャンルの商品の利用有無を聞く項目です。たとえば、商品アイデアが「合わせ調味料」であればそのものの利用頻度や、スーパーでの買い物頻度などを聞きます。飲料、加工調味利用、冷凍食品など、ジャンルごとの利用頻度で質問をおこないます。これくらいの頻度が高頻度ユーザー、低頻度ユーザーという定義は会社ごとにあると思いますので、その数字に合わせてください。

利用頻度を聞く理由としては、ある程度関心のある人をスクリーニングする必要があるからです。

③購入関与

消費財以外の耐久財など調査の場合、もうひとつの項目として購入関与(購入の意思決定に関わっているか)も必要です。

たとえば、冷蔵庫に関するアイデアがあったとして、その冷蔵庫を利用するのは主婦の方だとします。ところがその主婦の方は使用はするものの購入にはまったく関与していないという場合もあるのです。とくに耐久財の場合は購入関与は入れたほうがよいでしょう。

さらに、たとえば合わせ調味料ならそもそも主婦を調査対象者と設定するなど、対象者の性年代だけでなく、条件を細かく絞ってリクルーティングすることもあります。これは商品のジャンルと商品ターゲットによって異なる項目です。

例として、清涼飲料水でオールジャンルの人に聞きたいのであれば性年代均等に割りつける、逆に若い人だけをターゲットするのであれば10代、20代で設定するなど、考えている商品アイデアによって変動します。

④エリア

定量調査のあと定性調査をおこなうことが決まっている場合、エリアの限定も必要です。東京近辺で調査を実施する場合、対象者を1都3県在住などに限定しなければ、この後の定性調査をおこなう際にリクルーティングが難しくなります。

自社で調査をおこなう場合の条件設定があればそれに準じておこなってください。以上でスクリーニングは終了です。

オーソドックスな調査では、スクリーニングが終わったあと、本問に入ります。

次回は本問で活用するコンセプトシートについて解説します。

藤井陽平
Written by
藤井陽平(Fujii Yohei)
取締役