【トライブレポート紹介➈】介護・シニア系新規事業アイデアのヒント(ソロ介護)

はじめに~トライブレポートとは

SEEDATAは今後増えていくであろう考え方や行動を示している先進的な消費者グループ=「トライブ」を独自のリサーチによって発見、定義し、調査した結果をレポートにまとめています。

トライブ・リサーチから得られた知見を通じて、推進される企業のイノベーション活動を「トライブ・ドリブン・イノベーション」または「トライブ・マーケティング」と総称し、コンサルティング、支援を行っています。

トライブレポートの詳細と読み方については、こちらの記事をご一読いただければ幸いです。

トライブレポートの読み方

介護における見守りと見張りの違いとは?

日本がほぼ唯一、世界一を独走する数字が高齢化率です。日本の高齢化率は2003年25.1パーセントを超え、このことが生んでいる大きな問題のひとつに、介護があげられます。

高齢者の増加、そして、出生率の低下を受け、要介護者に対する介護従事者はますますその割合を少なくし、結果、老々介護や認認介護、シングル介護など、制限のある状況の中で懸命に介護活動を行う人が増えています。

彼らのニーズはどこにあり、どうすれば彼らを助けられるのか、それは経済活動における課題である以上に、この国の課題でもあり、そして個人・企業としての人道的な課題でもあります。

SEEDATAでは、制限ある状況下で孤独に介護を行う「ソロ介護」の調査がそのささやかな一助になればと考えて調査を行いました。

冒頭でも述べた通り、日本は年々高齢化率が上がっているという背景があり、新規事業に取り組む企業においても、シニア系、介護系のアイデアはとくに注目されているジャンルです。

介護にまつわる問題点や課題は多々あるのですが、実は介護される当事者の話ばかりが目立ち、介護をする側の細かい話はあまり出てこなかったため、SEEDATAでは介護をされる側ではなく介護をする側に着目することにしました。

まず、介護をする側の中でもさらにエクストリームユーザーはどんな人かと考えた際、一人で親の介護をせざるを得ない状況にある人は、2人で介護している人より、より深刻でより先進的な課題を抱えているはずなので、このソロ介護というトライブに着目しました。

ソロ介護の定義は、一人息子や一人娘が親の介護をしているという意味ではなく、兄弟がいようがいまいが一人でなにかしらの理由で介護しなければいけない人、もしくは一人で両親ともに介護しなければならない状況になっている人であり、世帯構成ではなくあくまで介護行動を一人で行っている人を指します。

トライブリサーチでは基本的に先進的な価値観や行動を体現しているユーザーを調査しますが、ソロ介護の場合はより過酷な状況や課題が見えている人という意味で、トライブリサーチというよりも、エクストリームユーザーリサーチに近いものになりました。

また、介護領域のビジネスアイデア開発やサービスデザインはインタビューだけでは難しいという現状があります。何故なら、介護される側の人はそもそも発話が困難でインタビューが成立しない場合があったり、彼らを取り巻くサービスを提供する人びとも多岐にわたるので、とにかく現場に見に行かなければ分からないということで、エスノグラフィーか訪問調査という選択肢がありました。

エスノグラフィーと訪問調査では、インタビューは定性的な質的調査ということは共通ですが、エスノグラフィーはコミュニティ中の一員になり、コミュニティの中で流れている文化を把握しながら観察していくという手法をとるのに対して、訪問調査は純粋に現場を見るために訪問して、インタビューしながら状況を観察させていただくという手法になります。今回は純粋な訪問調査での観察を行うことになりました。

トライブリサーチでは、基本的に価値観は同じでアプローチが違うというセグメントをしていますが、ソロ介護に関しては、アプローチの違いはあまりなかったため、これからトライブになりそうな人となる手前の人で分けています。

今回のようにトライブがほぼ1種類しか存在しない場合は、比較対象として、トライブになりそうな人(予備軍)、場合によってはまだその行動を行っていない人を見る場合もあります。

ソロ介護のインタビュー対象者を状況別に分けると、以下の3パターンに分類することができます。

・ソロ介護に専念することなった、退職して介護している人

・介護のために転職した人

・予備軍として離職なのか転職なのか検討している人たち

要介護状態がだんだん進行していき、介護する側が転職から最終的に離職して介護に専念するという段階の違いでセグメントしています。

介護における解決すべき課題には、ゼロをプラスにする部分より、マイナスをゼロにする部分が多いという現状もありますが、介護に専念することになると、多くの場合収入の問題が発生します。できれば介護転職ぐらいに留め、なんとか生活が成り立つようなサービスがまずは必要といえるでしょう。

また、ソロ介護のレポートを作成した2015年当時は、2018年現在ほど見守りサービスなども存在しなかったのですが、実際に調査の中でさまざまな形で見守りニーズを発見することができました。

やはり介護のいちばん大きな課題は「どのように見守っていくか」であり、SEEDATA的には、見守りサービス事例の決定版はいまだ出ていないと感じています。

今回は見守りサービスを考える際の重要なヒントを特別に公開します。

見守りをサービスデザインをしていく際にとても重要なインサイトは、「いかにも『見守り』というようなものは、介護する側もされる側も嫌がる」ということです。つまり、見守りカメラの設置などは、見張られているように感じてしまうため、介護する側もされる側も好まないのです。

では、どのように見守りをデザインしていくことができるのでしょうか。実はここに、すべてのビジネスモデルを持っている人たちが見守りサービスに参入していく余地があるのです。

たとえば、介護する人が毎日現場に行けないのであれば、宅配業者やお弁当の宅配員、郵便局員などがお宅に伺い少し様子を見るというサービスが考えられます。2018年現在、すでに似たようなサービスも出てきていますが、見守りサービスをデザインする際の一番のポイントは、どの職の人が向いているのか、どういったツールを使うか、どの程度の頻度か、料金設定などの問題以上に、「見張りではなく見守りを実現するのは、日々触れ合う人やモノである」ということが非常に重要になってきます。

見守りを行うのは人間でなくても機械でもよいのですが、たとえば電気のオンオフでもいいし、なるべく日々触れているものの延長上で見守りが行われることが求められています。

当然、介護される側の状況に応じてどの程度の見守りが必要か差異もあるため、この点は今後まだまだ開発の余地があるといえるでしょう。

見守りについて私たちが言及するさらなる背景には、介護業界の方々は周知のことですが、今後老人ホームでの介護はもう伸びなくなり、基本的に自宅介護が主流になっていくことが予想されるからです。つまり、いかに自宅で見守っていくかという点に、介護におけるいちばん解決しなければいけない課題が詰まっているといえるでしょう。

そのほかにもソロ介護に関しては、サービス、グッズなどおもしろい発見があり、実際にSEEDATAでは介護離職や介護転職に備えた介護保険の商品開発の提案をし、商品化もしました。

介護ジャンル全体は今後もさまざまな分野からの参入の余地があるため、介護ビジネスど真ん中というより、既存ビジネスの中に介護系のビジネスのエッセンスやアイデアを取り入れ、自社ビジネスを発展させていきたいという企業の方には、ソロ介護のトライブレポートをオススメいたします。

記事ではこれ以上はご紹介できませんが、ほかにもトライブレポートにはおもしろい機会領域が数多く掲載されているため、お問い合わせの際は、まずは気になるトライブレポート名と「〇〇ビジネスをやっています」ということをお伝えしていただければ、我々がトライブレポートをもとにビジネスアイデアをいくつかご提案し、コンサルティングさせていただきます。

あとは皆さんの会社がすでに持っているリソースと掛け合わせて、新規事業の場合はビジネスモデルを変える、または新商品を・新サービスを生み出すなど、それぞれの課題に対応いたします。

たとえば、新商品を作りたいという会社の場合、SEEDATAが提携している会社とこのトライブが世の中に何万人いるかを調査し、その人たちにテストマーケティングしてみて伸ばしていくことも可能です。また、サービス開発の場合もプロトタイプを作ることができますし、ビジネスモデルの場合でも、ビジネスモデルに関する検証された知識を手に入れるPoB(Proof of Business)のプロセスに入ることも可能です。

SEEDATAへのお問合せはこちらから(コンタクトフォームに移動します)。

【この記事の監修者】

宮井弘之。SEEDATA代表。

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あとは皆さんの会社がすでに持っているリソースと掛け合わせて、新規事業の場合はビジネスモデルを変える、または新商品・新サービスを生み出すなど、それぞれの課題に対応いたします。

たとえば、新商品を作りたいという会社の場合、SEEDATAが提携している会社とこのトライブが世の中に何万人いるかを調査し、その人たちにテストマーケティングしてみて伸ばしていくことも可能です。また、サービス開発の場合もプロトタイプを作ることができますし、ビジネスモデルの場合でも、ビジネスモデルに関する検証された知識を手に入れるPoB(Proof of Business)のプロセスに入ることも可能です。

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宮井 弘之
Written by
宮井 弘之(Miyai Hiroyuki)
SEEDATA 代表