【トライブレポート紹介⑪】人事/HR系担当者が理解しておくべき優秀な学生の特徴(プロインターン)

はじめに~トライブレポートとは

SEEDATAは今後増えていくであろう考え方や行動を示している先進的な消費者グループ=「トライブ」を独自のリサーチによって発見、定義し、調査した結果をレポートにまとめています。

トライブ・リサーチから得られた知見を通じて、推進される企業のイノベーション活動を「トライブ・ドリブン・イノベーション」と総称し、コンサルティング、支援を行っています。

トライブレポートの詳細と読み方については、こちらの記事をご一読いただければ幸いです。→トライブレポートの読み方

優秀な学生は「ゼロキャリア」をデザインする時代へ

近年、採用活動の一貫としてインターンシップを設ける企業が激増し、これまでの書類選考や画一的な面接では採用できなかった、ユニークな才能を持つ学生を発見すべく趣向を凝らしています。同時に、学生にとっても、これまでの選考基準では力を発揮できなかった個性を発揮することができ、またインターンシップに参加することにより、ほかの学生が得られない経験を積んでいく機会となっています。

このような状況の中で、インターンシップという経験を愛し、多い人では十数社ものインターンを経験する、プロインターンとでも呼べるような学生も存在しています。彼らは首都圏の上位と呼ばれる大学に所属していることが多く、自分の経験を言語化することや、インターンで行われることの多い、グループで一定の結果を出す取り組みに向かう能力に長けています。また、その能力はインターン参加によってさらに磨かれ、結果、より多くのインターンシップを経験する可能性を高くしているといえるでしょう。

彼らの活動は、学業に打ち込む学生・部活を頑張る学生・学生団体やNPOなどで活動する学生のどれとも、ある程度の共通点と、他にない相違点を有しています。就職活動の多様化の中で生まれたプロインターンというトライブを調査することで、従来の調査にはない、新たな人材像・未来の人材像を浮かびあがらせることができるのではないでしょうか。

SEEDATAでは創業間もない頃からインターン制度を導入し、それが会社飛躍の要因にもつながっているのですが、大学生なのに自分で会社を立ち上げていたり、ビジコンに数多く出場していたり、インターンの掛け持ちをしていたり、「SEEDATAに来る学生はちょっとトライブっぽいな」と感じたことから、彼らをトライブとして捉えて調査することにしました。

彼らの特徴としては、サークルやバイトもやっているけれど社会人と働くことを学業と同じくらい重要に考えているということです。既にアメリカなどでは一般化している層ですが、日本でも今後増えていくことが予想され、社会にとっても重要な意味を持つのではないかということで、プロインターンと命名しました。

トライブとしての彼ら・彼女らの価値観・行動は、人事関係者や若い人たちの力を活用していきたいという企業にとってはかなり参考になるレポートですし、SEEDATAもこのトライブレポートを基点にして各種制度を構築し、今のインターン制度ができました。

一点、誤解のないように書いておきますが、インターンというのはあくまで就業体験なので、SEEDATAでも実際にインターンと呼ばれる期間は1か月もありません。そこから継続を希望した人には、アルバイトや個人事業主として報酬をお支払いして働いていていただいていますが、ここではその後働く人も含めて広い意味でインターンと呼んでいます。

プロインターンの共通の価値観は「大学(+就職直後)ではできない成長をしたい」ということです。大学生のときに大学だけではできない成長をしたいと考え、大学だけでは満足していないから外に求めているということの意味を、大学関係者はよく考えたほうがいいでしょう。また、プロインターンは学生時代のインターンは就職した直後に得られる成長とも異なる成長を得られると考えています。

アブローチは3つ、以下の図のとおりです。

圧倒的成長型インターンは、とにかく短期間で最大限の成長をしたいと思っているタイプです。そのためにはインターンのかけもちは当然で、短期インターンと長期インターンをかけ合わせたり、自分で会社も立ち上げたりしてしまう総合型です。

コンテスト参加型インターンは、ビジコン、ハッカソン、アイデアソンなどに多数参加して賞をとり、それだけで100万、200万稼いでいるような人も含まれています。

下積み型インターンは、下積みの仕事から入ることで実際の現場の仕事を学びたいというタイプです。

とくに、圧倒的成長型インターンの人たちは私たちから見てもインターンのやりすぎと感じるほどで、よくゆとり世代などと揶揄されていますが、彼らにはゆとりという言葉は似合いません。。

また、SEEDATAのインターン生の特徴は授業をサボらないこと。インターンも授業もバイトもすべて全力で、非常にすばらしい学生の鏡のような存在といえます。

とにかく彼らは好奇心旺盛で、インターン以外にもバイトをしている人は、バイトもある種の下積み型インターンのようなものと捉え、技術を盗もうという職人気質な部分を持っています。

プロインターンの調査から得られた、これから学生にとって当たり前になってくるすごく重要な機会領域は「ゼロキャリアのデザイン」です。

彼らは学生時代の専攻や出身大学ではなく、ほぼ社会人と同じ目線で、ゼロキャリアで何かのキャリアを作り上げようという思いを持っているため、授業かインターンどちらかではなく、全部組み合わせてひとつのゼロキャリアを作り上げようとしているのです。

ちなみにプロインターンの場合、大手、外資、スタートアップのいずれかを選ぶことが多くなります。

まず、大手を希望する人は、日本の就職の慣行からして新卒でなければ大手にはなかなか入れないため、とりあえずみておこうとするのですが、大手企業では好きなところに配属されるとは限らず、そこが大きなネックとなります。ゼロキャリアを自由に構築してきた彼らにとって、ファーストキャリアでの配属リスクは、ミスマッチが起きやすい点ともいえるでしょう。

その点、外資は配属リスクがあまりなく、専門的なジョブポジションをしっかりわかったうえで入社するので、大企業ほどのミスマッチは起こりにくいといえます。

また、新卒からスタートアップを選んだ場合、会社が大きくなっていったときにどうなるのかが分からないというデメリットもありますが、爆速で成長をしたいという人はスタートアップを選択するようです。

それぞれ一長一短ですが、これらの全部の良さを兼ね備えているのがSEEDATAなので、学生の方はまずは、ぜひインターンに来てください(笑)。

学生たちの「ゼロキャリアをどのようにデザインしていくか」は、今後、大学関係者も考えていかなければいけない問題ですし、企業の人事の方も、優秀な学生たちはまずはゼロキャリアを構築したうえで、大手なのか、外資なのか、スタートアップ(起業)なのかという選択肢を持っているということを理解し、そんな彼らにとって魅力に感じられるファーストキャリアデザインを提供しなくてはいけません。

ゼロキャリアは必ずしもその後のキャリアに活かさなくてもいいのですが、ゼロキャリアと自社の関係、ファーストキャリアをどうデザインするかは企業の新卒担当者が考えるべきことですね。

これまでの採用方法や会社紹介では、ゼロキャリアを構築してきているレベルの高い層には響かないということを肝に銘じておくべきです。

優秀な学生に来て欲しい企業の人事の方たちは、プロインターンのレポートや書き起こしを見るだけで参考になるはずですので、まずはお問合せください。

SEEDATAへのお問合せはこちらから(コンタクトフォームに移動します)。

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宮井 弘之
Written by
宮井 弘之(Miyai Hiroyuki)
SEEDATA 代表