【トライブレポート紹介15】シニア旅行系の新規事業アイデアのヒント(シニアトラベラー)

はじめに~トライブレポートとは

SEEDATAは今後増えていくであろう考え方や行動を示している先進的な消費者グループ=「トライブ」を独自のリサーチによって発見、定義し、調査した結果をレポートにまとめています。

トライブ・リサーチから得られた知見を通じて、推進される企業のイノベーション活動を「トライブ・ドリブン・イノベーション」または「トライブ・マーケティング」と総称し、コンサルティング、支援を行っています。

トライブレポートの詳細と読み方については、こちらの記事をご一読いただければ幸いです。

トライブレポートの読み方

シニアの旅行は回顧型と未踏地制覇型に分かれる

国内外にアクティブに旅行をするアクティブシニアのトライブが『シニアトラベラー』です。 彼らは数十年様々な場所を旅し続けた結果、旅や日常に対する自分なりの価値観を形成しています。

SEEDATAでは、彼らの哲学や旅行の中の行動などを調査することで、今後ますます増加することが予想される、シニア向け旅行サービスやその周辺サービスに関しての未来を見つけることができました。

シニアトラベラー以前のリサーチでは、65歳前後で定年すると通常は悠々自適な生活をするところを、逆にいつまでも現役時代の心を持って活動し続ける方をシニアウオリアとしてリサーチしました。しかし悠々自適な生活を送る人びとの中にも先進層はいるだろうということで、シニアウオリアの足りない部分を補う形で調査、作成されたレポートがシニアトラベラーです。

では、シニアの悠々自適なライフスタイルの先進性がどこに表れるかというと、やはり、旅行をどう楽しむかというところになるのではないかと思います。

シニアトラベラーはアクティブシニアの中でもとくに旅行を楽しむことをライフスタイルの中心に置いている人びとで、旅行はお金も時間もかかる大変なことなので、シニアの未来と同時に旅行の未来も見据えることができるリサーチといえるでしょう。

まず、シニアの人びとに国内でまた行きたい場所についてのアンケートをしたところ、1位:北海道、2位:京都、3位:東北という結果になりました。

また、いつか行きたい場所については、1位:屋久島、2位:沖縄の離島、3位:種子島という結果になり、国内では離島への憧れがあることが分かります。

また、海外旅行について同様の質問を行うと、また行きたいのは、1位:ハワイ、2位:サイパン、3位:グアムと有名なリゾート地が挙げられ、ほかにはパリ、ローマというスタンダードな観光地が挙げられます。

反対にいつか行きたい場所としては、1位:北欧、2位:スペイン、3位:ローマが挙げられ、ローマは一度行った人にもまだ行ったことのない人にも人気の観光地といえます。

参照:トラベルボイスシニア世代が「実現したい夢」ランキング、1位は旅行、リピートしたい場所は北海道 ―日本ロングライフ調査

https://www.travelvoice.jp/20150220-35554

出典:日本ロングライフ「:人生の円熟期”プレミアムエイジ”と理想のセカンドライフに関する意識調査」(2014)

シニアトラベラーのセグメントは、自分の時間的余裕を旅行を通じて豊かにしたいという共通の価値観を持ち、以下のアプローチの違いを持っています。

スーパーリッチシニアトラベラーは一回の旅行が一人50万円以上。対象者はふたりとも女性で、一人は海外の僻地に行き、自分たち以外に人がいない場所の独り占め目感が贅沢と感じるそうで、必ずしも豪華客船旅行がリッチではないということが分かります。

もう一人は予定なしの海外旅行で、心の赴くままに行くことが贅沢と捉え、予定を詰め込まないことがリッチと考えている人です。

ご褒美型シニアトラベラーは積み立てをコツコツして旅行に行くタイプですが、世帯年収が低いワケではないのがポイントです。日々の頑張りのご褒美として年に一度国内旅行を楽しみたいという人です。日々の頑張ること自体が旅行の楽しさを高めるための事前準備になっているというわけです。

旅行サークル型シニアトラベラーは、旅行サークルに属して、青春18きっぷで月に3回行く旅行を10年続けているような人です。

探検型シニアトラベラーは、数100キロのツーリングで四国一周をしたり、僻地に行くという冒険をしたいタイプと、大学教授で、趣味と実益を兼ねて文化人類学のフィールドワークを行ったりするような人です。

彼らを調査して分かったことは、基本的にシニアの旅行は「また行きたい」という回顧型か、「いつか行きたい」という未踏地制覇型に概ね分かれるということです。

調査の中で理想の旅行中の1日を聞いたところ「思い出の地に再び訪れるのがたまらない」という話が多く出てきました。

若い頃に家族で訪れた場所に、子どもが成長して巣立ったあと夫婦ふたりでまた訪れると、思い出も含めて噛みしめることができる、シニアならではの旅行の楽しみ方といえるでしょう。

さらに注目すべきは「ここに行ったよね」と家で会話するのではなく、現地に行ったからこそ思い出せる感覚があるということ。彼らにとって、思い出は現地にも保存されていて、現地に行くことで思い出が引き出せるというのはかなり重要なインサイトです。

旅行会社の人は、シニアの方がいつ、どこに、誰と行ったかまでは分からないので、今はまだこういった行動を促すサービスは存在しませんが、これからの旅行体験は、同じ目的地でも過去との関係で思い出を引き出しやすくさせることで楽しみ度合いも全然変わってくるはずです。

とくにトラベル系の新規事業やアプリ、サービスなど開発する場合、過去の旅行を巡り返すような体験、「保存された思い出をうまく引き出せる経験」をデザインすることが重要です。

また、まだ行ったことがない場所に行きたいという欲求も実はとても強く、何故ならシニアは「自分に残された時間」を意識しているからで、これは若者との決定的な違いです。

どこでもいいから知らない場所に行きたいわけではなく、残された時間の中で、行ったことがある場所にも行きたいし、行ったことのない場所にも行きたいわけで、若い時はハワイばかり行っていた人も、未踏型になることもあります。

そういう気持ちをそっと後押しするような旅行の売り方として、「今までこういう場所に行っていたなら、まだ行ったことがない場所ではここがオススメ」というような提案の仕方が考えられます。要するに「未踏の中で制覇すべき領域を真剣に吟味する体験」のデザインが重要です。

また、機会領域もご紹介すると、残された時間は有限であり、そのうちケガや病気をするなどで体が衰えて、旅行に気軽に行くことができないときがやってきます。肉体が弱体化する一方で「行きたい」「もっと行っておけばよかった」という意識は強くなるものです。

現在の旅行は元気な人を中心に設計されているため、ケガをしてしまった人や、体が弱い人向けの旅行というのはあまり存在しません。これはアクティブシニアという言葉の弊害でもあり、実際は心はアクティブでも体がついていかないという人も多くいるため、今後は「体に不安を抱えている方のための旅行体験」のデザインが求められているといえるでしょう。未踏地制覇の欲求というのは増大していくので、少し体が弱くなってしまった人向けに、たとえば医療処置のできる添乗員がつくといった体験を提案してみることをオススメします。

記事ではこれ以上はご紹介できませんが、ほかにもトライブレポートにはおもしろい機会領域が数多く掲載されているため、お問い合わせの際は、まずは気になるトライブレポート名と「〇〇ビジネスをやっています」ということをお伝えしていただければ、我々がトライブレポートをもとにビジネスアイデアをいくつかご提案し、コンサルティングさせていただきます。

あとは皆さんの会社がすでに持っているリソースと掛け合わせて、新規事業の場合はビジネスモデルを変える、または新商品・新サービスを生み出すなど、それぞれの課題に対応いたします。

たとえば、新商品を作りたいという会社の場合、SEEDATAが提携している会社とこのトライブが世の中に何万人いるかを調査し、その人たちにテストマーケティングしてみて伸ばしていくことも可能です。また、サービス開発の場合もプロトタイプを作ることができますし、ビジネスモデルの場合でも、ビジネスモデルに関する検証された知識を手に入れるPoB(Proof of Business)のプロセスに入ることも可能です。

SEEDATAへのお問合せはこちらから(コンタクトフォームに移動します)。

【この記事の監修者】

宮井弘之。SEEDATA代表。

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あとは皆さんの会社がすでに持っているリソースと掛け合わせて、新規事業の場合はビジネスモデルを変える、または新商品・新サービスを生み出すなど、それぞれの課題に対応いたします。

たとえば、新商品を作りたいという会社の場合、SEEDATAが提携している会社とこのトライブが世の中に何万人いるかを調査し、その人たちにテストマーケティングしてみて伸ばしていくことも可能です。また、サービス開発の場合もプロトタイプを作ることができますし、ビジネスモデルの場合でも、ビジネスモデルに関する検証された知識を手に入れるPoB(Proof of Business)のプロセスに入ることも可能です。

SEEDATAへのお問合せはこちらから(コンタクトフォームに移動します)。

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宮井 弘之
Written by
宮井 弘之(Miyai Hiroyuki)
SEEDATA 代表