【トライブレポート紹介25】プログラミング女子、職人系女子などにみる技術職への女性進出のヒント(プロ女子)

はじめに~トライブレポートとは

SEEDATAは今後増えていくであろう考え方や行動を示している先進的な消費者グループ=「トライブ」を独自のリサーチによって発見、定義し、調査した結果をレポートにまとめています。

トライブ・リサーチから得られた知見を通じて、推進される企業のイノベーション活動を「トライブ・ドリブン・イノベーション」または「トライブ・マーケティング」と総称し、コンサルティング、支援を行っています。

トライブレポートの詳細と読み方については、こちらの記事をご一読いただければ幸いです。

トライブレポートの読み方

近年の新卒就職活動などにおいては「手を動かせないと仕方ない」などという表現がよく使われるようになりました。それは「頭で考えるだけでなく、アイデアを実行に移すために、実制作を行える能力などを含めた実現力が必要」という意味で、なかでも、ITが業務に浸透した昨今では、情報技術に親しいことは大きなアドバンテージとなっています。

「プロ女子」は、プログラミング言語などなんらかのスキルを得てエキスパートを目指す女性のトライブです。上記のような時代背景に加え、社会における女性の活躍が叫ばれる中で彼女たちは存在感を増し、専門職、プロフェッショナルの世界では、多くの関心が寄せられています。

プロ女子は以前SEEDATAで調査したもので、現在まさにトレンドがきているというより、まだもう少し先の未来を体現しています。今はそこまでメジャーではないものもありますが、一部の人の中で表れていて、いずれ増えていくであろうトライブです。

たとえば左官職人の女性など、最近たまにテレビなどでも取り上げられていますが、一般的に男性が多いといわれている技能的な職業についている女性がプロ女子(プロフェッショナル女子)の定義です。

女性の社会進出が叫ばれ、キャリア系、もしくは看護師、保育士など女性ならではのスキルを活かした職業についている女性は多くいますが、今後はあらゆる分野に広がっていかなければ、本当の意味で女性の社会進出とはいえません。

そこで、今後職人的な分野での女性の社会進出はどうなるのかを洞察するために、すでにそれを実践している人たちを調査したわけです。

今回はプログラミング女子、クラフト女子、メイカーズ女子という3つのセグメントに分類しインタビューを行いました。

プログラミング女子

女子プログラマーのコミュニティなどもできていて顕在化しつつあります。

クラフト女子

まだ男性社会のイメージが強い職業の中で、今後は女性左官職人、家具職人などもかなり増えていくでしょう。

メイカーズ女子

メイカーズといわれているような、3Dプリンタでプロダクトを作るような職業は、男女関係ないので意外と進出が早いと考えられます。

プログラミング女子の広がりは、レイルズガールと呼ばれるRuby on Rails(ルビーオンレイルズ)をやる人たちのイベントが世界中で開催されるなど、コミュニティの盛り上がりからも分かるように、すでに顕在化しているといえるでしょう。

プログラミングのよいところは、Progate(プロゲート)のような学習サイトで独学でアウトプットまでができる点です。

左官などの独学は難しいでしょうが、今後専門的なスキルで裾野を広げたい場合は、独学ができる環境をいかに作るかが重要なポイントとなってくるでしょう。

クラフト女子はドボ女などとも呼ばれているとおり、建設現場などで働く女性を意味しますが、家具職人なども含まれます。調査によると建設業界の建設現場で働いている女性技術者は現在1万人程度。技能者は9万人でそれでも全体の3%と、まだまだ女性進出が進んでいない分野です。

メイカーズ女子の広がりには、3Dプリンタの登場で、一般の人でも簡単にモノ作りに参加できるようになったという時代背景があります。

今回調査した内容の一部をご紹介すると、プログラミング女子の森川恵美さんは、飛び級で高卒資格を取得し17歳で起業したという経歴の持ち主です。彼女の兄も起業家であることからも分かるように、今のところ周りも同じ環境という人が多いようです。

象徴的な発言として、「どこかに行って学ぶより、自分でやったほうが早い。自分でやったほうが早い理由は、失敗はするけどそこからどんどん学んでいけるようなジャンルだから」というキートレンドにつながる発言がありました。自分で失敗を繰り返しながらどんどんサービスを作って試していくことができるのがプログラミングの強みです。

もうひとりのプログラミング女子も、「知識をかじるというか、何を作るかをちゃんと決めなければいけなくて、知るというだけではなく実際にサービスを作る部分をやらなければ勉強したことにはならない」と発言しています。

クラフト女子はまだまだめずらしいジャンルですが、女性でも普通に工事現場や現地調査などの仕事を行う人も現れ始めています。

また、インタビューを行った家具職人の女性からは「男性社会に女性がいるだけで重宝される」という発言があったように、男性社会に進出していくことで、これまでにない新しいポジションで自分の活かし方が見つかるという事例もあるようです。

メイカーズ女子もまだ少ないですが、今後に期待できるジャンルといえるでしょう。

SEEDATAではこれらのプロ女子の調査から、女性の社会進出の中でも職人的なジャンルへの進出を促進している要因と、今後この条件をそなえた職業は進出が進んだり裾野が広がるだろうという分析を行いました。

ひとつは、先ほども触れましたが独学ができるということです。ただし、インプットするだけではもはや学習ではありません。アウトプットできることを前提とし、失敗を繰り返してチャレンジできることが重要です。

学習はインプットからアウトプットへ

これは今の学びの中でも重要といわれていることですが、独自にスキルを積み重ねられるジャンルのものは、女性や外国人の方にも広がっていきやすいといえるでしょう。

プログラミングが女性に広がった理由もまさにそこで、独学で勉強してサービスを作り、アウトプットして、失敗したとしてもそれが学びになるというサイクルを早く作ることが可能になったのです。

これはメイカーズにもいえることで、3Dプリンタなどにより、誰もが簡単にプロダクトを作り、人に見せてフィードバックもらうことができる業界は、今後も広がっていくでしょう。

今後、女性や海外の方の進出が著しい業界があれば、こういった要素を備えてないかという観点でみたり、逆にこの観点があればもっと裾野を広げる現象が起こせるともいえるでしょう。

もうひとつは、とくに職人的な職業を目指す女性たちは、単に給料が高いという理由ではなく、やりがいや雰囲気、共感できる部分を大事にする傾向が男性よりも強いということです。(まだ印象レベルなので今後もう少し実証調査をする必要のある傾向です)

たとえば、SEEDATAと提携している女性向けのイノベーション事業に特化したSD/LAでは、15時のお茶の時間があるなど、男性だけの会社では考えつかないようなイベントがあります。そういった全体的な雰囲気に共感して人が集まってくるのが、とくに女性の専門職では顕著にみられます。男性の専門職にもいえることですが、今後は単に給与が高い、学べるというだけではよい人材を採用することはできなくなってくるでしょう。

また、プログラミングなどは公開後にバグがあってもすぐに修正が可能ですが、職人的なジャンルによっては失敗が許されない分野も存在します。失敗できる環境を用意するためには、VR、ARなどの技術も活用されていくだろうというのが私の洞察になります。

記事ではこれ以上はご紹介できませんが、ほかにもトライブレポートにはおもしろい機会領域が数多く掲載されているため、お問い合わせの際は、まずは気になるトライブレポート名と「〇〇ビジネスをやっています」ということをお伝えしていただければ、我々がトライブレポートをもとにビジネスアイデアをいくつかご提案し、コンサルティングさせていただきます。

あとは皆さんの会社がすでに持っているリソースと掛け合わせて、新規事業の場合はビジネスモデルを変える、または新商品・新サービスを生み出すなど、それぞれの課題に対応いたします。

たとえば、新商品を作りたいという会社の場合、SEEDATAが提携している会社とこのトライブが世の中に何万人いるかを調査し、その人たちにテストマーケティングしてみて伸ばしていくことも可能です。また、サービス開発の場合もプロトタイプを作ることができますし、ビジネスモデルの場合でも、ビジネスモデルに関する検証された知識を手に入れるPoB(Proof of Business)のプロセスに入ることも可能です。

SEEDATAへのお問合せはこちらから(コンタクトフォームに移動します)。

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宮井 弘之
Written by
宮井 弘之(Miyai Hiroyuki)
SEEDATA 代表