【トライブレポート紹介28】F1層向け新規事業・商品・サービス開発のヒント(WLB女子)

はじめに~トライブレポートとは

SEEDATAは今後増えていくであろう考え方や行動を示している先進的な消費者グループ=「トライブ」を独自のリサーチによって発見、定義し、調査した結果をレポートにまとめています。

トライブ・リサーチから得られた知見を通じて、推進される企業のイノベーション活動を「トライブ・ドリブン・イノベーション」または「トライブ・マーケティング」と総称し、コンサルティング、支援を行っています。

トライブレポートの詳細と読み方については、こちらの記事をご一読いただければ幸いです。

トライブレポートの読み方

WLB(ワークライフバランス)という言葉がすっかり定着しつつありますが、実際、女性たちはどのように仕事と私生活のバランスをとり、また、どうありたいと願っているか、その実情は意外と知られていないのではないでしょうか。

働き方改革が進み、女性の社会進出はどんどん広がっていますが、一方で、アフターファイブも充実させたいという大きな流れがあります。WLB女子は仕事を頑張り、社会的にも認められながら、生活者としては私生活も充実させたいと考えており、いわゆるバリキャリともキラキラ女子といわれている人たちとも異なります。いつものトライブのように先進的というより、マジョリティに近い存在といえるでしょう。

しかし、いわゆるF1層といわれている人たち、とくにOLの人たちに向けた商品やサービスを考える際に、彼女たちのライフスタイルを調査することは欠かせません。

彼女たちのアフターファイブに着目し、プライベートで趣味やコミュニティを謳歌する様子を調査することで、F1層で消費が旺盛な人たちの消費行動のヒントが得られるだろうと考えました。

まず、複数の方にインタビューして分かったWLB女子の特徴をご紹介します。

彼女たちはみな、仕事のモードに入るときと私生活モードに入るときに感情を切り替えるのですが、急激な感情の変化を遠ざけている印象でした。

男性の場合、たとえば「何かをやりきろう」というときに、エナジードリンクを飲んで一気にスイッチを入れるという象徴的な行動がありますが、女性はそうではなく、段階的にモードを切り替えていくのです。

朝起きたら化粧をするのが第一段階、余裕をもって出社しているため、数駅前で降りて会社まで歩く。会社に着くころには仕事モードに切り替わり、就業時間には効率的にタスクをこなし、夕方にかけて徐々にモードをオフに近づけていく。そして、帰宅前に習い事などに通って、もう1段階オフを演出しています。

仕事のモードと私生活のモードをこのようにして分けているのは、実に印象的な行動といえるでしょう。

また、リサーチで分かったのは、WLB女子は意識的に習い事に行ってる人が多いということです。仕事が終わってそのまま帰宅するのではなく、間に習い事を入れることでオフのモードに徐々に近づけているのです。

彼女たちが行っている習い事は、どちらかというとヨガのような体を動かすものが多かったのですが、仕事中は脳と身体どちらもアクティブな状態、習い事では身体だけがアクティブな状態にして、脳と身体を徐々に落ち着かせるという行動を意識的にとっていました。

仕事から一気に帰宅だとオンとオフの差が激しすぎることがその理由です。

もちろん習い事はオンオフの切り替えのためだけではありません。ライフを充実させるため、会社の外に飛び出し、異なる価値観の人に出会うことで、結果、ワークでも自分に与えられた以上の成果を出す。彼女たちはオンもオフも充実させようと活動的で、総じて仕事に対してもポジティブに取り組み、成長欲求が強いという印象です。

さらに、興味深かったのは「パートナーや夫のような心的距離が近い人でも、すっぴんを見せたくない」という発言です。ワークの中でもそれなりの成果が求められ、ライフの中でも「だらけた姿は見せたくない」、女性の社会進出にともない、本当の意味でリラックスできる空間や時間はとても少なくなっているのだと感じました。

だからこそ、段階的な休息をとり、1日の中でなるべく感情の起伏が少なくなるようコントロールしているのではないでしょうか。女性は対外的に見られるという意識が強くなり、それが私生活にも及んでいるのです。

また、「何故オフになった姿を見せたくないのか」と尋ねると、「自分自身の女子力を高めたい」という答えが返ってきました。

ただし、以前の女子力といえば「気配りができる」など、昔ながらの「女性は男性を立てる」というイメージが強い言葉でしたが、彼女たちの中では「美しい自分に近づくために、自分でマネジメントしたい、磨き続けたい」という、自分の理想の姿を追求する姿勢こそが、新しい「女子力」に置き換わっていました。

まず彼女たちが美しさに磨きをかけるのは自分自身のために行なっていることであり、そこがないがしろにされているものであったり、「女子力」に他者からの評価という視点が入ると炎上しがちだということを意識して、商品、サービスを考える必要があります。

WLB女子から見えてきたインサイトの中で、もっとも中心に見据えなればいけないのは、彼女たちはひとりになれる時間が想像以上にないということです。

独身だから時間は自由になると思われがちですが、実家暮らしであれば家族がいるし、同棲していればパートナーがいる、オフィスにいれば同僚や上司がいる、彼女たちが本当にひとりきりになれる時間や空間というのは意外とありません。

女性が本当に人の目を気にしないでいられる時間は、お風呂やトイレといった限られた遮断された空間だけになっているため、「ひとりになれる空間でどうリラックスさせるか」ということをデザインすることに大きなチャンスがあります。

女性の社会進出が今より進んでいけば、今後さらに、これらの一人時間のリラックスをサポートしてくれるようなプロダクトやサービスが必要とされてくるでしょう。

記事ではこれ以上はご紹介できませんが、ほかにもトライブレポートにはおもしろい機会領域が数多く掲載されているため、お問い合わせの際は、まずは気になるトライブレポート名と「〇〇ビジネスをやっています」ということをお伝えしていただければ、我々がトライブレポートをもとにビジネスアイデアをいくつかご提案し、コンサルティングさせていただきます。

あとは皆さんの会社がすでに持っているリソースと掛け合わせて、新規事業の場合はビジネスモデルを変える、または新商品・新サービスを生み出すなど、それぞれの課題に対応いたします。

たとえば、新商品を作りたいという会社の場合、SEEDATAが提携している会社とこのトライブが世の中に何万人いるかを調査し、その人たちにテストマーケティングしてみて伸ばしていくことも可能です。また、サービス開発の場合もプロトタイプを作ることができますし、ビジネスモデルの場合でも、ビジネスモデルに関する検証された知識を手に入れるPoB(Proof of Business)のプロセスに入ることも可能です。

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宮井 弘之
Written by
宮井 弘之(Miyai Hiroyuki)
SEEDATA 代表