【トライブレポート紹介35】ハイティーン向けサービス・新規事業開発のヒント(SNOWガール)

はじめに~トライブレポートとは

SEEDATAは今後増えていくであろう考え方や行動を示している先進的な消費者グループ=「トライブ」を独自のリサーチによって発見、定義し、調査した結果をレポートにまとめています。

トライブ・リサーチから得られた知見を通じて、推進される企業のイノベーション活動を「トライブ・ドリブン・イノベーション」または「トライブ・マーケティング」と総称し、コンサルティング、支援を行っています。

トライブレポートの詳細と読み方については、こちらの記事をご一読いただければ幸いです。

トライブレポートの読み方

「詐欺」や「盛る」などといった言葉を生み出すきっかけとなった、プリクラ機器の登場に始まり、女性を可愛く見せる技術は昨今急激に進歩し、その最たる例が昨今の加工アプリです。

加工アプリは今や顔を可愛く見せるだけでなく、風景をキレイに撮影するため、食べ物を美味しそうに撮るためなど、様々な場面で「盛る」ための支援をしてくれるアプリが普及してきています。ただ顔を可愛く加工するだけでなく、ネズミやクマなどを自分の顔にかぶせる加工ができるアプリの先駆けがSNOWです。

SEEDATAではミックスチャネラーの調査も行いましたが、感度の高いハイティーンを継続的に見ることで、それより上の世代がまだ気が付いていない新しい顧客体験の芽を見つけることができるため、定期的にティーンの調査を行っています。

SNOWガールの調査はSNOWが登場した当時に行ったものですが、SNOWを使用している女子高生をリサーチすることで、加工に求められている要素と、テクノロジーが加わることでそれがどう変化していくのかを考察できるのではないかと考えました。

歴史を振り返ると、プリクラ全盛の時代はSNSがありませんでしたが、プリクラを交換し、手帳に貼るなどして狭い範囲で友人と共有されていました。そこにSNSが登場し、データという形で制限なくより簡単に共有されるようになりましたが、根底にある部分は変わっていません。つまりこれはハイティーンの人たちの自己表現方法のひとつなのです。

彼女たちのインタビューでは「盛る」という言葉がよく使用されていますが、そもそもこの「盛る」の意味はかつての「盛る」とは変わってきています。

かつての「盛る」はギャルの「化粧が濃い」「髪型が盛れている」という意味合いが強めでしたが、今の女子高生の「盛る」は異なり、「写真画像を修正してよくみせる」という意味が強いといえます。

また潮流として捉えておくべきポイントは、かつて流行ったSNSはmixi、Twitter、Facebookなど言語型であったのに対し、MixChannelやInstagramなどは言語をハッシュタグ化して短くし、あとは動画なり画像で表現するという大きな流れがあります。つまり、写真だけで自己表現しなければいけない非言語型SNSになってきているということも、写真を盛る必要性のひとつの要因であると考察しています。

SNOWは2018年現在では女子高生に限らず浸透していますが、あらためて解説すると

数100種類以上の「顔認識スタンプ」が用意された大人気写真加工アプリです。

また、SNOWがヒットしても全員がSNOWだけを使っているわけではなく、SNOWがリリースされた前後にはほかにも以下のようなさまざまな加工アプリが登場しています。

・送った写真や動画が10秒で消えることが特徴のSnapchat

・インカメだけを用いて撮影する自撮りに特化したB612

・美肌、デカ目、小顔などの修正が可能な最強の美顔カメラBeautyPlus

・修正ではなくメイクを施してくれるMakeupPlus

・食事を美味しく映すことに特化したFoodie

インタビュー対象者は女子高生を含め、基本的に写真を盛るということで自己表現をすることが当たり前、または重要という価値観です。

図にあるように、縦軸は目の大きさ、光加工、フィルターなどの加工レベルで、色味、画質など横軸の世界観レベルは自分なりのこだわりの深さを表し、奥に行くほどヘビーであるといえます。

試行型

世界観はこだりなく、流行や新しいものには敏感で、とりあえずフィルターをいろいろ試す人。

閲覧型

自らはちょっとフラッシュをつけるくらいで加工度は低く、基本的に閲覧メインの人。

深いこだわりはありませんが、どちらかというと人の写真を閲覧し、SNOWをメディアコンテンツとして楽しんでいます。

コラージュ型

加工レベルがもっとも高く、やり方にもこだわりを持ち、自分の理想の一枚を作り出す人。

プレーン型

やり方に統一したこだわりはあるが、加工レベルはあまり高くない人。

見栄えをよくするためにあえてシンプルにし、色味などにはこだわりを持っています。

脳内型

女子高生にもっとも多いタイプであり、挑戦したいと思いつつなかなか実行には移せないでいる人。

SNOWのようなものをみて、勘違いしてはいけないのは「みんなやっているんじゃないのか?」と思うことです。今回分類した5パターンでも人によってかなり差がありますが、何故こだわりを持ち深くやっている人を含めて理解すべきなのかというと、閲覧型や脳内型もコラージュ型、プレーン型、試行型の人たちのこと見ているからです。

つまり、深く行っていない人たちも、彼女たちの行動にある種の共感を持っているのです。深くやっている人たちを見なければ、どんなコンテンツであればやらない人たちも共感するのかを知ることはできません。

今回ご紹介するキー・トレンドは「SNSにおいて盛ることが投稿者マナー」というものです。

長年ハイティーンを見続けていますが、近年メイクや化粧の概念が拡張してきていると感じています。

昔はリアルな自分の顏を化粧することがメイクの範囲でしたが、SNS上のもうひとりのバーチャルな自分に対して化粧をするということもメイクの一環になってきているのです。つまり加工はそういうものに対しての化粧道具であり、私は加工アプリではなく、拡張されたメイク道具だと捉えています。

以上のことから考えると、「SNSにおいては盛ってから投稿するのはマナー」というのは非常に理解できます。女性であれば「人前にスッピンでは出られない」と思っている人が現状は多いはずですが、そういった社会的な規範があることを考えれば、SNSに自分の顔写真を出すのに盛らないのは失敬でマナー違反ということになることも理解はできます。

メイク道具のアナロジーとして考えると、最低限の薄化粧からがっつりやりたい人までいることも理解可能です。

このように考えていくと、メイク道具の在り方もカメラの在り方もまだまだ変わってくるはずです。

もうひとつ、マナーとしての加工が登場してきたことには大きなビジネスチャンスがあります。これまで「盛る」「加工する」というのは、単純に色々加工ができたり、すごく理想的になれるという技術が追い求められていましたが、化粧と同じだと考えると、薄化粧がよいという人もいるわけで、今後のアプリの機能やサービスには、マナーとしての加工機能が受け入れられる可能性があります。

画像系サービスなどを担当している人や、化粧品会社のキャンペーンなどでアプリを考えたりする場合はぜひこのトレンドに着目してみることをオススメします。

記事ではこれ以上は紹介できませんが、他にもトライブレポートにはおもしろい機会領域が数多く掲載されているため、お問い合わせの際は、まずは気になるトライブレポート名と「〇〇ビジネスをやっています」ということをお伝えしていただければ、我々がトライブレポートをもとにビジネスアイデアをいくつかご提案し、コンサルティングさせていただきます。

あとは皆さんの会社がすでに持っているリソースと掛け合わせて、新規事業の場合はビジネスモデルを変える、または新商品・新サービスを生み出すなど、それぞれの課題に対応いたします。

たとえば、新商品を作りたいという会社の場合、SEEDATAが提携している会社とこのトライブが世の中に何万人いるかを調査し、その人たちにテストマーケティングしてみて伸ばしていくことも可能です。また、サービス開発の場合もプロトタイプを作ることができますし、ビジネスモデルの場合でも、ビジネスモデルに関する検証された知識を手に入れるPoB(Proof of Business)のプロセスに入ることも可能です。

SEEDATAへのお問合せはこちらから(コンタクトフォームに移動します)。

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宮井 弘之
Written by
宮井 弘之(Miyai Hiroyuki)
SEEDATA 代表