【トライブレポート紹介50】アバターサービス系の新サービス・新規事業開発のヒント(アバタラー)

はじめに~トライブレポートとは

SEEDATAは今後増えていくであろう考え方や行動を示している先進的な消費者グループ=「トライブ」を独自のリサーチによって発見、定義し、調査した結果をレポートにまとめています。

トライブ・リサーチから得られた知見を通じて、推進される企業のイノベーション活動を「トライブ・ドリブン・イノベーション」または「トライブ・マーケティング」と総称し、コンサルティング、支援を行っています。

トライブレポートの詳細と読み方については、こちらの記事をご一読いただければ幸いです。

今回のレポートはDNAさんのモバゲー内のアバターサービスと共同でリサーチをおこなっています。

アバターは基本的に「仮想世界の中の仮想的な自分である」という仮説があり、仮想の自分に対するお金の使い方には現実世界とはどのような違いや基準があるのかを知ることを目的として調査しました。

また、現実世界では基本的に一人一人格しかありませんが、ネット上ではSNSで当然のように複数アカウント持つようになり、複数の人格を平行でもつことはネット世界では一般的になってきています。

アバターを活用する人々は、バーチャルなもうひとりの自分という存在をどのように捉え、仮想空間内における生活、友人関係、お金の使い方、あるいはタスクはどのように変化していくのかを探ったのがアバタラーのレポートになります。

まず、国内で過去現在までに話題となったアバターサービスをいくつかご紹介します。

セカンドライフ

2003年、アメリカのリンデンラボ社が仮想空間を舞台にした「SecondLife」をリリース。ゲームでありながらクエストやシナリオはなく、自分の分身であるアバターを使い、仮想空間で友人と交流するだけでなく、買い物をしたり、セカンドライフ内で結婚式をあげたり、お店で物を販売したり、分譲された土地を購入し家やビルを建てることもできる。それはまるで現実そのものであり、第二の人生を送れることがウリだった。

モバゲー

株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)が運営する携帯電話向けのポータルサイトSNS。アバターサービスの走りともいえ、自分の分身であるアバターを着せ替えるなどして楽しむことができる。

ピグ

2003年よりスタートしたアメーバピグ(AmebaPigg)は、サイバーエージェントが運営するWebサイト上のサービス。

自分にそっくりなアバター(ピグ)を作り、実在の場所を模した広場などでチャットを行うのがメインの機能。

ミー

Mii(ミー)は、任天堂が販売するゲーム機であるWii、ニンテンドーDS、ニンテンドー3DS、WiiU、NintendoSwitchなどで使用できる人間型のキャラクター(アバター)。

輪郭、体型、髪型、顔パーツなどの様々なパーツを組み合わせて家族や友達などに似せて作り、ミニゲームなどを楽しむことができる。

ゼペット

写真をもとに自分そっくりな3Dのキャラを作ることができるアバターサービス。コーディネートできるのはもちろん、ゼペットで絵文字を作ったり、写真に写りこませることが可能。自分が作った自分自身のゼペットと友達の作ったゼペット同士で旅先の記念撮影やゼペット同士で写真をとることもできる。

今回のセグメントは以下の5種類です。

コンテストランカー

アバターコンテストで上位にいることが常連化しているアバターユーザー。自分のコーデイネートをたくさん保存しているが、更に新しいコーディネートを作ることに余念がない。アバター内で高い評価を得ることがモチベーションとなっている。

アバターに着せる服には独自のこだわりがあり、編集して毎日コンテストに出している。

アカウントランカー

複数個のアバターを所有し、目的や場面に応じて使い分けているユーザー。

アバターによっては年齢や性別も異なっており、ネット上に幾つかの人格を持つような使い方を行っている。

コミュニティホルダー

数千人から数万人の人が参加しているコミュニティの設立、運営を行っているユーザー。コミュニティ内に細かいルールを設定し、参加しているユーザーにとって快適かつ有益なコミュニティとなるように努力をしている。

服好きのコミュニティ、アニメ好きのコミュニティといった風に、ひとつのアバターサービス内でも複数のコミュニティがあり、顔の出ない半分匿名の世界だから生まれるコミュニティがある。

ノンペイング

課金はしないがアバターサービスを楽しんでいる。非課金だがサービス愛は強く、アバターのクオリティは高い人。

ノンアバタラー

サービスに登録しているがアバターサービスは使わず、ゲームやメッセージサービスのみ利用している人。仮想空間における自分にあまり興味がない。

今回の調査では、コンテストランカーの方々にのみインタビューをおこないました。

インタビュー対象者は、30代~50代の主婦で、基本的にとあるアバターサービスの着せ替えのヘビーユーザーであり、かなりの課金をしている人たちです。

たとえば、ある対象者は、仕事をしながら空いている時間でアバターのコーデに時間をかけて作りこんでいるといい、ほかのほとんどの対象者も、毎日1時間~3時間アバターサービスに時間を費やしているということが分かりました。

また別の対象者で、専業主婦で7年ほどサービスを継続している方は、着せ替えを何パターンも所有し、テーマに合わせて毎日コンテストに出すことが日々のルーティンとなっているとのことです。

アバターの着せ替えには、月数十万課金しているという方もいれば、これまでの合計で数百万課金しているという方も存在しました。

インタビューして見えてきた彼女たちの特徴は、アバターはもう一人の自分というより、人形やペットという感覚に近く、着せ替えをおこなうことはある種、絵画やアートを作る感覚に近いということです。

一方、近年登場したゼペットは、自分自身とニアリーイコールなアバターを作り、自分の分身のような感覚で使用しているユーザーが多いという違いがあります。自分は映り込めない、または映り込みたくないような写真の中にゼペットを入れ、Instagramに投稿する若者が増えています。

また、興味深かったのは「毎日義務感のようにコーデをおこなっている」という対象者の発言です。われわれはこの発言から、専業主婦の方は外で働く人よりタスクが少なく、子供も成長してしまって空き時間が多いため、自発的にタスクを生み出しているのではないかと分析しました。

人はタスクがない生活を送ると社会性を失い、健全な生活から遠のいてしまうため、社会に対して何かを発信するというタスクを自ら生み出し、自らタスクを処理することで1日の満足度を得ていると考えることができます。

このように、少し拡大的なものの見方をすると、今後AIやさまざまな技術の発達により、人間のタスク量が減るといわれていますが、人びとはタスクのない生活を送ることはできないということを示しているのではないでしょうか。

また、さらに解釈を加えると、人は空いた時間にクリエイティブな活動をする、つまりタスクが減っていくと人はクリエイティブなタスクを自己生成するということを示している可能性もあります。

また、女子高生にも共通していますが、現実世界よりオンラインでのセンスのほうがより重要になってくるというトレンドがあります。

スノウガールや共感ラバーでも見られたトレンドですが、現実世界の自分以上にInstagramなどのオンライン上の自分のほうが見られる機会が各段に多く、アバターも自分の作ったコーディネートがオンライン上で多くの人の目に止まります。

仮に1日どこにも外出しない人にとっては、現実世界で知り合いに会うのは家族だけ、もしかすると誰にも会わない可能性すらありますが、バーチャル世界では何百人にコーディネートを見られ、「いいね」や得点がつくのです。こうなってくると、もはや現実世界で自分のセンスを磨くより、SNSやオンライン上のアバターを磨こうという価値観や行動は、今後ますます顕著になっていくのではないでしょうか。

記事ではこれ以上はご紹介できませんが、ほかにもトライブレポートにはおもしろい機会領域が数多く掲載されているため、お問い合わせの際は、まずは気になるトライブレポート名と「〇〇ビジネスをやっています」ということをお伝えしていただければ、我々がトライブレポートをもとにビジネスアイデアをいくつかご提案し、コンサルティングさせていただきます。

あとは皆さんの会社がすでに持っているリソースと掛け合わせて、新規事業の場合はビジネスモデルを変える、または新商品・新サービスを生み出すなど、それぞれの課題に対応いたします。

たとえば、新商品を作りたいという会社の場合、SEEDATAが提携している会社とこのトライブが世の中に何万人いるかを調査し、その人たちにテストマーケティングしてみて伸ばしていくことも可能です。また、サービス開発の場合もプロトタイプを作ることができますし、ビジネスモデルの場合でも、ビジネスモデルに関する検証された知識を手に入れるPoB(Proof of Business)のプロセスに入ることも可能です。

SEEDATAへのお問合せはこちらから(コンタクトフォームに移動します)。

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宮井 弘之
Written by
宮井 弘之(Miyai Hiroyuki)
SEEDATA 代表