2020.05.28 | D2C

【トライブレポート紹介58】語りたくなるブランド開発のヒント(D2C伝道師)

SEEDATAは今後増えていくであろう考え方や行動を示している先進的な消費者グループ=「トライブ」を独自のリサーチによって発見、定義し、調査した結果をレポートにまとめています。トライブ・リサーチから得られた知見を通じて、推進される企業のイノベーション活動を「トライブ・ドリブン・イノベーション」または「トライブ・マーケティング」と総称し、コンサルティング支援を行っています。トライブレポートの詳細と読み方については、こちらの記事をご一読いただければ幸いです。

トライブレポートの読み方
SEEDATAは今後増えていくであろう考え方や行動を示している先進的な消費者グループ=「トライブ」を独自のリサーチによって発見、定義し、調査した結果をレポートにまとめています。トライブ・リサーチから得られた知見を通じて、推進される企業の...

当ブログではこれまでD2CやDNVBについてさまざまな情報を発信してきました。D2CやDNVBの大きな特徴の一つとして、ユーザーが周囲の消費者にブランドについて語っていくことで、どんどんユーザーが広がり、ブランドの認知が拡大していくということです。

D2CとはDirect to Consumerの略ですが、ブランドが消費者と直接つながるだけではなく、消費者が他の消費者とも直接つながり、ブランドの良さを伝え、語り継ぐことによって、ブランドが広がっていくという点も、SEEDATAはD2Cだと定義しております。

このレポートでは「共感を呼び、語りたくなるブランドを作るためにはどうすべきか」をテーマに、自らが共感したブランドを周囲に語る人のことを「D2C伝道師」と名付け、調査をおこないました。彼らがなぜブランドを語るのかを調べることで「語りたくなるブランドを開発するための方法」を明らかにしています。

注意点として、D2C伝道師はインフルエンサーとは異なるということです。インフルエンサーは商業的にプロモ―ションをおこなっていますが、D2C伝道師はあくまでも一人のユーザーとして、ブランドに共感して購入し、使用している一般生活者を指しています。

 

デスクリサーチ・6つのD2C

今回のレポートでは、SEEDATAがD2Cと定義する日本国内の6つのブランドを調べています。

①NEXT WEEKEND

次の土日にとりいれたい理想の生活 | NEXTWEEKEND
「NEXTWEEKEND」ライフスタイルプロデューサー村上萌が主宰するウェブマガジン。次の週末に取り入れたい理想の生活を提案します。

次の週末に叶えたい理想の週末を発信するコミュニティメディア。

「大きな夢を実現するのは大変でも、次の週末にできる小さなことから始めよう」という哲学を掲げ、この哲学に共感したユーザーは「#週末野心」というタグをつけてSNSで発信しています。

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☺︎ salad breakfast☀︎  サニーレタス、生ハム、いちご そして#ブルサン ペッパー を載せて オリーブオイルをかけていただきます♪  なんでもないサラダにブルサンを載せただけで ちょっとリッチにおいしくなって朝からハッピー。  ピリッと効いたペッパーも 絶妙なアクセントになっておいしい。  贅沢なサラダで ご褒美みたいな朝ごはんになりました。  #ブルサン#ブルサンアンバサダー#贅沢な一皿 #PR#snapmart @boursin_jp @snapmart.jp  #週末野心#カスタマイズエブリデイ #朝ごはん#e朝 #サラダ

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<出典>https://www.instagram.com/p/CAZKwMYlBFM/?utm_source=ig_web_copy_link

②Rili

【DNVBの事例24】 世界観を売るアパレルDNVBブランド・Rili
当ブログではこれまでも海外や国内のDNVBやD2Cブランドとその哲学をご紹介してきました。今回ご紹介するのはRili(リリ)という日本のD2Cアパレルブランドです。 RiliはほかのD2Cアパレルブランド同様、Instagra...

自社ブランドの服だけではなく、「Rili」という世界観を売るアパレルブランド。

他ブランドの服であっても世界観に合うものはどんどん取り入れて「Rili」の世界観を作り上げることを推奨しています。

➂FUJIMI

無料の美容診断|FUJIMI(フジミ)
美容診断から処方するパーソナライズスキンケア「FUJIMI」は自分らしいライフスタイルを送りたい人に寄り添うスキンケアブランドです。オリジナルの美容診断からあなただけのサプリやフェイスマスクをお届けします!

日本初のカスタマイズサプリのサブスクリプションサービスブランド。

④おとぎ不動産

【DNVBの事例23】不動産業でDNVBの考えを活用した事例
これまではアパレル、化粧品、サプリなど消費財のD2C、DNVBをメインでご紹介してきましたが、今回は日本国内の、それも不動産のDNVBをご紹介します。 不動産とブランドは一見かけ離れたイメージがありますが、不動産の中でもDNVBに極め...

熱狂的ファンを獲得し、ブランドのような広がりをみせている町の不動産屋。

⑤snaq.me

【前編】snaq.meが売ってるのは「お菓子」ではなく「おやつ体験」-snaq.me代表服部氏×SEEDATA藤井・佐野鼎談-
SEEDATAではこれまで国内外のさまざまなDNVB(Digitally Native Vertical Brand)やD2Cを調査し、その内容を当ブログで発信してきました。今回は日本を代表するDNVBだとSEEDATAが考える、おやつのサ...

言わずと知れた日本初の「おやつ体験」を提供するサブスクリプションサービス。

⑥youange

youange(ユアンジュ)公式ネットショップ - ゆうこすプロデュースのスキンケアブランド powered by BASE
#明日のかわいいは夜仕込む - 睡眠不足の現代女性へ。睡眠不足のお肌を寝ている間にケア。無添加で優しく水分を与え思わず触りたくなるお肌に!翌日のお肌を楽しみに、ポジティブな気分で眠りにつけますように。

「明日のかわいいは夜仕込む」というコンセプトのもと、寝ている間にスキンケアを実現するスキンケアブランド。

 

以上の6つのブランドの伝道師を調べています。

「D2C伝道師」のトライブレポート本編の内容につきましては、info@seedata.jpまでお問い合わせください。

生活者行動変化仮説・「妥協回避と妥協許容の二極化」

ここでは本レポート「D2C伝道師」の分析から分かった生活者行動変化仮説のひとつをご紹介します。

今後、「妥協回避行動」と「妥協許容行動」の二極化をしていくと考えています。

 

妥協回避行動(ex.おとぎ不動産)

生活者が妥協しないようにサポートしてくれるブランドを利用する行動です。例えば、おとぎ不動産は、家探しは一生に数回しかないイベントなので、後悔しないようにとことんサポートするという哲学をかかげ、妥協回避行動をサポートしています。

 

妥協許容行動(ex.Rili)

さまざまな妥協をすることを許容してくれるブランドを利用する行動です。例えば、Riliは「ファンションはもっとゆるく楽しめばいい」という哲学を持ち、「周りの目は気にせず今着たいものを着よう」というコンセプトを強く押し出しています。例えば、自社ブランドだけでなく、プチプラを組み合わせることも推奨し、妥協許容行動をサポートしています。

「昔よりInstagramなどのSNSで人の目を気にしてしまう時代だからこそ、人の目を気にしないで、堂々と自分のかわいいと思う服を着ればいいと思う。ゆるく適当に生きることを認めてくれるのがRiliというブランドの良さ」とトライブは発言しています。まさしくこれが共感を呼ぶブランドのユーザーが語りたくなる部分なのです。

参考事例として、海外のアパレルブランドでは「5年後に着られない服には意味がない」という広告で、衝動買いを促さないブランディングをおこない、共感を呼んでいる事例もあります。これは妥協回避行動のサポートといえるでょう。

 

「共感を呼び、語りたくなるブランドを作るためにはどうすべきか」が今回のテーマでしたが、妥協しないようサポートしてくれたり、妥協を許してくれたり、生活者に寄り添ったサービスを提供するからこそ、生活者は誰かにそのブランドのサービスを語りたくなるのです。

 

このように、今後、ブランド開発の際には、妥協回避をサポートするのか、妥協許容をサポートするのかを決めることが重要になってきます。妥協許容、妥協回避をしっかりと謳っていくブランドが、今後支持される傾向はさらに強まっていくでしょう。

この生活者変化行動仮説をもとに、妥協回避、妥協許容のどちらに寄せるのかをブランドマネージャーは考えていく必要があります。生活者にとって、極端に強い哲学でなければ共感は生まれないからです。

 

「D2C伝道師」のトライブレポート本編の内容につきましては、info@seedata.jpまでお問い合わせください。

 

佐野拓海
Written by
佐野拓海(Sano Takumi)
アナリスト